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TMT改(貨幣理論)

Token Monetary Theory改訂版です。
いろいろ教えられた事、考えた事合わせて書き直しました。

基本的な考え方としては、
トークンは誰かの約束と内容の信用によって価値が生まれた物、ドルや円などの通貨は複数の貨幣トークンの繋がりによって形成される。

これだけになります。

とりあえず通貨や貨幣は下記の様な使い分けをしております。
通貨=円、ドル、などの取引単位
貨幣=通貨単位の取引を記録したトークン

物の価値

例えば金は安定していて稀少な事が主な価値の源泉だが、簡単に生成することができれば金の価値は暴落するし、利用価値がなかった物質でも技術的に有効な利用方法が開発されれば高騰する。
基本的には需給によって変動する。

しかし、多くの人が価値があると思い込み信用するだけでも高騰するのも現実である。
取引が存在しない物の価値は不明で、価値を信用して取引が成立してその時の価値が判明する。

取引と信用

相手の好意を得る為の約束や贈り物等もあるが、取引には信用が大切になる、物、サービス、約束の交換は相手を信用して初めて成立する。

この中の約束の部分を何らかの形として記録したものがトークンであり、もっとも流通しているのが貨幣となります。

トークンの価値と種類

トークンは本来価値がない物だからこそ何に使えるかが重要になる。

肩たたき券やお店のポイントやクーポンで考え見てください。
サービスの内容と確実に利用できるという信用が重要ですね。

約束の内容は別の物との交換の場合もある。
昔の貨幣は金や銀等への交換の約束をする事で価値を持たせました。
実際に発行額に見合った金や銀を確保しなくても、交換してくれるという信用があれば価値を持って流通します。
銀行は現金との交換を約束した預金トークンを発行し決済の仲介をするというサービスを行っています。

株式もトークンの一種だが何かとの交換は約束せず、配当という特典や議決権という権利、その会社の事業その物への信用が価値の源泉となる。

トークンは約束の内容、特典、利用法、そしてそれを約束した者が履行するという信用こそが価値となる。

借用書で考えるトークン発行

借用書を書く時はどんな時か、
ある物が欲しいがすぐにそれと交換できるほどの資産がない、そんな時は借用書を書いて返済の約束をして、その証拠を書面として残し相手が信頼してくれれば取引が成立します。
借用書は相手が信用して受取ってくれて初めて発行されるという事です。
発行者の手元にある借用書に意味はありません。

受取った人にとっては資産、借用書の発行者からすると借金、この裏表の関係こそがトークンや貨幣の本質になります。

現実には個人間の信用はあやふやなので、銀行等で借りてきた預金トークンを使い銀行の信用によって取引する方が一般的です。

貨幣トークン

銀行預金の話も出てきたのでようやく貨幣の話に移ります。
貨幣もトークンの一種なので借用書的な物になります。

国が通貨単位を決定して政府や日銀、国に認可された銀行等が取引の証を数字として残すと、それが国の権力や影響力が及ぶ範囲で資産として流通します。国家権力が通用する国内等での利用と、国家権力によって課せられた税金の支払いという利用法によって価値を持ちます。
国家権力こそが価値の源泉なので、国家の統治が混乱したり、国力が衰退すれば信用が低下して他の通貨や物に対して価値が下落することになる。

日本なら政府が円という通貨を規定してその中で複数のトークンが円の単位でやり取りされます。
中でも基本となるトークンが
政府発行の「国債」「硬貨」
日銀発行の「日銀当座預金」「日本銀行券」
になる。

通貨の信任を担保しているのは国の国力であり権力なので、政府発行トークンは円としての信用度は最大で、日銀発行トークンも政府が受取る事で価値が生まれるのでほぼ同じ信用がある。
100万の国債、硬貨、日銀当座預金、日本銀行券は円としてはほぼ等価になる。(ほぼとしたのは金利や流動性の違い)

次に日銀に口座を開いていない民間と日銀の間を繋ぐ銀行が発行する預金トークンがある。
多くの民間人や企業が日常的に利用するのがこの預金トークンになる。
預金トークンは各銀行が別々に発行した各銀行の借用書の様な物で、何時でも日本銀行券等の日銀の発行したトークンとの交換の約束で信用を持ち、金融庁に認可される事である程度の公的な保証もある。

最近では此れに多くの電子マネー等が組み合わさり提携店で利用できる約束の証としてのポイント等も円という通貨単位で発行されていることになる。

国内での人と人の借用書のやり取りも主に円という通貨単位の取引の記録になる。

政府が権力によって規定した通貨単位があり国力によって信用が確保され、いろいろな組織や人が自らの信用によって取引をしその金額がトークンとして発行され、発行者の信用次第で別の取引でも仮想的な資産として流通しているのである。

国の支出

国の支出はどうなっているのか?
貨幣は借用書の様な物で、発行者の約束によって受取った人にとっての資産になる。
国は公共事業や公務員給与などを支払う時にその金額の借用書の様な物を残し、受け取った借用書は仮想的な資産として発行者の権力や影響力の及ぶ範囲で貨幣として流通します。

実際には個人や民間企業は日銀に口座を持てないので、国が日銀口座で銀行に日銀当座預金で振込み、銀行が個人や企業の銀行口座に預金を振り込む事になります。

円は兌換を約束していない通貨なので、円の管理者である政府や日銀に数字的な発行上限はなく納税に使える券の支出で民間の資産やサービス、労働力を購入している事になる。

まとめ

貨幣トークンという資産の裏には常に発行者の約束という信用がある。

「国債」「硬貨」「日銀当座預金」「日本銀行券」は発行者は政府と日銀に分かれるが使い道を決めるのも受け取るのも政府なのでそれぞれの円としての価値は等価。

円は兌換ではないので数量的な制限はなく、国の支出の記録こそが貨幣であって徴税によって国の借用書である貨幣は消える。

政府支出=信用トークンの供給=貨幣供給
国債と現金紙幣には本質的違いはない
ここら辺が重要な所かと思います。

かなり長くなりましたが現時点ではこんな所になります。
基本的イメージは書けた気はしますが、なるべく知識不要で理解できるように書いたつもりが逆にややこしくなった気もします。
次回で円システムについて独自視点でもう少し詳しく書いてみたいと思ってます。

おまけ(MMTについて)

MMTについてまともに学んだ訳ではないのですが、キーポイントだと思う所を箇条書きで軽く語って見ます。

資産と負債

私に言わせると負債ってのは約束って形になりますね。
何かの約束を経済用語で言うと負債ですかね。
その約束の証は資産です。

信用創造

資産と負債のセットで生まれる信用トークンの創造って感じです。

商品貨幣と信用貨幣

商品も含めて信用によって成り立っていると考えると分けて考える必要もなく、物質なら化学的特性、サービスなら内容、美術品なら人気?、仮想通貨ならシステム、あらゆる物がそれぞれの信用によって成り立つので分ける意味がない。
あえて分けるなら発行者の存在かもしれない。

内生的貨幣供給論

信用トークンは発行者が発行するから内生的だが受け取る相手が納得する必要がある点で内生とか外生とかに大した意味はない。

租税貨幣論

貨幣としてはともかく株式の様に受領すらしないトークンも資産として取引される事を考えるとトークンに与える特典や使い道の一つってことですね。

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