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不条理短篇小説

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現世に蔓延る号泣至上主義に対する耳毛レベルのささやかな反抗――。
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2016年10月の記事一覧

短篇小説「何も言えなかった…夏」

短篇小説「何も言えなかった…夏」

今年も冬彦の夏は、何も言えないうちに終わってしまったのだった。

大学のサークル仲間と繰り広げたBBQ…口に放り込んだ安い肉をいっこうに噛み切れぬまま、何も言えず終わった。

高校時代の友人としこたま買い込んで楽しんだ花火…口にくわえたロケット花火が不発のまま、何も言えず終わった。

気になるあの娘を夏祭りに誘う電話口…もらった番号を何度確認してもジャパネットに掛かり、何も言えず終わった。

遠く

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