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小清水志織
2021年8月26日 20:49
雨が好き。なぜなのかは知らない。十五歳のころから好きだった。雨の降る音で目が覚める朝は心地よいのだ。パラパラと散る小雨はかわいいし、ジャージャー地面を叩く本降りは力強くて勇ましい。そんな日は、母のつくった食パンとスープの朝食をせわしなくかきこんで、歯磨きさえ忘れてカバンをひとつかみ玄関を出るやいなや、スキップを交えながら登校したものだった。当然のことながら、校門へ着くころには髪の毛はびしゃびし