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ロジックや数字と、感覚や言葉のバランス

「生命科学的思考」を読んだ。

この本の主題は、「生命の原理や原則を客観的に理解した上で、それに抗うために主観的な意志を活かして行動できる」こと。

第2章の「生命原則に抗い、自由に生きる」に、こんなことが書いてある。

一般的に、感情と情報は相反する二つのものとして二者択一的に語られることが多いのですが、私は本来的には「どちらも十分に知った上で自分の行動を選択する」ことが重要だと考えています。

本書の主張である「生命原則を客観的に理解した上で主観を活かす思考法」にもあるように、どちらかを切り捨てるのではなく、情報という客観的なものを理解した上で、感情という主観的なものをベースに行動を起こすことが大切です。

また、「化学と私」からの引用で「人間は、生物的人間と科学的人間の二つの側面を持っている」とも書かれている。

これらを読んで、いくつかアナロジーが思い浮かんだので、発散的に書き綴ってみる。


たとえば、デザイン。

特にwebデザインは、ロジックで説明できる部分が多い。デザインの決め方がロジック95%、感覚5%と言っても過言ではないと思う。

「なんとなくこっちがいいと思ったから」じゃなくて、「〇〇だから××なデザインにしました」と伝えられることが大事。だけど、主観的な感覚も疎かにできない。

配色(色相や彩度、明度)を微妙に変えるだけで印象はガラッと変わり。文字の大きさや余白、文字詰めを1px調整することで、初見の0.1秒で感じとるものが変わってくる。

webデザインは、「全体をロジックで形作り、細部を感覚で詰める」ことが大切なのかもしれない。


たとえば、マーケティング。

集客や販売の仕組みづくりをするマーケティングでは、「数字と言葉」が大切だ。

収支の計画や売上目標を立て、販売戦略を考え、施策を実施したらデータを分析する。これらはどれも数字に基づいて行われる。お金にまつわることは、感情や意味を含めず、数字ベースで思考するべきだろう。


一方で、ユーザーやお客様に商品やサービスを届けるときには、「想いを適切な言葉に言語化すること」が欠かせない。

想いのこもった商品やサービスを、どう伝えたら、受け取る相手に魅力が伝わるだろうか。商品を買う人は何に困っていてどうなりたいのか。来店されるお客様は、どんな気持ちでうちのお店を選んでくれたのか。

早く決めてもらいたかったら鋭い言葉を、深く繋がりたかったらこころに響く言葉を選ぶ。「商品の本質を理解し、お客様の気持ちを想像して、一言一句にこだわって言葉を届ける」ことが大切なのではないかなと思う。


idearium cast(CUTIBASE Radio)で、「お金のファクトと、真善美に関する意味を大事にしましょう」と言っていることを思い出しました。


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