大規模自然災害後の感染症について

みなさま、こんにちわ。
先ほどの記事と関連したテーマですが、大規模自然災害後の感染症について、Q&A方式でまとめてみたので、一部を紹介させて頂きます。


◆大規模自然災害後の感染症はいつ頃に起こるのか?

Phase 1(1-4日目)、Phase 2(4日目-4週間)、Phase 3(4週間以降)に分類すると、Phase 2以降に増加する。

Ann Emerg Med. 1992;21:362-7.

◆大規模自然災害後の感染症で想定されるものは何か?

・水系・食品媒介感染症(消化器感染症)
・媒介動物による感染症(節足動物媒介感染症、アルボウイルス感染症)
・空気・飛沫感染による感染症(呼吸器感染症、結核)
・ワクチンで防ぐことの出来る感染症
・皮膚感染症
・その他

日本環境感染学会.大規模⾃自然災害の被災地における感染制御マネージメントの手引き.2014.http://www.kankyokansen.org/other/hisaiti_kansenseigyo.pdf
Expert Rev Anti Infect Ther. 2012;10:95–104.

◆実際に問題となった感染症アウトブレイクはどのようなものがあるか?

東日本大震災後に報告されたアウトブレイクとして、インフルエンザ、ノロウイルス、結核などがある。高頻度のものは、「インフルエンザ、急性呼吸器感染症、感染性胃腸炎(ノロウイルス)」、低頻度ながら重要なものは、「結核、破傷風、レジオネラ」に注意する。

Clin Infect Dis. 2012;54:e5-7.
IASR. 2011;32:S8-9.
Emerg Infect Dis. 2013;19:799-801.


◆避難所で注意すべきことにはどのようなものがあるか?

標準的な感染症対策は以下のマニュアルを一例として参照する。
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/disaster_con_5.pdf
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/disaster_con_2.pdf

“生活の場”であること、規模や施設資源が様々であること、不足物資が避難所毎に異なることに留意する。

標準予防策・経路別予防策
原則を踏まえつつ、手に入るものでリスクを下げる。隔離が必要な場合、距離と遮蔽、換気、家族単位を踏まえた実施などに留意する。

水、トイレ、食物の扱い
水が不足している際は手指消毒剤を利用する。トイレの選択と清掃方法に留意する。外部の持込み食料に注意する。
http://www.tohoku-icnet.ac/shinsai/images/pdf/hotline07.pdf

不足物品
不足物品を具体的に確認し、対策本部と連携し補充方法を決定する

住民啓発
早期から意識する
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/disaster_con_1.pdf

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