木の文化の再生に向けてその五 紙製の調度品
廣瀬正男があらわした「紙の民具」の中で、紙を用いて作られた代表的な民具を列挙すると70項目におよび、それぞれのバリエ-ションを考えると大変な数になる。我が国において生活文化を論じる場合、紙抜きには論じることは不可能なくらい生活に密着したものとなっている。 我が国における紙の文化は独特のもので、それは和紙の発明とそれを可能にした優れた植物繊維が豊富に存在したことに負うところが大である。紙は中国の後漢和帝の時代(西暦105年)に蔡倫により筆写材料として工夫されたと伝えられている。