小次郎
光村図書の国語科教科書で教える10のこと(論理的思考・表現面において)⑭

光村図書の国語科教科書で教える10のこと(論理的思考・表現面において)⑭

小次郎

「⑧『なか』の厚み・詳しさ」「⑨構成要素の位置の工夫」は、今まで述べてきたことに加えてさらに説得力を増すための工夫であると言えるでしょう。
⑧については、例えば『ぼくのお父さん』で示した「なか」⑤について表現の対象者が興味を持っていそうだったり知らなかったりするような場合はより詳細に述べることになるということです。
⑨については、例えばスピーチという音声言語表現であった場合は以下のように「むすび」という最も表現したいことを一番前に持ってくることになります(これは頭括型表現となります。さらに最後にも言えば双括型となります)。

「むすび」ぼくは、大きくなったらお父さんのように立派な大人になりたいと思っています。
「まとめ1」なぜなら、お父さんはとても働き者だからです。
*以下略

「⑩ものの見方」については『鳥獣戯画を読む』の教材分析でも示しましたが、同じものを見ても考察や主張が異なってくるということです。例えば、『ぼくのお父さん』では以下のような構成が存在しました。

「な か」①昨日は遠くまででかけたので帰ってきたのは夜遅くでした。
「な か」②今日は荷物の積み込みがあるので朝早く出かけました。
「な か」③明日はいろいろな所へ行くので泊りとなり帰ってきません。
「な か」④先月は土日も仕事に行って3日しか休みがありませんでした。
「な か」⑤たまの休みは家の壊れたところや車の修理などをしています。
「まとめ」お父さんは本当に毎日毎日とてもよく働きます。

しかし、これは見方を変えると同じ①②③④の「なか」から以下のような「まとめ」が帰納的に考察されるでしょう(そしてその「まとめ」から必然的な演繹性で「むすび」が導かれます)。

「まとめ」これは過労死レベルを超えています。働かせられすぎです。
「むすび」お父さんは私たち家族のためにも働き方を考えていくべきです。

このようにも考えられるのだということもしっかりと国語科として教えていかねばなりません。

さて、今まで述べてきましたことを動画でまとめてみましたのでご覧ください。

何かご意見ご感想などがありましたら以下のアドレスにお寄せください。

tnrqw158@gmail.com


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小次郎
小学校の教員を志す学生に国語科教育について教えています。また、社会人の方々・管理栄養士や看護師を志す学生に論理的思考・表現の在り方についての講義も行っています。