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ガーナ公衆衛生実習(NGO活動、ガーナで選択可能な避妊法)

こんにちは!ガーナに1ヶ月間臨床&公衆衛生実習にきているmaiです。今回はガーナでの公衆衛生実習について書きたいと思います。

NGO活動同行

第1週目の公衆衛生実習はNGO活動同行でした。今回は2つの活動に同行させていただきました。

1つ目はCape Coastにある耳が聞こえない子供達の学校で性犯罪に巻き込まれないためのレクチャーです。ガーナに限った話ではないのですが、障がいを持つ子供たちは性犯罪の被害者になっても、表現方法が独特で意思疎通できる人が限られる上、発言を信じてもらえないこともあるためターゲットにされやすいです。日本でもあまり行き届いていない障害者の性被害支援をガーナのケープコーストで施されているというのは驚きでした。
彼らの中には病気で耳が聞こえなくなってしまった人はもちろん、親に暴力を振るわれたり、事故にあって聴力を失った子供も沢山いるそうです。街中を歩いていても日本では虐待認定され得るくらい子供を押し倒したり、怒鳴りつけたりしている様子をよく見かけました。この積み重ねで取り返しのつかないケースに発展するというのは容易に想像できます。そして交通状況も非常に悪いため多くの子供が事故に遭うという事実も頷けます。私も1ヶ月の滞在中ほぼUberで移動していたのですが2回バイクに衝突されました。ガーナの運転は狂気です。歩行者も怖いもの知らずです。

生徒とも少しだけ接する時間があったのですが、皆素敵な笑顔で迎え入れてくれていくつか手話を教えてくれました!とても明るくて活気のある学校でした。

左は学校の校長先生

2つ目はCommunity(郊外の小さな村のようなものだと思います)での職業訓練に同行しました。なぜだかわかりませんが背骨が大きく曲がっている人が半分くらいいて、住人は生まれてまもなく医者に注射されたせいだと主張していました。出生後に打つビタミンKの注射のことを言っているのでしょうか・・・。医療不信で誰も病院には行っていないそうです。Communityの中だけで通じる言語で会話していて結婚もこのCommunity内ですることがほとんどのよう。海の近くなので漁業をしている人が多いですが、体に不自由がある人はそのような職業には物理的に就けません。そこでNGOはそういった人たちが生活の糧を得られるようにに住人一人一人に合った職業プログラムを提供しているそうです。下の写真はNGOの協力によりヘアサロンを開いた方です。

左が住人の方、右がNGOの方
シャンプーの作り方を学び独自のサロンを開業


Family Planning

第2週目の公衆衛生実習はFamily Planning Unitでの実習でした。ここでは思春期以上の女性を対象に性教育やさまざまな避妊法を提供します。ガーナは4人以上子供を産む女性や未成年の妊娠が課題となっており政府の方針でこのような外来が設置されています。ここで驚いたのはガーナで選択可能な避妊方法は日本よりも遥かに多様で、しかも超格安ということです。
ピル-2 cedis(約22円)/1ヶ月
ホルモン注射-6 cedis/3ヶ月
皮下インプラント-11 cedis/3年
主に患者さんが受けていたのは上の3つで、値段は聞いていませんが避妊リングや有効期間が違う注射や皮下インプラントも用意がありました。
一番多かったのは3ヶ月有効のホルモン注射です。
日本ではピルが主流だと思いますが、ガーナ人は毎日同じ時間に薬を飲むということが非常にストレスで飲み忘れも多いためピルを使う人はあまりいないそう。注射だと3ヶ月に1回でいいので楽ですよね。でも3ヶ月に1回病院に来るのを忘れて避妊に失敗する強者もまあまあいるらしく、そんな患者さんには皮下インプラントを勧めるそうです。私が3時間程度見学した間だけでも2人インプラントを埋めにきていました。診察室で10分くらいで埋め込めます。
日本は避妊方法の多様性が遅れているとはよく聞きますが、勝手な先入観で先進国と比較してそう言っているのだと思っていました。失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、リソースの限られているガーナでも個人の都合に合った避妊方法が桁違いの安さでアクセス可能であるという事実は日本の完全な努力不足を象徴しているように思えました。

長くなりましたので、第3週、第4週の公衆衛生実習についてはまた別で記事にします!

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