見出し画像

3年


我が家の長老猫Pが手足が動かなくなったのは昨年の8月の終わりだった。
それから介護をし
二週間ほどでまた動くようになり
ジャンプはできなくなったが
およそ5ヶ月が経過した。

目に見えてヨボヨボと歩いてはいるが
自分で排泄をし、ご飯も食べる。
水はもっと飲ませた方が良いということで
数時間おきにウェットフードを水で薄めて、記録もつけている。
だんだんウェットフードに対する好みや水の量の匙加減の自我が出てきて
最近は、フードごとに量を変えたりとしている。
大変、ではない。

どちらかというと他3匹がウェットフードをご褒美と感じて
自分も食べたいと集まってくるのをダメダメといなすことが大変である。

しかし、毎日
毎日
毎日、心の奥底で
何かに縋るように、「まだいなくならないで」
と念じている自分がいる。
それが伝わっているようにも感じる時がある。

もうすぐ、母が余命を受け亡くなり3年が経つ。

死別の3年と
結婚して3年は違う。
全然違うな。

子供が産まれて3年は、もっと違うだろう。

私の3年は、ほぼ止まっていた。

怖い。失うのは、いつだって何だって怖い。
私は日々、もう失いたくないと怯えて、止まっている。