【セミナー内容を要約】マクドナルドをV字回復させた原田泳幸氏(前編)
アップルジャパン、日本マクドナルド、ベネッセ、現在はゴンチジャパンと20年間に渡り社長・会長を歴任。グローバル企業44年、IT業界33年、外食産業11年、教育・介護事業2年という豊富なビジネス経験を持つプロ経営者の原田さんの講演会に参加してきました。
原田さんはベネッセを退任された後、3年ほど中小企業の経営者向けの塾などもされていたようです。
強烈なフレーズの連発で、言葉の力強さに圧倒されました…。これは発信したい内容だと思い、Twitterでコミットメント。
「いいね」とリツイートがじわじわ増え、逃げられなくなりました(笑)
それでは早速、要約に入っていきます。
(私、とみざわのフィルターがかかっているので、原田氏の講演内容と若干違う箇所はご容赦ください)
<マクドナルドの経営について>
・経営者として学びが最も多かったのはマクドナルド時代
・マクドナルドは全世界で16億人のお客様、日本だけでアルバイトのクルーを入れると16万人いる
・1日に300~500万人に同じ品質の食べ物をお客様に提供するのが仕事
・ピープルビジネスの極み
・7年連続のダウントレンドで経営を任され、3ヶ月でV字回復した
・やったことは2つだけ
ー①飲食経営での基本であるQSC(品質、積極、清潔さ)の徹底
ー②ボーナスは自分で稼ぐこと、稼ぎはお客様から頂けるもの、社長や上司ではない、ということを伝えた
<働き方改革について>
・働き方改革の目的は色々あるが、ホワイトカラーの競争力向上、ここから目を背けてはならない
・外資系企業に長く勤めてきたが、日本は明らかに遅れている
・2004年に日本マクドナルドのCEOに就任。以来、残業0を目指してきたが定着するのに5年かかった
・社員に伝えた残業0にする目的「競争力を上げるために残業を減らす、決して人件費カットではない」
・社長無理です、仕事が終わりませんと言われたら、残った仕事は安心して持ってこい、責任を持ってゴミ箱に捨ててあげると言ったが、誰も持ってこなかった
・特に無理です、と言われたのがマーケティングや企画の部署。そこは逆に人数を減らした。そうしたら残業がなくなった
・日本は2人で決めれば良いことを4人で決めている。手直しのための会議を繰り返している。決定したのに実行しない。階層別に伝達する会議が多い。無駄な会議をなくした。
・グローバル企業にはサクセッションプラン(客観的な人材アセスメント、組織力分析、次世代人材プールの育成、活性化、リテンション(定着)戦略まで含んだプロセス※)が当たり前にあり、全管理職以上に求められている
※参照元:日本の人事部
・管理職以上のボーナスには「業績」「顧客満足度(QSC)」「社員満足度」「ビジネスパートナーの満足度」「「後継者育成」「企業のブランドスコア」を反映している
・上記の業績は過去を、それ以外は明日のビジネスチャンスを反映している
・固定給は責任に対するもの、能力は成果報酬で払うもの
・資格を固定給で支払うのは違和感を感じる。固定給を上げるときは責任が大きくなった時
・「会社業績✕個人評価」にすれば、いい人材にもっと報酬を払える
・他社にいい人材を取られないよう給与制度の設計も重要
・給与制度の設計の際に重要なのはベンチマーク。ベンチマークは業界毎ではない。SONYのベンチマークはPanasonicではない。GAFAだ。(GAFAが狙っている)業界を超えたコンピテンシーの奪い合いが起きているのだ。
・世界を見ると、女性の社会進出が高いほど、出生率が高い。日本はそれを理解していない
<日本とグローバルの会議のやり方の違い>
・日本とグローバルでは会議のやり方が全然違う
・グローバルでは会議の場は「勝負の場」
・日本は「情報交換」の場。「コンセンサス」をとる場。
・そこで決定しても「社長がああいうけどさ・・・」と新橋の焼き鳥屋で愚痴をこぼしている
・日本の会議は資料の読み合わせから始まる、意見を言うと白い目で見られる
・アメリカの会議は資料の事前配布、プレリード、コンストラクション、決定の場、決定したら従う、発言していないと会議に参加していなかったと見なされ、かなり厳しい評価になる
<スティーブ・ジョブスが毎年TOP100ミーティングで話していたこと>
・毎年参加者に質問していた
・「今年始めて参加する人は?」半分の人の手が挙がる
・「過去1年間、社員を首にしなかった人は?」
・手が挙がった社長に対して、「君の会社のスタッフがそんなにパーフェクトなわけないだろ」
・とにかく、人の質に厳しかった、Greatでも妥協しない、Crazyで丁度いいぐらいの強烈な情熱を持っていた
<日本とグローバルの組織の作り方の違い>
・日本は人ありき、次に組織、次に事業を考える
・グローバル企業は真逆。ベストな組織モデルを作り、ロール&ミッション→職能定義→社内外からベストなポスティング→足りなければリクルート→余剰人材はバッサリ
<経営について>
・経営の7割は人事、3割は財務(自分自身もできていたわけじゃない、反省も含めて経験上こうだと断言できる)
・人が採れないという社長は採用にどの程度の時間を使っているのか?採用こそが競争力の源泉。常いい人材を自分で探しているか?Indeedに丸投げしていないか?
・ヘッドハンターにあの人と対面させてくれ、ということをやってきた
書ききれないので続きは明日にします(笑)
明日書く予定のnoteに出てくるのですが、原田さんのお話で
「教えれば教えるほど人は脳死する」
というフレーズがあります。
昨日、帰宅して3歳の娘のボタン付きパジャマを着せる際に、ハッとそのフレーズが浮かび、
いつもなら、ボタンをこちらで締めてしまうところを「今日は自分でやってみようね」と促しました。
山本五十六さんの名言を頭に浮かべながら・・・
やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず
まず、1つ目のボタンはやってみせる
2つ目のボタンは手伝いながら、極力自分でボタンをつけさせる、できたら、心からほめる
3つ目は手伝わず、応援しながら見守り・・・
1人でボタンをつけれるように!この時、強烈な感動を味わいました・・・!
ということで、よろしければ、明日の朝までに配信する後編も御覧ください。
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