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Amazon Prime Video『ウイング・アンド・プレイヤー』
搭乗した航空機のパイロットが上空で気絶し、操縦不能となったらどうするか。しかも副操縦士がいなかったとしたら。あなたは代わりに操縦することが出来るだろうか。
この映画は現実に起きた物語をベースしたものだ。
たまたま乗ることになったプライベート機だったからこそ起きたこと。
薬剤師である主人公の家族(夫婦、娘二人)が乗った双発プロペラ機「ビーチクラフト・キングエア200」の機長が離陸後の上昇中に発作で死亡。観光のセスナ体験飛行以外の飛行経験が無い主人公が管制の協力のもとで代わりに操縦することになった。
天候が荒れる見込みがある中で、はたして家族は無事に空港に着陸出来るのか。
実話であることや、物語の設定を考えると、終始手に汗握る展開になる。
そう思っていたが、全くそんなことが無かった。
100分間の映画にするには尺が余り過ぎる内容だったのだろうか。それとももう少し尺を長くして話の密度を上げることが出来たのか。
いずれにせよ、この映画を見終わって感じたことは、映画を見終わった時のあの独特の感覚は皆無だったということだ。
こういう作品を見て感じるのは、いわゆる大ヒット映画の凄さ。
ストーリがどうこうというだけではなく、予算、セット、配役、脚本、監督、音楽などなど、ひとつの映画には様々なファクターがあって、こうした複数のパラメータがピタッとはまった時に良い映画、ヒットする映画が生まれる。
映画を作る人達は、決して手抜きをしていることは無いだろう。皆、最高の作品を作って世に送り出したいという想いで作っていると思う。それでも映画に良し悪しが生まれてしまうのは、ある意味で仕方がないことなのかもしれない。情熱や勢いだけでは良い映画は作れない。そういうことなのだろう。
大型の旅客機で副操縦士が搭乗していないことはないから、小型機に乗るのでなければ、この映画のように、自分が操縦する羽目になることは無いだろう。パイロットに憧れつつも操縦免許を持たない私などは、こうした機会があれば勇んで操縦してみたいと思うたちだが、さすがに大型機で数百人の乗客の命を預かるのは荷が重い。
そう考えると、パイロットはやっぱり凄いなぁと、青空に残るジェット機の軌跡を見上げるのだ。
そして何より凄いのは、この実話の主人公はこの事件の後、実際にパイロットになってしまったということだ。亡くなった兄に、お前はパイロットに向いていないと言われた反動だったのだろうか。
それにしても凄い人だ。
おわり
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