とある機械設計エンジニア

某自動車メーカーで技術者として働いています。早稲田大学基幹理工学研究科出身。 大学の勉…

とある機械設計エンジニア

某自動車メーカーで技術者として働いています。早稲田大学基幹理工学研究科出身。 大学の勉強ちゃんとやっておけばな。。。と後悔しています。後輩たちには同じ思いをしてほしくないので、「工学のプロを目指す」皆さんのために最初のステップをお手伝いできればと思います。

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  • 設計屋のひとりごと

    適当にあったことやったことをつぶやきます。

  • これだけ!シリーズ

    工学系の勉強をコスパよく、タイパよくこなしたい皆さん向けに、これだけはやっとけ!というトピックを集めました。工学系の論文を一人で読めるようになるための知識を提供することを目的として記事を作成していきます。

最近の記事

Tesla ModelYに3日間乗ってみた件

1.まえおき 近年、国外ではEVに乗る人が急速に増えている。その大半が人口の多い中国のユーザーだ。中国では国策でEVを猛烈に推進しており、その甲斐もあり既に新車販売の半分はBEV、もしくはPHEVというありさまである。重要なのが、今までの中国市場のようにトヨタや日産、VWやメルセデスがこの流れを作っているのではない。中国の地場の企業がここ数年で急成長し、既存の外資メーカーを完全に排除しようとしているのだ。これも恐らく国策であろう…残念ながら日系OEMもこの流れに押し切られそう

    • 第18回 これだけ!微分(微分積分)

       前回は極限の不定形についてその求め方を学びました。 今回は微分について学んでいきます。高校範囲のおさらいなので駆け抜けていきましょう! 1.あなたはこの関数を描けるか 問題です。以下の関数の形を"正確に"描いてみてください。(ここでいう"正確に"とは極値と変曲点を明確にすることを指します。) $$ f(x)=\frac{e^x}{x^3} $$ どうですか?描けましたか?  "正確に"描けた方、あなたは微分を十分に理解してますので、この回は飛ばしてもらっても構いませ

      • とあるEV記事の嘘と実際

        1.この画像に要注意 こちらの画像をご覧ください。  ”EV 火災”などと検索すると出てくる記事に、よくこの画像のデータが引用されています。$${ ^{1)}}$$ $${^{2)}}$$  ある年の火災発生件数がハイブリッド車で16,000件、ガソリン車で200,000件、EVで52件だと主張しており、また100k販売あたりの出火数はハイブリッド車が最多で、ガソリン車、EVの順で発生していると主張しています。 このデータ間違っています、というのが今回のお話です。 引用

        • 第17回 これだけ!極限2(微分積分)

          前回は極限とは何か、不定形の簡単なパターンの極限の求め方を学びました。 今回はより複雑な関数の極限を学んでいきましょう。 1.前回の宿題の答え本題に入るその前に…前回の宿題の答え合わせです。 (1) $$ \lim\limits_{x→\infty}\frac{3^x-2^x}{5^x-4^x} =\lim\limits_{x→\infty}\frac{1^x-(\frac{2}{3})^x}{(\frac{5}{3})^x-(\frac{4}{3})^x} $$

        Tesla ModelYに3日間乗ってみた件

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        • 設計屋のひとりごと
          4本
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          17本

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          第16回 これだけ!極限1(微分積分)

          前回までは線形代数についていろいろと学んできました。まだ学んでない方は、ぜひ下のリンクから学んでみましょう! この回からは微分積分についてざっくり学んでいきましょう。今回は極限とはなんぞやというお話です。 1.極限とは4つ覚えましょう。 (1)実数xが定数aに限りなく近づいたとき、関数f(x)が一定値bに近づくことを、 $$ \lim\limits_{x→a}f(x)=b $$ と書き、「x→aのときf(x)はbに収束する」と表現し、bはx→aのときのf(x)の$$

          第16回 これだけ!極限1(微分積分)

          第15回 これだけ!論文を読んでみよう(線形代数)

           前回は3次元のばねマス系の連成振動の解について解説しました。  今回は今まで学んだ内容の実践、というほど仰々しいものではないですが、線形代数がどのように使われているのかを、論文を読みながら見ていきましょう。 1.今回紹介する論文について 今回紹介するのはこちらの論文。 Numerical modeling of traffic-induced ground vibration Mohannad Mhanna, Marwan Sadek , Isam Shahrour,

          第15回 これだけ!論文を読んでみよう(線形代数)

          最近、技術士の勉強をしています。少しでもスキルアップに繋がることをしたいのと、邪な話ですが資格手当が出る企業があるとのことで、転職の際にも嬉しいなと思ってのことです。今年中に技術士補を取得して、その間にあった体験や勉強したことなどを記事にしたいなと思います。というつぶやきでした。

          最近、技術士の勉強をしています。少しでもスキルアップに繋がることをしたいのと、邪な話ですが資格手当が出る企業があるとのことで、転職の際にも嬉しいなと思ってのことです。今年中に技術士補を取得して、その間にあった体験や勉強したことなどを記事にしたいなと思います。というつぶやきでした。

          第14回 これだけ!連成振動を求めよう(線形代数)

           前回は行列の対角化の方法について解説しました。  今回は行列の対角化を活用して、実際に3次元のばねマス系の連成振動の解を求めていきます。これが解けるようになるために13回も解説を続けてきたつもりなので、皆さん最後のひと踏ん張りです! 1.問題提起。3自由度の連成振動 以下のようなばねと質点が繋がった系があります。この時各質点の変位$${x_{1},x_{2},x_{3}}$$を求めてください。…というか一緒に求めていきましょう。 まずは運動方程式を打ち立てます。運動方

