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【読書感想】大人だってドタバタな話は好き

ズッコケ怪盗X最後の戦い

著者:那須正幹
原画:前川かずお
作画:高橋信成
出版社:ポプラ社
ジャンル:児童文学

あらすじ
過去2度も怪盗Xを苦しめた3人組。ある日、ハチベエのもとに怪盗Xがあらわれ、3度目の犯行を宣言して去っていく。はたして怪盗Xとは何者なのか?勝負の行方は?!

感想

“熱くもどこか温かい、最後の名勝負”

ズッコケ三人組VS怪盗X、3度目の正直、ファン待望の最終戦。
まさかそんな作品が私にとってはじめてのズッコケ三人組になろうとは。

タイトルを見て直感で手に取ったこの作品。最後の、というところで続きものではないかと疑ってはいたが、案の定そのとおりだった。
しかしいざ読んでみると、たしかに前作を読んでいたらもっとおもしろかっただろうという気持ちこそ起きるが、てんで話がわからないというようなことはなかった。

大人になった今、今作を読んでいてふと気づいたことがある。それは驚くほど大人の世界に触れているということだ。
政治や宗教、会社など、親からすると子どもに対して「まだこんな難しい話わからないでしょう」と、つい思ってしまいそうなことがあたりまえのように話の中に登場する。

小学生の彼らは難しい大人の話に積極的に突っ込んでいき、それぞれの知識や考えで思い思いに話している。まったく違う性格なところも時にかみ合わなくておもしろい。

実際には社会にあたりまえにある難しいこと。それらに本の中で自然に触れることで、興味、関心につながる。もしかしたらそれは、読者の未来を変えることにつながるかもしれない。そう考えると夢がある。

平和な町で起きる大騒動。おなじみであろう3人組の活躍と、周りの人物がくり広げる複雑な人間模様。事件の行方や謎めく怪盗X自身の秘密。次はどんなことが起きるやらとドキドキワクワクし、想像力を駆り立てられるストーリー。少し厚みのあるページをめくる手が止まらなかった。


作者の書く日本語はとてもていねいで、まねしたい表現が多かった。日本語の勉強になりそうなので、別の作品も読みたいと思う。

調べてみると、ズッコケ三人組には続編となる「ズッコケ中年三人組」、最終巻の「ズッコケ熟年三人組」というものがあるらしい。
大人になった3人の姿を描いた内容だと想像するが、めちゃくちゃ気になる。図書館へ本を返却しに行ったときにはそちらも探してみたいと思う。

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