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カーボンニュートラルについて

今回は『カーボンニュートラル』について書いていこうと思います。
よろしくお願いいたします。

今では「カーボンニュートラル」という言葉珍しくなくなり、多くの企業や個人が脱炭素やカーボンニュートラルに向けて日々努力をしています。
今回はカーボンニュートラルについて紹介していきます。


■カーボンニュートラルとは

そもそもカーボンニュートラルとは何なんでしょうか?
カーボンニュートラルとはCO2排出量と吸収量がプラスマイナスゼロの状態を指します。
つまり、どれだけ排出しても同じだけ吸収できていれば良いということです。

ちなみに、カーボンニュートラルのほかに関係用語があります。
カーボンポジティブ排出量を吸収量が上回る状態
カーボンオフセット:カーボンニュートラルには届かないが吸収量を増やすことで排出量の一部を相殺する状態


■なぜカーボンニュートラルという考え方が出てきたのか

仮に現在のようなカーボンニュートラルや脱炭素の動きを取らなかった場合、2060年あたりには今よりも平均気温が1.0℃以上上昇すると言われています。
平均気温の上昇により以下の深刻な課題が発生、または今よりも悪くなります。
・氷河が溶けて海面が上昇。国土が消失し難民が増加
・豪雨や山火事などの増加による食料が不足
・気候が変動し対応できない動物の絶滅
 
このような事態に歯止めをかけるため、2015年にパリ協定が結ばれ、カーボンニュートラルという考え方が強くなってきました。
 
パリ協定から4年後の2019年ごろに欧州を中心にCO2排出量をゼロ、カーボンニュートラルを達成するという法案が成立していきます。
さらに2020年に中国や日本でも2050年または2060年にカーボンニュートラルを達成すると宣言がされます。
そして2021年、米国ではバイデン政権が発足し、トランプ政権時に脱退したパリ協定への復帰と2050年までのカーボンニュートラルが宣言されました。
 
今では124の国と地域が2050年までにカーボンニュートラルを目指すこととなりました。
 

■電力と車

脱炭素やカーボンニュートラルと聞いて、最初に挙げられるのは電力と自動車ではないでしょうか。
世界のCO2排出量を分野別でみると4割以上が発電や熱供給で、2割以上が交通部門だからだと思っています。

<電力>
国内には様々な発電所がありますが、発電量の8割近くが火力発電となっています。
2011年の東日本大震災の原発事故の影響で原発が止まり、火力への依存が高くなっています。
火力発電の燃料ですが4割近くがLNG(天然ガス)、3割が石炭となっています。
 


石炭の割合が高くてびっくりしましたが、欧州では石炭はカーボンニュートラルの悪者として扱われていて、投資を削減する動きがあるようです。

日本は石炭が輸入しづらくなる、原発を頼りにできないなどから太陽光、風力、水力などの再生エネルギーの比率をあげようとしています。
2040年までに原発40基相当の洋上風力発電を設置するとしています。

洋上風力発電

<自動車>
欧州を中心に走行中にCO2を発生するエンジン車の販売を禁止する動きがあります。
英国では2035年にエンジン車のみならずハイブリッド車(エンジン+モータ)の販売も禁止となります。
カーボンニュートラルを達成することが主目的だと思いますが、自国産業を守るという目的もあると私は考えています。
ハイブリッド車の技術に関しては日本メーカーが優れていて、ハイブリッド車では勝てないと判断しEV(電気自動車)に移り日本車の締め出しをしたいのかなと思っています。
 
日本国内では英国と同じく2030年代でエンジン車(ガソリン車)の販売を禁止しますがハイブリッド車は販売可能です。
これは自国産業を守るためと、電力問題を考慮したものと推測します。

日本は先述の通り、火力発電が7割以上を占めています。
仮にハイブリッド車も禁止してすべてEVにした場合、EVの電力も火力発電から大半を賄うため、EVを走らせれば走らせるほど、CO2排出量が増加するという結果になるそうです。

また、EVの増加で真冬などに発電量が追いつかない、電気料金の高騰なども考えられます。
EVの充電場所などのインフラの整備等の課題もあるので、いきなり大半をEVに転換することは難しいのが現状です。

私は自動車メーカーのエンジニアなので、EVやハイブリッド車を効率が良く、安く仕上げることしかできませんが、私にできることを全うしてカーボンニュートラルに貢献したいと思います。


今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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