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かわりゆくあなた、わたし、ひとびと


あなたは誰よりも楽しんでいた。
ずっと、今も昔も。あなたの昔のことは知らないけれど。
あなたの全てを知ったふりをしているの。
にんげんってかわるのが当たり前だからね、それは知っている。


わたしは誰よりもよく知ったふりをしていた。
この世のしくみとか、他人の恋愛とか、洋楽のこととか。
本当はなにも知らないこと、気がつくまでずいぶん時間がかかった。
かわることが怖かった。このままなくなりたかった。


ひとびとは知らなかった。
じぶん自身がかわりゆくことに。
暮らしとか、お金とか、生きている意味について。
気づいた頃には遅かった、に違いない。
ひとびとはひとびとが思う以上にかわりゆく。

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