④ 論理的思考の定義


今まで受けてきた作文指導を思い出してみてください。学校教育の中の作文指導において、③で述べたような能力の育成をねらった指導がなされてきたでしょうか。自分の内面を見つめ直すために求心的なものを書かされたり、行事等が終わると「思ったとおりに書きなさい」「人と違う表現で、オリジナルを書きなさい」と指導されて、わけもわからずただ原稿用紙のマス目を埋めさせられたりするだけだったのではないでしょうか。
これからの国際化・情報化社会に対応していくための作文指導で目指すものは、より深い人格の形成ではなく、小説家やエッセイストを育成するようなものでもありません。これからの時代に誰にとっても大切になってくる、どうすれば「自分の考えや感情をで自分の考えや感情をできるだけ正確に言葉で表現できるきるのか」というを実感的に理解させていくことにあります。
つまり、こらからの作文指導は、「考えや感情」がどうして生じたのかという原因・根拠を表現の要素として分析的に捉えさせ、それを筋道立てて再構成させることによって「考えや感情」の正当性を合理的に説明させていくことが大切になるのです。
この分析の方法と筋道立てた再構成の在り方を論理と言います。このマガジンでは、論理的思考というものを「『自分の考えや感情』を構成する要素を筋道立てて組み立てていくこと」と定義して述べていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?