見出し画像

全ての中心となる価格戦略

こんにちは。トーイです。今日も、MUPカレッジで学んだ内容をギューッとまとめました。今回は「価格戦略」です。サービスを何も変えなくても、価格を変えるだけで、価格の表現を変えるだけで売上は伸ばすことができます。


一昔前の価格弾力性

価格弾力性とは、価格をグッと抑えれば、その分販売数が伸びる。一方で、価格を上げれば、販売数は伸びない。という考え方です。数年前までは、ビジネスの間では各方面で唱えられていました。

しかし、現在は価格弾力性はほぼ通用しません。例えば、アイスの「ガリガリ君」は数年前に値上げしました。価格弾力性の理論で考えると、ガリガリ君の販売数は落ちてしまいます。しかし、価格をあげても販売数は変わりませんでした。

価格弾力性は、モノが充実していなかった時代に効果を発揮しました。例えば、洗濯機が初めて出た時は、多くの人が欲しいと電気屋さんに殺到しました。その際、他店よりも価格を抑えることで、販売数を伸ばし、売上を上げることができました。

しかし、現在はモノで溢れてしまっている状況です。しかも、昔と比べて様々な機能を持ったモノが販売されており、品質も最低限担保されているものばかりです。いろんな選択肢ができたことにより、「安くすればお客さんが増える」という単純なものではなくなってしまいました。

では、どのように価格設定し、販売していけば良いのでしょうか?


小規模ビジネスなら「集中戦略」

ビジネスは、大きく3つに分けることができます。

①コスト戦略
②差別化戦略
③集中戦略

コスト戦略

コスト戦略とは、価格による優位性を保て、多くの人に選ばれることです。

コスト戦略の代表例として、ユニクロが挙げられます。なぜユニクロが安く提供できているのかというと、生産コストをグッと下げているからです。ユニクロの商品は品数は少ないです。同じ形をした服を、いろんなカラーバリエーションで提供することにより、低価格での提供を実現できています。


差別化戦略

差別化戦略とは、特異性による優位性を保て、多くの人に選ばれることです。

例えば、ZARAは差別化戦略をとっています。ユニクロがシンプルで低価格を実現している一方、ZARAはデザイン重視でオシャレ層を獲得しています。

実は、コンビニも差別化戦略に位置します。例えば、家から徒歩1分のコンビニで牛乳が200円で売っています。徒歩10分のスーパーでは、170円です。この状況の時、多くの人は30円高くてもコンビニで買うと言います。30円高い分は時間を買ったということです。つまり、全国各地に店舗を構え、「距離が近い」という特異性を生み、価格を上げても購入してもらえる仕組みを作っているのです。


集中戦略

集中戦略とは、一定の人に、価格や特異性で選ばれることです。多くの人ではなく、ニッチな人に購入してもらう戦略です。集中戦略は、「低価格」と「特異性」の2つに分けられます。

ニッチ×低価格
狭いニーズに対し、安く多く売る
【例】
・オンライン販売
・古着専門店
・白T専門店
ニッチ×特異性
狭いニーズに対して高く少なく売る
【例】
・高級ブランド
・オーダーメイド
・コラボメイド

今回は、「ニッチ×特異性」の、狭いニーズに対し、どのように高く売っていくかを説明します。


価格を上げるための3つのテクニック

①PRICE EXPRESSION
②VALUE HIGHLIGHT
③ARR(ANNUAL RECCURING REVENUE)

①PRICE EXPRESSION(価格表現)

まずは、価格を表示するだけでなく、価格を表現しましょう。

MITである実験を行いました。印刷版とウェブ版の、内容が同じ2つの教材がありました。印刷版は1万円、ウェブ版は5千円です。すると、印刷版を購入する人は32%、ウェブ版を購入する人は68%でした。

そこで、印刷版1万円、ウェブ版5千円に加え、印刷+ウェブ版1万円のプランを1つ用意しました。すると、購入者は印刷版0%、ウェブ版16%、印刷+ウェブ版84%となり、売上が148%も向上しました。

また、松竹梅もよくある手法です。3つプランがあれば、真ん中が買われやすいというものです。しかし、ただ価格差をつけて3つ用意すればいいわけではありません。

松:18800円


竹:13000円
梅:11000円

上記のように、松と竹の価格差を大きく設けることで、より真ん中に収束させやすくなります。

このように、売っているものは変えなくても、「価格の表現の仕方」を変えるだけで売上を伸ばすことが可能です。


②VALUE HIGHLIGHT(価格強調)

商品を売る際、ネガティブイン→ポジティブアウトを意識しましょう。

【青汁】
うーんまずい!もう一杯!
【万年筆】
高いですが、一生使えます

最初にネガティブなこと、最後にポジティブなことを伝えることで、印象をよく見せることが可能になります。

また、具体的な利用イメージや、ユーザー層を絞って伝えることも効果的です。

【自動車のCM】
年間1万キロ以下の方へ
【AGAクリニック】
20代でAGAにお悩みの方へ

このように、具体的な人に絞って発信することで、その特徴に合致する人に支持されやすくなり、結果的に購入者数も増やすことができます。


ARR(年間価値)

1回あたりの単価を抑え、継続的に利用してもらい、生涯的に多くのお金を落としてもらうという考え方です。

例えば、髭剃りは本体価格はそこまで高くないですが、継続して使っていると刃を交換する必要があります。刃を継続して購入してもらうことで、ARRが高くなり、結果的に単価を上げることができます。

また、セブンイレブンのアイスコーヒーも例として挙げられます。コーヒーは1杯約100円で、コーヒー単体だとそこまでの利益はありませんが、ついでに購入されるモノの経済効果がかなり大きいです。このように、継続して購入してもらうモノを安く設定し、ついでに他のモノも購入してもらうことで売上を上げていくことができます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?