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Netflix映画『パレード』
心残り無しに死ぬわけにはいかないと思っていても、人生そう上手くいくことばかりではない。もしあの時に別の選択をしていれば、と後悔することは幾らでもあるし、見ることの出来なかった結末が気になったとしても知るすべはない。人生は一方通行のパレードだ。
映画というよりも芝居を見ている感覚に陥ったのは、劇中劇のような構成だからだろうか。生きている人たちの世界と死んでしまった人たちの世界がクロスして、でも互いには交わることなく在り続けることが、劇場で舞台を見ている感覚にさせる。
死後の世界と聞くとおどろおどろしい感じがするけれど、ましてや死にきれない霊が棲み着いている場所なんて普通に考えたらホラーでしかない。でも、残された人たちを心配するあまりこの世への未練が断ち切れないのだとしたら、この世にいる人たちは強く生きる姿を見せることが何よりもの供養になるだろう。
鐘の音とともに多くの人々が一堂に会するパレードは何のために行われるのか。そこで何を見て何に気づき、何を決意するのか。
不意にはらりと流れる涙がどんな感情によるものか分からないままに、エンディングで明かされるからくりに、また涙が溢れるのは、あなたの心が登場人物のひとりと同化したからに違いない。
無念を残さずに生き切ることが使命だとすれば、まだまだ私には足りないものが多すぎる。でも、誰しもそんなものなのかも知れない。
形としては見えないけれども、人はひとりではない。
おわり
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