見出し画像

【映画】ハウス・オブ・グッチ

(※ストーリーは概要に触れているのみなので、ネタバレは紹介記事程度のみのはず)

ラストにテロップのみで説明される顛末を読んで、改めてこの話がほぼ実話なのだというインパクトを噛みしめました。
世界に名だたるファッションブランドのお家騒動と愛憎劇。

内容が内容だけに、登場人物が権力や富を失ったり、力関係の大逆転が生じたりするのだけど、それらの「転落」が割と淡々と描かれるのが特徴的に感じました。
裏切られて激昂するようなシーンはあっても、次のシーンではサクッと未来に進む。
最近のドラマでよくあるような、裏切りの瞬間から一回過去に戻って、「実はあの会話の裏ではこんなやり取りが・・・」的な種明かしが入ったりはしない。
「本当はずっと、あの時からアンタを裏切る事を決めていたんだよ・・・」的な登場人物の心情の暴露もなし。
起きる事象がダイナミックな割に、描き方は比較的あっさりとして話が進む。
まあ、裏切りの内容自体もそんなに複雑ではないから別に長い説明は要さないし、個人的には過剰演出よりは良いかと思いましたが、若干この点で好みは分かれるかもしれない。

ちょうど民放のバラエティ番組で、実録再現コーナー的に取り上げられていましたが、ストーリー展開についてはまあ大体あんな感じです。
元が事実だしね。解明しない謎がある訳でもないみたいだし。
とはいえ、さすがの衣装の華やかさや役者さんの演じぶり、あと音楽の使い方が面白い映画でした。危機的なシーンをベートーベンで煽ったり。

以下雑感。
●アダムドライバー、化けるなあ。作品によってイメージがまるで違う。
 (「スター・ウォーズ」のカイロレンです)
  機会があれば改めてもう少し触れたいけど、彼の役者としての幅の広さを認識致しました。
●ヒロイン?のパトリツィアに関しても、特に前半は何が本心なのかは明確に描かれないので、最初から計算づくでマウリツィオに近付いたのかどうかも観る人の解釈次第のようですが、個人的にはあのレディー・ガガの目ヂカラ故に最初から上昇志向バリバリに見えました。
TV番組では計算づくとして扱ってましたね。
●レディー・ガガ様、違和感なかったけど、あちらの歌手の方でこれだけ普通に女優業やるのは珍しいんじゃないでしょうか。今回は歌もダンスも全然関係ないし。
 流石にアメリカの第一線のシンガーだけあって、いわゆるモデル体型とは違うんだけど、小柄で肉感的なビジュアルが、体当たりで御曹司を射止めてのし上がる女性としてなんかリアルに感じました。そして目ヂカラ。
 痩せたら多分パフォーマンスに差し支えるし、向こうの歌手にスリムさなんて求めないだろうからな・・・という横道なカルチャーの違いにも思いを馳せた次第。


公式サイト:https://house-of-gucci.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?