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守るペースと、尊重するペース

血液型診断があまり好きじゃなかった。

しいたけさんや石井ゆかりさんの星占いはよく見ているし、エニアグラムもわりと好き。だから性格診断や占いが嫌いなわけじゃない。

苦手意識があるのは、きっと、B型が自己中・マイペースと言われるから。

そんな一面もあるかもしれないけど、「ワガママで頑固なタイプ」というのは、どこかしっくりこない。B型だけでなく、誰しも自分にとって心地よいペースがあってそれを守っているんじゃないかなあ、と思っていた。


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今日を彩るボイスメディア Voicy(ボイシー)の好きなチャンネルに、「台湾好き女子のゆるっとおしゃべり」というのがある。

今よりもっと台湾が好きになるハウツーメディア『Howto Taiwan』編集長の小伶(しゃおりん)さんと、キュレーターのROMY(ロミー)さんの中国語を交えたおしゃべりが楽しいチャンネル。

第4回の「この中国語がたまらなく好き!」というコーナーで、こんな会話があった。

ROMY:好きな中国語はあるか?っていうことだよね。私ね、よく台湾に行くと言われるんだけど、「慢慢走(マンマンゾウ)」。ゆっくり行ってねっていう、直訳すると。

小伶:慢慢がゆっくりね。

ROMY:そうだね。走(ゾウ)は、行く。だから、気をつけてゆっくり帰ってね、みたいなニュアンスなんだけど、あんまり日本でそういうこと言われない気がする。

小伶:確かに、台湾が多いのかな。慢慢来(マンマンライ)とか、慢慢吃(マンマンチー)。

ROMY:ゆっくり食べてねとか、ゆっくりおいでとか。すごい気遣いの文化というか。

小伶:わかるー、財布が見つからなくて焦ってたら、「没关系(メイグアンシー:大丈夫?)慢慢来」とか言われると、すごいハァ~ってなる。

ROMY:そう、いいよいいよゆっくりで、みたいな。っていうのが当たり前のように、みんな口癖のように出てくる。

小伶:確かにこれはもう台湾人の文化じゃない?

ROMY:そう、それがすごい好き。

小伶:マイペースに生きてる感じ。そう言われるとすごく優しい表現だと思い始めた。

このあと「言いたいよねー、私たちも。慢慢来、いいよいいよーって」と続くのだけれど、この会話を聞いたとき、お互いのペースを尊重することは優しさになるのだなあ、と思った。


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自分のペースを守れているから、相手のペースを尊重することができる。

他の人にとって些細でも、自分に大切なことはきっちり守る。

食べる速さとか、歩くスピードとか、話すリズムとか。他にもお風呂に入るタイミングや睡眠時間だって、一人ひとり違う「ちょうど良い」がある。

自分のなかで譲れないものは、無理に合わせようとしなくてもいい。


「私の心地よいペース」を把握していると、他人の気持ちいいペースを感じられるようになる。

相手が焦っていたら「ゆっくりでいいよ」と声をかけたり、信号が点滅していても走らずゆったりした気持ちで待ってみたり。そんなことを自然とできるようになる。


空気を読もうとし過ぎず、お互いのペースを守り・尊重しながら、歩みよえるのがいい。我慢せずにワガママを言いあえる関係がいい。

相手を気遣うだけでなく、自分が自然体でいるために、これからもマイペースでいたいなあ、と思うのです。


「しなやかでマイペースだよね」と、言われるようになりたいです。



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