東京医科歯科大学 統合臨床感染症学分野

東京医科歯科大学 統合臨床感染症学分野のブログです。 日々の活動などを紹介しております…

東京医科歯科大学 統合臨床感染症学分野

東京医科歯科大学 統合臨床感染症学分野のブログです。 日々の活動などを紹介しております。 分野のホームページもありますので、あわせてご参照ください。https://tmd-cid.jp/

最近の記事

抗真菌薬供給不足時の緊急使用ガイダンス

こんにちは。TMDU統合臨床感染症学分野です。 一部メーカーが製造するミカファンギンの供給が製造ラインのトラブルにより不安定になっています。 ミカファンギンNa点滴静注用50mg/75mg「ニプロ」  供給に関するお詫び.pdf (nipro.co.jp) ミカファンギンNa点滴静注用50mg/75mg「ニプロ」 供給継続のご案内.pdf (nipro.co.jp) 必要な患者に対する確保を目的として、当院ではミカファンギン以外の抗真菌薬による治療、予防の緊急使用ガイダン

    • 日々の活動紹介:microround

      みなさま、こんにちわ。TMDU統合臨床感染症学分野です。 何度か、細菌検査室でのカンファレンスについて紹介していますが、さらに進化(?)をとげたため、またご紹介します。 カンファレンスは指導医、フェロー、初期研修医、学生(M5、M6)、検査技師さん、薬剤師さん(+薬学部の学生さん)など様々な学年や職種な方が参加してくださっています。 なかなか一方的にプレゼンテーション(7分)を聞くだけだと要点がつかめずに終わってしまうこともあるため、ホワイトボードをみなさんにお配りして、

      • 本日のIDATENインタラクティブケースカンファレンス

        みなさまこんにちわ。 当日の案内になってしまいましたが、本日は国立国際医療センターで第64回IDATENインタラクティブケースカンファレンスが開催されます。 久しぶりの現地開催とのことです。コロナ禍のため、勉強会はオンラインやハイブリッドでの開催が多くなりましたが、現地で参加することでの臨場感や学べる事はまた違うものがあるかと思います。 成人のほうの症例は当科から提示させて頂く予定です! 本日ご参加される方々、どうぞよろしくお願いいたします。 以下、ご案内になります。

        • 第35回日本臨床微生物学会総会

          みなさまこんにちわ、TMDU統合臨床感染症学分野です。 今日2件目の更新です。 この3連休(正確には金曜日~日曜日)は横浜で日本臨床微生物学会総会が開催されていました。当分野からも座長や演者として、具先生、岡本先生、関谷先生が登壇されていました。また、いつもお世話になっている細菌検査室の萩原さんと髙橋さんも一般演題で発表されていました。発表者のみなさま、ならびに参加されたみなさま、お疲れさまでした。 髙橋さんの症例は臨床ベースということで、少し内容について当科でもかかわら

        抗真菌薬供給不足時の緊急使用ガイダンス

          <臨床雑誌掲載>【臨床検査】2024年2月号

          みなさま、こんにちわ。 TMDU統合臨床感染症学分野です。 医学書院から出版されている臨床雑誌である「臨床検査」の2月号に、当分野の関谷先生が特集された人工物感染症が掲載されましたので宣伝です! 特集の冒頭で記載頂いているとおり、人工物が関与する感染症は、感染の持続、起因菌の耐性化、バイオフィルムの関与などがあり、長期間の抗微生物薬投与を有する場合が多く、難渋するケースがすくなくありません。 これまでは起因菌が不明であった人工物感染症も、検査技術の進歩により起因菌が判明

          <臨床雑誌掲載>【臨床検査】2024年2月号

          DICT

          こんにちわ、TMDU統合臨床感染症学分野です。 1/22から3日間、当科の具教授がDICTとして石川県に派遣され、被災地の視察や支援を行いました。その他、当院からもDMATとして救急救命センターのスタッフの方々を初め、医療支援活動を行っています。その件についてのインタビューやまとめが大学の見出しに掲載されましたのでご紹介します。 https://www.tmd.ac.jp/ インタビューの動画も公開されていますので、ぜひご覧ください。 東京医科歯科大学、東京工業大学の

