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奇妙な世界がいつの間にか愛すべき世界に 映画『JUNK HEAD』


 

こんな人にオススメ

  • ダークな世界が好きな人

  • ちょっとグロテスクなものが好きな人

  • ものづくりに興味がある人

ストップモーションアニメは中学生の時に観た『ひつじのショーン』以来だったと思うんですが、それとはかなりかけ離れたヤバい世界のお話です(^-^; 強烈すぎるクリーチャーやキャラクターの掛け合いは最初なかなか慣れません… ですが、観ていくほどに不思議な魅力を感じるようになる映画でした。

あらすじ

環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。

ワンマンアーミーならぬワンマンムービー

雑な切り取りですいません;;

この映画の内容に入る前に、この映画の製作が異色すぎたのでそこから書いていこうと思います。画像にもある通り、この映画は堀貴秀監督という方がありとあらゆる制作を行っています。しかも独学で7年の歳月をかけて作り上げたそうです… これだけ多様な役割をほぼ一人で担っていたことが凄いのはもちろん、7年間孤独にモチベーションを保ち続けていたことも、私には全然想像つかないです;;

こういった制作事情を知ったうえで観たので、ストーリーやキャラクターといった一要素ではなく、”一人の人間(堀監督)の世界”がまるごとアウトプットされていることの異様さと面白さを常に意識しながら観ることができました。

キモカワ注意

この農場のシーンが一番キツかったです…

マリガン(地下の生物)たちの造形はマスコット的な可愛いものから、小さい子が観たらトラウマになりそうなものまでかなり幅広いです;; ただ、どのクリーチャーもストップモーションアニメならではの質感なのか、可愛いいと感じる場面が結構ありました笑

単純に造形がキモカワなだけだったら他の作品にもありそうなんですが、この映画は作品全体がキモくてカワイイものになっています。 地下世界の生態系や農場?など、一部の人はリタイアしてしまいそうなシーンと微笑ましいギャグシーンのギャップは超強烈です… 私の場合、作品全体でカワイイよりはキモイ(ポジティブな意味で)が勝っていました(^-^;

意外にハートフルな物語

 

ディストピア的世界観と独特な造形に反して、ストーリーは友情や夢など、どこか希望を感じるものだった気がします… 奇怪で危険なものとして観ていた地下世界も、ジャンクヘッドを通して住人?に触れれば全く違ったものに観えてくるはずです。三部作の第一作目にあたる今作で、見事に地下世界に惹きこまれてしまいました。近場の劇場で続編を上映してくれるかはかなり怪しいんですが、公開されたら観に行きたいと思います…

最後に

全ての人が好きになる作品ではないと思いますが、熱狂する人がいることは観ていて容易に想像できます。サイトに世界観やざっくりしたキャラクターのビジュアルが載っているので、そちらをチェックして気になった方は観てみるのが良いんじゃないでしょうか(^-^;

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

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