20年、わたしの知見

わたしにだって20年生きてきた知見がある。
圧倒的なヒエラルキーを見せつけられたあの時のことは忘れないし、本は読めば賢くなれた気がする。のどかなところで日暮れとともに寝て朝日とともに起きてゆきたいと願う日もある。

そんなことはどうでもよくて、そんなことではないけど、今わたしがあなたに話したいことは。
夏の暮れの夕方、生温かい風が体を横切った時の話。お気に入りのハンカチを失くした。
このろくでもない世界に終止符を打つと。

今日も母たちは人々の屋根として息をしている。
わたしもその恩恵を受けているのだ。
そういうことが、分かった。

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