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やることがないから暇なのか、暇だからやることがないのか、という下らないはなし。

 貧乏症なのか、あまり暇だと感じたことが無い。
 寝転んでぼーっとしていたら、人からは暇そうな人に見えるかもしれないけれど、ぼーっとしようとしてぼーっと寝転んでいるのだから、それは暇とは言わない、なんて思っている。

 誰だってリラックスして頭を休めたい時はあるだろう。そうこうするうちに気づけば眠ってしまったりしていることも多いけれど、眠たいときに眠るのは悪いことではない。
 テレビを見るのもネットを見るのも、別に暇だからそうしているのではなくて、見たいものがあるから見ているだけだ。
 時間が足りないくらいにやりたいことが沢山あるから、暇にしている時間などあるわけがない。あれもやらなきゃ、これもやりたいんだったと、次から次へとやっていくうちに今日も寝る時間になりました、という毎日を過ごしている。

 そんなことだから、暇つぶしという言葉が好きではない。
 というよりも理解が出来ない。
 潰してしまう時間がもったいないと思ってしまう。
 暇つぶししているくらいなら、もっと出来ることがあるし、やりたいことがある。
 そう思ってしまうのが常だ。

 ところが昨夕、急に自分が何をやりたかったんだか分からなくなる瞬間があった。気になっていて「後で見る」に保存してあるYoutubeでも見るかと思ったが、あまり気が進まない。ギターでも練習するかと思ったが気が乗らない。他にもやりたいことや、やらなきゃなと思っていたことがあったはずだが、どれもやる気になれなかった。
 そこで、久々にゲームでもやるか、とApex Legendsを立ち上げてみた。これだってさしてやりたいと思ったわけではない。だから2、3戦したところで急にやる気が失せて、少し早いけれどもう寝るかなと思ったりしてしまった。シャワーを浴びて布団に入ると、すぐに寝入ってしまった。

 脳がインプットもアウトプットも拒絶する時、何もやる気がしない。
 それは単に暇というのとも違い、むしろ意味合いは休業に近い。
 その休業状態のことを仮に暇と呼ぶなら、やることが無いから暇というよりも、暇だからやること無いという状況だ。
 そういう時は潰す暇もないから、さっさとおいとまして眠りについた方が良い。
 人はそうするように出来ているのだろう。

 いつも眠りほうけている猫を見るたびに、さぞかし暇でつまらないのだろうと思っていたけれど、案外奴らは短い時間で脳のスペックを使い果たしてしまって、それ意外の時間を休養に当てないと生きていけない生き物なのかもしれない。
 奴の寝息を聞きながらそんなことを考えていたら眠くなってきた頭が少しだけ冴えてきた。

おわり

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