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「金持ちジュリエット」


 目を開くと、ロミオは既に冷たくなっていた。
 なぜ。
 私は従者にお金を握らせてロミオを運んで貰い、一連の計画を立てた修道僧のところへ一緒に向かった。
「なんて事してくれたの」
「ああ、謝っても謝り切れません。伝達がうまくいかず、ロミオは悲しい勘違いを」
「言い訳はいらない」
 私は修道僧の前に金貨の入った袋を置いた。彼は戸惑っている。
「人を仮死状態にする変な薬を持ってる位だから、生き返らせる薬だってあるはず。出して」
 私は従者に指示して金貨の入った大袋を積んでいった。一生遊んで暮らせる量だ。
 修道僧は目を泳がせ、汗をかいている。
「そんなものはありません!でも…作ります」

 修道僧はロミオと私の死を発表してから、蘇りの薬を研究するため閉じこもった。私も助手となって一緒に取り組み、何年も経った頃、遂に完成させた。
 でも。
 年を取ってしまった私のことをロミオは分かるかしら。
 またお金を積んで、今度は若返りの薬を作って貰おう。


(空白含め410字)

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