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保護者コーチから見た、ジュニアサッカーの指導

昨年はワールドカップも盛り上がり、年が明けてからは高校サッカー選手権と、サッカー小僧の小学生たちにとっては、ワクワクする時期が続いていますね!

私にも息子がおり、小学5年と1年で、地元の地域クラブでサッカーをしています。クラブと言っても少年サッカー団で、いわゆるクラブチームではありません。
私自身、サッカーをしていたこともあり、今は保護者コーチとして、練習などをお手伝いしています。

その中で、子どもたちの育成といった観点で、良い点もあれば悪い点もあると感じていますので、同じような境遇の方がいれば、共有できればと思い記事にしています。

11人制サッカーから8人制サッカーへ

現在、小学生は8人制サッカーが採用されていますね。
私が小学生の時は、まだ11人制でしたので、ちびっこながら11人集めて試合に出ていた記憶があります。
8人制になったのは2011年からで、次の目的があると言われています。

①ボールに触れる回数を増やす
②プレー回数を増やす
③心拍数をあげる

サッカーというスポーツは試合中、ボールに触れてプレーする時間より、圧倒的に触れていない時間の方が長いスポーツです。
特に小学生低学年だと、正確にパスを回すことは難しいですし、ドリブルが楽しい時期ですから、11人もコートにいればボールに触れない選手が出てきても当然な感じです。
そこで、より多くボールに触ることができるよう8人制を採用しています。

また、蹴る、走る、ボールを追いかけるといったプレー回数を増やすためにも、充分なスペースが確保できる8人制を採用することで、経験値が増え、楽しさも感じられるものなります。

心拍数をあげるという点については諸説あるようですが、小学生時代から心拍数180程度になる練習などを取り入れると、血管が太く成長し、持久力など、身体能力向上につながるようです。
もちろん、年代に応じて差があり、極端な心拍数上昇につながる運動は危険かと思います。
8人制サッカーはコートの広さと運動量で、その目的に近づくようです。

ここまでは一般的な理由も含めて、まぁまぁ、納得できる内容かと思います。小さいうちから代表選手育成の基盤づくりという点で、コート内を走りまわれる仕組みづくりというのは大切です。

子どもたちもバカじゃない!

さて、ここからは私や子どもが所属するチームでの話。
うちのチームでは特にキッズと言われる、2年生以下は「団子サッカー」を推奨しています。
とにかくボールを追いかけ、相手ゴールに蹴り進めというものです。
サッカーが好きな子どもたちは、とにかくボールに集まりますが「それでいいじゃん!」というサッカーです。

この点、クラブチームでもなく地元の少年団ですし、サッカーの楽しさの一番目は”ボールを蹴る”ですから、個人的には異論ありません。パスやポジションなんて、学年が上がってからで十分だと思います。
ですので、試合中も練習のミニゲームでも、とにかく「ボールに行け」「後ろに下がるな」と指導されています。
私が思う問題点はココからです。

子どもたちもバカでありません。経験するにしたがって、ボールが飛んできそうなところを考えてわざと待つ選手も出てきますし、相手が突進してくるので止まってしまう選手や、身体でぶつかることを避けて足だけで行ってしまう選手などが見えてきます。
その際、うちのチームでは「なんで行かへんのや!」「途中で止まるな!」というような激が飛びます。
その通りなんですが・・・・・。
選手たちは自分が「よくないプレー」をしていると受け取っているんじゃなかろうかと心配してしまいます。実際、監督たちのその声に微妙な顔で反応している選手たちが見られます。

キッズとは言え、性格や個性が芽生え始めている時期です。きっと、自分なりにサッカーを考えてプレーし、その中で喜びだけでなく、相手とぶつかる怖さなども感じているはずです。
それが良くないプレーなのかというと疑問です。

「伝え方」を考える必要性!

つまりは伝え方だと思うのです。
サッカーは相手より多く点をとるスポーツです。
だから前からボールを追っかけて、相手のゴールの近くでボールを奪えれば、得点チャンスとなります。
当たり前のことですが、それを言葉で伝えている場面はあまり見たことはありません。
ここは身体を張る場面だというのなら、なぜなのか?を説明してあげないといけません。これはキッズの理解力の問題ではないと思っています。
先述の通り、子どもたちなりに考えているので「理由を与える」という行為に重点を置く必要があると思うのです。
内容の理解力ではなく、指導内容に「理由がある」ということが伝われば十分だと思うのです。

例えば、前からボールを追っかけて、途中で辞めないということを伝えるのであれば、子どもたちが憧れている選手などを引き合いに出してもいいでしょう。
昨年のワールドカップでジャイアントキリングを見せた日本代表!
子どもたちがあこがれる未来です。
近年の戦術は「ハイプレス」。高い位置から積極的にディフェンスし、相手ゴールに近いところでボール奪取する戦術です。
細かく言えば、選手同士の連携やポジショニング、プレスのタイミングなどいろいろありますが、小学生、特にキッズにはそんな戦術理解は不要です。
でも、前から追いかければ点につながる。
強い相手にも勝つチャンスが生まれる。
だから、途中で辞めずにボールに向かう必要があるとでも伝えれば、キッズのモチベーションは上がるはずです。
「途中で辞めるな!」の指導は、言葉足らずだと思います。

保護者コーチの役割とは!

ただ、監督やコーチが悪いと言ってるわけではありません。
誰もが、子どもたちのことを考えて一生懸命です。
子どもたちがサッカーを好きになることはもちろん、仲間を思いやる気持ちや人とのコミュニケーション、礼儀作法など、サッカー以外の成長も目指しています。
そして、この子たちの中から将来、選抜選手やプロ選手が出ることを夢見ています!
子どもたちだって、彼ら、彼女らなりに「勝ちたい!」と思っているので、勝てるサッカーを指導します。

保護者コーチというのは、監督や正コーチまでの責任はなく、それでもサッカー経験者として子どもたちに一定の指導が出来る立場にあります。
チーム全体のことは監督や正コーチに任せれば良いと思います。そのうえで、監督やコーチの指導を補足し、子どもたちにより近い立場でチームが目指すサッカーを「言葉で伝える」ことが、保護者コーチの役割だと考えています。

「今の監督の指導、意味わかった?」
「なんで、走れって言われると思う?」
こんな感じで子どもたちをフォローしていく役割なんだと思います。
「前田大然みたいに前から走ってくれたら、チームが助かるからやで!」
「ボールに向かって足だけでなく、身体ごとぶつかると、遠藤みたいに見えてカッコいいで!」
「審判の笛が合図やから鳴るまでプレーすると、素晴らしいプレーとみられて、グリーンカードもらえるかもよ!」
など、「走れ」「当たれ」「あきらめるな」「やめるな」では足らない言葉を伝えていくことが大切だと思います。

同じ、保護者コーチの皆さん、ぜひ言葉を補足してあげてください。
機会があれば、また記事にしたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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