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働くための無関心力

ベンチャー企業には「まあ自分には関係ないことだから」と言い聞かせないと心が摩耗することで溢れている。

【裁量のある仕事】に夢と希望を持って入社してくる新入社員に、「裁量があるということをもっと咀嚼して考えてみろ…お前の長い社会人生活のためのファーストキャリアは本当にこれでいいのか…」と伝えたくなったり、

【結局事業部長の意向を伺うだけの仕事】に絶望する若手の営業ちゃんのために、少しでも社内制度を整えるように動いてあげたくなったり。

あるあるだけど、マネジメントや教育なんて期待できたもんじゃない。自走とは都合の良い言葉で、実態は中学生の部活並のマネジメントで放置されるか過度な干渉を受けて監視されるかである。(※私調べ)

やる気のある人を採用しても、そのマネジメントをする人もイケイケのプレイヤー気質で生きてきた人なので、結局個性同士が飼い殺されてしまうことが往々にして起こる。「思っていたのと違う」悩みを抱える新卒・第二新卒を何度も見た。

社会人という鳥かごのような世界を想像したときに、未整備な環境や自由さに魅力を感じて入社をする人は多いと思う。

ただ、未整備であるのは営業環境だけではなく、労働環境や組織形態、いろんなものがとっちらかっていて、それがどれだけ数字作る側にも負担なのかを少ない社会人経験の中で入社前に想像するのは難しいだろう。

こんなよくある現象を目の当たりにする度、若者のやる気や輝きをダシにお金を稼ぐ人材紹介という事業モデルに悲しさを覚える。その人の人生や人となりに本気で向き合って会社を紹介しているコンサルタントは一体どれだけいるんだろう。

弱肉強食だなあなんて思いながら、結論、バックオフィス側のわたしは自分のことを一生懸命やるしかないんだなとも思う。

いろんなことが気になるけれど、まずは今目の前のことを。きっとこれは会社を作り上げていく上では優先順位が低いことなのだなと思うようにしないと、何も出来ない自分がいかに無力かを痛感して辛くなるから。

皆には皆の人生やキャリアがあるように、私にも私の人生があるから。

今日も私は、入社数ヶ月後に遠くを見つめて固まっている顔の営業ちゃんたちに「とりあえずビール飲み行く?」と声をかけることしか、出来ることは無いのだ。

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