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のっぴきならない風邪っぴき

友人の結婚式のために訪れた北海道旅行から帰った矢先、しっかりとした風邪をひいた。

北海道に行くことは何か月も前から決まってはいたものの、心配性の私。

慣れない飛行機大丈夫かしら、お金足りるかしら、何か用意しておくものあったかしら、残していく夫の食事を用意しなくては。なんだか常に気持ちが落ち着かない準備期間を過ごした。

そんな心配事に加えて、アルバイトとライター業それぞれの忙しい要因が重なって、今思えば出発前から疲れは溜まっていた。

そこに追い討ちをかけて、北海道で集結した仲間たちと歌えや踊れやの大騒ぎ。お祝いの宴は夜まで続く。ここぞとばかりにお酒もたらふく飲みました!原因の心当たりがたくさんある。

そうしてじわじわと風邪に侵食されていた私なのだけれど、人の体っていうのはすごい。北海道で友人たちと別れ、電車に乗り込んだその瞬間。突然に喉が痛み始めたのだ。つい先程まで何の自覚症状もなくみんなでお寿司を食べていたというのに。

ひとりになった途端、まるで「もうやるべきことは終わった」と体が判断したかのようなタイミングだった。緊張の糸が切れるって本当にあるんだな。

家に戻り1日が経つといよいよ発熱。解熱剤を飲んだら下がったので大丈夫だろうと働いてみたものの、すぐに上昇してしまう。急いで病院に行き、薬をもらってきた。感染症の検査は陰性、普通にしっかりめの風邪である。

いよいよ諦めて「1日全力で休もう」と決めた。休んでいる間、やっぱり無理はアカンなぁ、と天井を見上げながら思った。いろいろと避けられない事情はあれど、体調を崩さないために心と体の休息はちゃんと取らなければ、体を壊すんだなぁと。

1日ゆっくりと休むと決めて過ごし始めた朝は、本当に何もしたくなくてスマホも見ずにただただ転がっていた。

しかし、だんだん何もしないことに飽きてきて、本を読んでみたくなる。普段は文字で埋めるだけの手帳にデコレーションしながら、北海道の思い出を記したくなる。

熱が上がってきたのでまた少し休もうかと寝転んだときには、興味のあるイベントアーカイブをラジオ的に聞こうと流した。

夕方、何か映画でも見ようかと思い立って、ずっと見てこなかった『ミッション・イン・ポッシブル』を1から見始めてみた。ながらじゃなく、ゆっくりと腰を落ち着けて見た映画はすごく面白かった。

普段は「何かプラスアルファになることをしなきゃ」と義務感にも似た気持ちで取り組んでいるインプットが、全く違う意欲的なエネルギーで取り組める。新しいものに関心が生まれたり、情報がすんなりと耳に入ってくる。

今私が読んでいる三宅香帆さんの著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』。この中で三宅さんがおっしゃっている「本を読む余裕のない社会」という感覚に触れた気がした。

反対に、心が休まる時間を作れば、自然と新しいアイデアが生まれたり、好きなものに真摯に向き合うことができるんじゃないだろうか。

今は何よりも仕事を頑張りたいけれど、だからこそ意識的に自己管理を身につけていこう。そこから生まれて育つものにも期待してみたい。

なんとも教訓的な風邪だった。

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