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マーケティング:差別化が経営環境にFITするためには?

「製品を差別化すれば売れる!」は幻想

「困ったときは差別化すればなんとかなる」と思われているかもしれませんがそうではありません。今回は意外と知られていない「差別化」に適したタイミングを説明していこうと思います。

ここでいう、「差別化」とは絞った顧客に対して競合とは異なる独自的な製品やサービスを提供することです。

では差別化が適している状況とはなんでしょうか?

それは、「成熟期」です。

成熟期とは、製品が市場に普及し、市場の成長が鈍る段階のことです。

この場合は「差別化」を行うことは是とされます。なぜなら、競合他社と固定的な市場のパイを奪い合う状況下では、自社の商品を積極的に顧客に選んでもらう理由を作る必要があるからです。

積極的に選んでもらうために、他社の商品との違いを作り絞った顧客を惹きつける「差別化」が重要なポイントになって来ます。

では、差別化が適さない状況とはなんでしょうか?

それは、「成長期」です。

成長期とは、市場が拡大する局面、つまり顧客の候補となりうる消費者の数が増えることです。その場合は差別化は適していません。なぜなら、機会コストが大きいからです。

機会コストとは、1つのことを選択し実行した場合に、他の選択肢を実行していたときに得られていたであろう利益のことです。差別化とは、商品に違いを作るために独自性を作ることと同時に、独自性をもったためにそれを是としない顧客のニーズを満たせなくなることとイコールです。

例えば、高級なブランド品は高級志向な商品が好きな人の需要を取り込むと同時に、中価格帯と低価格帯の商品を所望する人の需要を取り込めなくなります。

成長期にはこの機会コストが大きくなります。

市場が成長している、つまり顧客数が増えていて競合他社から奪うのではなく新規顧客を取り込むことに焦点が当てられている時期に、狙うべきターゲットを決め差別化すると、取り込める新規顧客数が減ってしまい利益が減少する、つまり機会コストが大きいため差別化すべきではないのです。

まとめ

「差別化」が適しているのは成熟期、成長期では機会コストがより大きくなるため「差別化」をするべきではない。

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