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2024ベルリン観劇記録(16)Le nozze di Figaro

 3月2日、ベルリン16本目はベルリン・シュターツオーパーで『フィガロの結婚』。モーツァルトのオペラはコーミッシェ・オーパーとベルリン・シュターツオーパーで観た『魔笛』に続いて三度目。

音楽 Wolfgang Amadeus Mozart
作詞 Lorenzo Da Ponte
原作 Pierre Augustin Caron de Beaumarchais
指揮 Marc Minkowski
演出 Vincent Huguet
舞台美術 Aurelie Maestre
衣装 Clemence Pernoud
照明 Irene Selka
振付 Thomas Wilhelm
コーラス演出 Gerhard Polifka
出演 Simon Keenlyside, Evelin Novak, Victoria Randem, Riccardo Fassi, Emily DAngelo, Katharina Kammerloher, Wolfgang Ablinger-Sperrhacke, Christopher Gillett, Pavlo Hunka, Friedlich Hamel, Maria Kokareva, Olga Vilenskaia, Regina Köstler-Motz, Staatsoperchor, Staatskapelle Berlin


正面一階席でいう4-5列目に当たるため
舞台はとても近く感じる

 
 二階席の下手端5列目。中央奥から下手奥が見切れ。しかもシュータツオーパーは手元に字幕がないのを失念していた。プロセニアムの上方に表示される字幕も全く見えない。
 舞台セットや衣装は70-80年代カルチャーを想起させるもの。序曲が終わり幕が開くと、カラフルなスポーツウェアに身を包んだ登場人物たちが揃ってエアロビをしている。明るくポップな雰囲気で場内が盛り上がり、いきなり拍手。スザンナとフィガロの最初のデュエットは、筋トレやストレッチをしたり内線(モーツァルトのトルコ行進曲が受信音。笑)に出たりしながらで、笑いの連続。上体起こしや伏せた体勢でもあんな声が出るのか! 二人とも筋肉ムキムキである。そこに網目タンクトップを着た胸筋アピールのアルマヴィーヴァ伯爵が入ってくる。無知な頃は、「モーツァルトのオペラには男装の女性や女性同士の恋愛もあるのか、クィアが当たり前に出てきていいな」と思っていた〈ズボン役〉のケルビーノ。今の自分の感覚では、女性が演じている男性人物とも、ノンバイナリーの人物とも、男性のものとされる衣服を着るのが好きな女性とも見える。素人の感想だが、ケルビーノと伯爵夫人の声がとてもよかった。よかったし、この二人のソロ曲はかなり「美味しい」のでは? 
 全員キュート、何しろ芝居、演出がうまい。アイデアをたくさん詰め込める遊びがいのある演目だと思う。イタリア語がわからないため機微は不明だが、何度も笑った。愉快な上演で、観客の反応もとてもよかった。踊りの振り付けはディスコ。
 オーケストラの演奏家たちがしばしば舞台や字幕の方を見て楽しそうにしていたのが印象的。

ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!