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ヨーグルトで便秘になる人は、これ以上食べない方が良い理由

お腹に良いと思って食べ始めたヨーグルトで、何故か便秘(もしくは下痢)になってしまう人が居ます。

何を隠そう、私もその一人ですが、健康管理士として原因を調べていった結果「俺はもうヨーグルト食べない事しよう」と決意しました。

ヨーグルトで便秘になる理由と、その副作用について紹介します。

ヨーグルト=乳製品に含まれる2種類のタンパク質

動画でも説明しています。この内容を記事で深堀りしていきます。

言うまでもなくヨーグルトは牛乳から作られています。
牛乳に含まれるタンパク質には「ホエイ」と「カゼイン」の2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

ホエイ:凝固しにくく吸収しやすい
カゼイン:凝固しやすく吸収しにくい

ちまたで売られている「ホエイプロテイン」は、牛乳から吸収しやすいホエイタンパクのみを抽出したものです。

カゼインは酸性になると凝固する性質があり、胃酸によって「凝集反応」を起こしてゲル状に固まります。
この状態からゆっくりと分解されていくので、ホエイに比べて吸収しにくいのが特徴なのです。

面白いことに、人間の母乳と牛乳ではホエイとカゼインの比率が大分違います。
人間の乳はホエイとカゼインが6:4
牛乳はホエイとカゼインが2:8


この違いの理由として、草食動物である牛は腸管が非常に長いので、長い消化管をゆっくり進むために吸収しにくいカゼインが多いのではと言われています。

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当たり前の話ですが、牛乳は子牛のためのものであって人間の為のものではありません。
腸管の長さから見ても人間は明らかに肉食動物であり、牛のための牛乳を消化することに適していないのです。

特に日本人は乳製品を食べてきた歴史が浅いため、遺伝的にもカゼインを消化する消化酵素が少ないと言われています。

ヨーグルトで便秘するのは、ヨーグルトに含まれるカゼインを十分に消化出来ないからです。
私の経験から言っても、カゼインプロテインを飲むと便秘になる人が非常に多く、日本人には向いていないと思っています。

なお補足すると、搾りたての生乳にはカゼインを分解するための消化酵素も沢山含まれており、搾りたて牛乳で作ったヨーグルトなら消化しやすくお腹に優しいのは確かなようです。

ただし市販の牛乳は加熱殺菌の過程で酵素がほぼ失活しているので、より消化器に負担がかかるのです。

消化できないカゼインがガンの原因になる?

ヨーグルトで便秘になるのは、体質的にカゼインの消化酵素が少ないから。
便秘になる位ならまだ良いですが、このカゼインによって「ガン」になるという説も多く出てきています。

対象者約4万3千人のうち、329人が前立腺がんになりました。乳製品、牛乳、チーズ、ヨーグルトの摂取量によって4つのグループに分けて、最も少ないグループに比べその他のグループで前立腺がんのリスクが何倍になるかを調べました。その結果、乳製品、牛乳、ヨーグルトの摂取量が最も多いグループの前立腺がんリスクは、最も少ないグループのそれぞれ約1.6倍、1.5倍、1.5倍で、摂取量が増えるほど前立腺がんのリスクが高くなるという結果でした。
国立がん研究センター

アメリカ国立がん研究所の資金で行われた研究(2003年12月-2014年10月の間に乳癌と診断された1941人の女性と1237人の対照参加者を調査)ではスライスチーズ、チェダーチーズ、クリームチーズを最も多く消費した人が乳がんのリスクを53%増加させていることが分かりました。


結論として、乳製品の総摂取量とヨーグルトの摂取量と乳がんの間の逆相関、および他のチーズと乳がんの間、ならびに牛乳とER-乳がんの間の正の関係を発見しました。私たちの研究は、特定の乳製品が乳がんリスクに影響を与える可能性があることを示唆しています。
Usual Consumption of Specific Dairy Foods Is Associated with Breast Cancer in the Roswell Park Cancer Institute Data Bank and BioRepository Published: 16 February 2017

余談ですが、乳がんで亡くなられた小林麻央さんも「ピザが大好き」で有名でした。もしかしら、ピザに沢山乗っているチーズが影響を与えたかも知れません。

また、乳製品を食べられない「乳糖不耐症」の方では、肺がん、乳がん、および卵巣がんのリスクが低下していることがわかりました。

大規模コホート研究では、乳糖や他の乳製品の消費が少ないことを特徴とする乳糖不耐症の人は、肺、乳房、卵巣の癌のリスクが減少しましたが、リスクの減少は家族に見られず、これらの癌に対する保護効果は、それらの特定の食事パターンに関連している可能性があります。
Br J Cancer. 2015 Jan 6;112(1):149-52. doi: 10.1038/bjc.2014.544. Epub 2014 Oct 14. Lactose intolerance and risk of lung, breast and ovarian cancers: aetiological clues from a population-based study in Sweden. Ji J, undquist J, Sundquist K.

これらの研究結果は、当然ながら酪農業界、乳製品業界から猛烈な反発を受け、反論となる研究も沢山行われています。

もはやイデオロギー論争となっており、どちらが正しいかは専門家では無い人には判断が難しくなっていますが、少なくとも言えることは、「いまヨーグルトで便秘になる人は、消化酵素が合っていない可能性が高いので無理して食べないほうが良い」という事です。

ヨーグルトでなくとも善玉菌は沢山摂れる

・味噌
・納豆
・豆腐
・黒にんにく

日本人が古くから食べてきた素晴らしい発酵食品は、善玉菌のカタマリであり腸内環境を確実に改善してくれます。
わざわざ便秘になってまでヨーグルトにこだわらなくても、これらを食べて腸を育てましょう。

なお個人的な体験談として、「難消化性デキストリン青汁」が便通にはめちゃくちゃ良かったです。
1日2杯くらい飲むと翌日ドバドバになるので、飲む量は調整してみて下さい。
青汁についてはブログの方でレビューしています。

今回はヨーグルトで便秘になる理由と、その場合には食べ過ぎない方が良い理由について紹介しました。

もともとヨーグルト自体は大好きだったんですが、どうもお腹に良いという実感は得られなかった理由が、自分で納得いくまで調べてわかったので良かったです。

申し訳ないですが、もうヨーグルトを買うことは無いでしょう。そういう訳で、今日も納豆食べます(^o^)

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