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じょうごとろうと

 どちらも漏斗と書きます。

 謎掛けのみたいだが、ホントの話だ。
 漏斗と描いて「じょうご」とは読みようがないから当て字だろう。というか、漏斗というのは中国由来で今でも中国では漏斗と書くらしい。
 これをどうして日本では「じょうご」と読むか。

 ネットを調べるとそれなりに答えが見つかるが、個人的には今ひとつ納得出来なかった。納得出来ないのは言葉の由来のことではなく使い分けの部分だ。

 言葉の由来は、「ろうと」は中国語の漏斗の音読み。「じょうご」は上戸、つまり酒が沢山飲める人。
 話が逸れるが、上戸が酒飲みで下戸げこが飲めない人という意味として使われるようになった由来が面白い。
 もともとの上戸、下戸は奈良時代の律令制のもとでの階級を表し、婚礼の際に各階級が飲むことのできるお酒の量が、上戸の家では8瓶、下戸の家では2瓶と階級ごとに決められていたという。
 飲める飲めないは体質ではなくて金持ちかそうでないかということだったということか。そうだとすれば、やや差別的にも思えるから、そのうちに差別用語に指定されるのだろうか。

 気になった使い分けについてだが、「ろうと」は実験器具、それ以外は「じょうご」だという説。
 「じょうご」が使われることのほうが多いと言うのならまだしも、「ろうと」と呼ぶのは理系だけみたいな感覚がいけ好かない。
 漏斗を「じょうご」と読むのは明らかに当て字であって、漢字を当てる前から日本では「じょうご」という言葉が普及していたというだけのことではないか。
 個人的には「ろうと」と言うことが多いから、私は「ろうと」推進派だ。負けるな「ろうと」。

 ところで、群馬の方では「すいはく(吸い吐く)」 という方言があると聞くと、なんか可愛い。「じょうご」や「ろうと」という言葉が禁止になったら、ぜひ、「すいはく」を推進したい。

おわり

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