          第14回 これだけ!連成振動を求めよう(線形代数)

          3DプリンターとArduinoで電動アシスト技術を再現したい

           最近思うことがある。  私は自動車メーカーに勤めているわけだが、確かに自動車は人々の生活を便利にしている。遠くに移動できる、重い荷物を楽に運べる、車中泊にレジャーに用途は無限大。しかしながら自動車にはいまだ解決できない課題がある。一つはライフサイクルにおける環境負荷。もう一つは使用者への金銭的な負荷。そしてもう一つは生身の人間にとって車は依然として凶器であるという点である。  自動車メーカー各社は血眼になって解決策を探っている。弊社も例外ではない。持続可能な社会を実現する

          3DプリンターとArduinoで電動アシスト技術を再現したい

          第13回 これだけ!行列の対角化(線形代数)

           前回は固有値と固有ベクトルの考え方について解説しました。  今回は行列の対角化について解説します。これを学ぶことでいよいよ連成振動を解析的に解くことができるようになります。もうひと踏ん張り頑張りましょう。 1.対角行列はどうやってだすん? 固有ベクトルと固有値の定義の式が原点です。 $$ AX=\lambda X $$ 行列$${A}$$がn次の場合、上式を満たす固有値$${\lambda_{1}\dots\lambda_{n}}$$と固有ベクトル$${u_{1}\

          第13回 これだけ!行列の対角化(線形代数)

          第12回 これだけ!固有ベクトルの考え方(線形代数)

           前回は固有値と固有ベクトルの求め方を解説しました。  今回は固有ベクトルと固有値の考え方、つまりこれらの概念がどう大事なのかを解説します。前回の内容が理解できることが前提なので、前回の内容をしっかり復習しましょう。 1.固有ベクトルで表現できること 線形空間におけるn次行列$${A}$$による線形変換を考えます。この時、行列$${A}$$の固有ベクトルがn個があるとしましょう。そしてこの固有ベクトルはたがいに直行(線形独立)でしたね。つまり、線形空間における任意のベクト

          第12回 これだけ!固有ベクトルの考え方(線形代数)

          第11回 これだけ!固有ベクトルと固有値(線形代数)

           前回は線形空間と線形変換の性質について解説しました。  今回は固有ベクトルと固有値とは何か、そして固有方程式の解き方について解説していきます。 1.固有ベクトルと固有値実は前回固有ベクトルについてちらっと話しましたが、今度は違う例で再度説明します。次のような線形変換を考えましょう。 $$ A= \begin{pmatrix} 3&5\\ 1&-1 \end{pmatrix}\quad \overrightarrow{r}= \begin{pmatrix} 5\\1 \

          第11回 これだけ!固有ベクトルと固有値(線形代数)

          第10回 これだけ!線形空間と線形変換(線形代数)

           前回は何を目的にこの講座を投稿しているのかについて解説しました。  今回は線形空間と線形変換の性質について解説していきます。 1.前置き。線形空間 線形変換についていきなり説明する前に、線形変換が行われる空間について説明します。  ベクトル$${\overrightarrow{a},\overrightarrow{b},\overrightarrow{c}}$$について次のような式を考えましょう。 $$ \overrightarrow{x}=k\overrightar

          第10回 これだけ!線形空間と線形変換(線形代数)

          なぜ「これだけ!」シリーズを始めたのか。もやもやとした私の夢

           今年の2月中旬から「これだけ!」シリーズの第一弾として線形代数学の講座を投稿し始めました。早くも9回目を迎えいよいよ終盤、終わりが少しずつ見えてきたという状況です。そして徐々に見てくださる方やスキを押してくださる方が増えてきてうれしい限りです。 私の夢  私には夢があります。夢というよりかは使命感といった方が正しいかもしれません。私の夢とは、日本のこれからの若者の学力を向上させることです。特に工学分野においてその最前線を引っ張るような若者を育成したいです。それには会社に

          なぜ「これだけ!」シリーズを始めたのか。もやもやとした私の夢

          第9回 これだけ!行列式の使い道。講座の目指すところ(線形代数)

           前回は行と列の基本変形を用いた行列式計算方法について解説しました。  前回の最後で「次回はなんで行列式を解く必要があるのか、その活用法の一端にふれましょう。」と宣言した手前、どのように説明するか悩んでいましたが、この際私たちが目指すところを洗いざらい話しちゃえ、ということで、線形代数の講座の最終的な到達点をお伝えしたうえで、行列式が何に使われているか、この先何を学ぶ必要があるのかを、紹介しましょう。  なお今回は高校物理の内容が出てきます。なるべくわかりやすく説明するつも

          第9回 これだけ!行列式の使い道。講座の目指すところ(線形代数)

          第8回 これだけ!行と列の基本変形を駆使して行列式を解こう(線形代数)

           前回は行列式の余因子展開を使った求め方について解説しました。  今回は列基本変形を用いた行列式計算方法について学びましょう。 1.行列の基本変形をもう一度学ぼう かなり前の回の復習です。行列の行基本変形ではどんな変形の仕方がありましたか? 上の3つの動作があるのでしたね。覚えてないっす!という方は↓のリンクから行列の行基本変形の方法と活用方法を学びましょう。 行列の変形では列の変形はいけないこととされていましたが、行列式では列の変形も行うことができます。以下の法則を

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