見出し画像

サブスクが大変ですよ!

 ちょっと気を抜くと増えてしまうのが中年の体重とサブスク契約だ。

 振り返ればAmazon Prime会員のお試し解約を忘れた事が私の初のサブスク契約だった。当時はまだ走りだったのでサブスクという言葉も普及していなかったくらいだ。
 解約を忘れたまま2ヶ月が経過したある日、急に思い出して確認したら案の定、自動的に会員になってしまっていた。それでも、配送が早くなる他にも音楽や映画のサービスがついてくるからまぁいいかと解約せずにここまで来た。そして、もはやなしではいられない体になってしまった。

 その後暫くはサブスク契約をしていなかったが、それまで入っていたWowowをやめてNetflixにした辺りから私の中のサブスクへの抵抗感が和らいでしまったのか、気づけば無料お試しの解約し忘れが増えてしまった。
 元来ズボラな性格だから、現在有効な契約がどれだけあるのか分からなくなってしまっている始末だ。

 最初は有料になる前に解約すればいいやと思っていても、お試し期間を抜けて一度契約成立してしまうとなかなか抜けられなくなる。なぜなら私だけで決められない事態になってしまうからだ。
 例えば、家族の誰かがNetflixのドラマにハマってしまったとする。すると、そのサブスクは私の一存ではどうにもならなくなってしまう。それはまるで、小説の中の主人公が作家の意思から離れて勝手に動き出すようなことに似ている。
 音楽サービスにしても使っているうちにお気に入りのマークのアーティストが増え、ダウンロードした楽曲が増えると、もし私が不意に解約でもしようものなら、それはまるで息子が買い集めたCDを勝手にメルカリで売ってしまうような暴挙に等しく、家庭内で暴動が起きてしまうだろう。

 こうしてサブスクは、私の手ではどうにも出来ない厄介な代物になってしまうのだ。だから、家族も一緒に使えて便利!なんて騙されてはいけない。それはあなたの魂を売る行為に近い。あなたの都合で解約できないとなれば、あなたの必要性なんてどうでもいいことになってしまうのだ。家族みんなの合意がなければやめられなくなってしまうのだ。

 この悪魔のようなサブスクという形態がありとあらゆるところではびこっていて、試して嫌ならやめられますからと甘い言葉で誘ってくる。
 大切なことなので繰り返すが、試してやめることは普通の人は出来ないし、一度受け入れてしまったら一生付き合うつもりでなければならないということだ。だからお試しの申込みボタンを押す前に自分に問うてほしい。あなたには一生添い遂げる覚悟があるのかと。

 しかし考えてみると、サブスクという言い方では無かったが、私達の周りには昔から同じ様なサービスがあった。つまり定額で使い放題ということで言えば、NHKやWowowもそうだし、電車やバスの通勤通学定期券もそうではないか。定期券の場合は契約期間が長ければ安くなるというところまでサブスクと同じだ。
 つまり、サブスクは定期券ということだ。
 見放題、聴き放題ということに騙されてはいけない。定期券がいくら乗り放題と言っても決められた期間でその路線に乗るのは限度があるではないか。映画やドラマや音楽のサブスクだってそうだ。こっちの時間は限られているのだから、放題といわれる程には放題には出来ない。限られた時間の中で、どれだけ視聴出来るかを良く考える必要があるということだ。
 通勤経路の複数ある路線の全ての定期券を持っていても仕方がないのと同じだ。

 そんな当たり前のことにお前は今頃気付いたのかと言われそうだが、気付かないうちに生活の中にサブスクが入り込んでいて大変なことになってから気づくというのも人間らしいではないか。つまり、そういうものだ。
 こんな記事を書きながらイヤホンの中で音楽を奏でているのはSpotifyなのだから、もう如何ともし難い。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?