見出し画像

自分の経験した事より、経験することの意味を伝えよう。

少し煽り気味のタイトルですけど、今回は「良い指導者とは?」というテーマで記事を書いてみます。

ビジネス書やネット記事でも、よく見かけるテーマの一つですね。
様々な業界の著名人がこのジャンルで執筆されています。

私自身も何冊も手に取ってきましたが、論じている内容は理解できるものの自分へインストールするのは難しいと感じたり、試してみて挫折したこともあります。
また、両親そして自分の子供という世代を跨いだ教育の成否もありました。
そんな経験値から得た答えの一つが、

経験を伝えることは意味が薄い

ということでした。
なぜか?という点で噛み砕いてみましょう。

✅その人のためになるか?

そもそも、自分の経験を伝えることは簡単です。
自分の言葉で且つ回想しながら口に出すことは、記憶を頼りに、多少不正確でもできてしまうからです(他人からは検証のしようもないし)。
そのため、多くの指導の場面で使われる手法です。

しかし聞く側からすると、話の内容よりも意図が気になってきます。

歴史の年表と出来事だけを説明されるよりも、例えば何故大政奉還が行われたのか?など、その背景や理由まで説明することによって出来事の意味を理解できるからです。
単なる昔話なのか、史実を解説したいのか?
そういった意図を、聞く側は意外にも冷静に見ていたりします。

つまり、自分の経験(体験談)だけを語っても、その人のためにはならないことが多いのです。

✅自分自身が得た事を言語化する

そこで重要になるのが、経験を通じて自分自身が何を得たか?ということを説明することです。
例題を出してみます。

「インターハイの決勝で惜しくも負けて準優勝だった。この悔しさをバネにプロ転向後も、必死で努力してきた」

こういった経験を伝えられても、聞く側としては何も参考になりません。単なる過去の出来事とその経緯だけですから。
そうではなくて、

「インターハイの決勝で負けた原因はメンバーとのコミュニケーション不足だった。だから、プレーの良し悪しをメンバーにははっきり言うことを、プロとして練習中から意識している」

という経験から得た教訓を伝えることができれば、より参考になる金言となると思います。
さらに、この例題から

「プレーで良かったことや悪かったことを、メンバーに伝えてみてほしい。逆にメンバーから君のプレーについても意見がもらえるだろうし、それがチームとして成長できるきっかけになると思う」

といった感じで、聞く側に対して具体的な方法や行動に移すべき理由について教えることができれば、十二分であると思います。

✅経験することの意味は?

経験(体験談)だけでは全く意味がない!
と断言しているわけではないです。
職業、部活、人生観や家庭環境など、境遇や状況が近い人の経験ほど役立ちます。そういった場合、対象者が明確になっている限定的かつ専門的なセミナーであることが多いです。
経験を聞くだけでも価値がある事もあります。

🌱🌱🌱

人に教える、または指導するといった場面においては、経験(体験談)を語るだけでは意味が薄いと述べてみました。

あなたが経験したことによって、
どんな学びがあったか?
どういった行動に繋がったか?

を言語化しておき、経験することの大切さを伝えてみて下さい。
そうすれば、それを聞いた人なりの考えで行動に移ってくれます。
そうした自発的行動によって得られる経験値は、必ずその人の糧になります。

あなたの経験を、ムダにしないためにも。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?