          1/18 HIV勉強会

          こんにちわ、TMDU統合感染症学分野です。 木曜日はイベントがてんこもりでしたので、日にちをずらして投稿しています。この日はHIV勉強会の10回目でした。 HIVと癌について、疫学やスクリーニングの観点から勉強しました。 従来、AIDS defning cancerと呼ばれていたKaposi肉腫やPELなどがARTの導入によって減少し、現在はnon-AIDS defning cancerであるそれ以外の癌が増えてきています。 米国の報告ではありますが、HIV感染者のほうが

          1/18 journal club

          こんにちわ、TMDU統合感染症学分野です。 今週のjournal clubの論文を紹介いたします。 (本当は2週おきに開催しているのですが、ご紹介が不定期ですいません) 今回の論文は2015年に行われたstudy(BUGG study)について、CDIをフォーカスしてをsecondary analysisを行ったものでした。集中治療室(ICU)におけるユニバーサルガウンとグローブの使用がC. difficileの獲得を防ぐ効果を調査しています。 BUGG studyは2

          日々の活動紹介(細菌検査室)

          みなさんこんにちわ、TMDU統合感染症学分野です。 今日は当院の細菌検査室でのカンファレンス風景を再度を紹介します。 以前の記事(感染症内科での活動について|東京医科歯科大学 統合臨床感染症学分野 (note.com))でも紹介しましたが、また少し変わりました。というか、ほぼ毎週変わっています・・・。 毎朝10時に細菌検査室で、血液培養の陽性検体のグラム染色を研修医の先生や医学生(5年生、6年生)に見てもらっていますが、なかなか初見でみてもサイズ感など、特徴を共有するこ

          大規模自然災害後の感染症について

          みなさま、こんにちわ。 先ほどの記事と関連したテーマですが、大規模自然災害後の感染症について、Q&A方式でまとめてみたので、一部を紹介させて頂きます。 ◆大規模自然災害後の感染症はいつ頃に起こるのか? Phase 1(1-4日目)、Phase 2(4日目-4週間)、Phase 3(4週間以降)に分類すると、Phase 2以降に増加する。 ◆大規模自然災害後の感染症で想定されるものは何か? ・水系・食品媒介感染症(消化器感染症) ・媒介動物による感染症(節足動物媒介感染

          大規模自然災害後の感染症について

          新年のご挨拶と、災害時の感染対策資料のご紹介

          みなさま、あけましておめでとうございます。 新しい年が皆様にとって幸多き一年となりますようにお祈り申し上げます。 しかしながら年始早々、地震や飛行機事故など悲しいニュースが続き、胸が痛みますね。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 この機会に、震災時の感染症対策についてご紹介したいと思います。 ①DICTについて 震災時の派遣としてはDMATが有名かと思いますが、避難所等の衛生環境維持や感染症予防対策を目的として災害時感染制御支援チーム(DICT)という組織もあ

          新年のご挨拶と、災害時の感染対策資料のご紹介

          当科での研修の紹介(フェロー)

          こんにちわ、TMDU統合感染症学分野です。 前回に引き続き、当院での短期研修についてご紹介したいと思います。今年度は大井先生が1年間、フェローシップの枠で研修に来てくだっています。 以下、紹介の記事を書いていただいたので掲載します。 こんにちは。 東京医科歯科大学感染症内科で短期研修中の大井です。 感染症内科のフェローシップは原則3年間ですが、私は1年のみ短期的に感染症診療の基礎を勉強するというプログラムで研修をしています。 もともと救急集中治療医として他大学病院救急科

          当科での研修の紹介(フェロー)

          細菌検査室での実習(フェロー)

          こんにちわ、TMDU統合感染症学分野です。 今年度1年間、感染症内科でフェロー枠でローテしてくれている大井先生が、先週、細菌検査室で実習をされていましたので、紹介します。 当院の細菌検査室には約10名弱の技師さんが在籍されています。毎日それぞれの検体を扱う技師さんに教えてもらいながら、培地の選択や、検査の進め方などを学ばれたそうです! (医師は)いつもは検査を依頼する側ですが、検査をどのように後ろで行っているかや、検査室側にどのような情報を提供するかによって、その後の培

          細菌検査室での実習(フェロー)

          クリスマス

          こんばんわ、TMDU統合感染症学分野です。 ここ1-2週間はコンサルトのテーマが面白いものが多く(toxoplasmaのIM、CMV+HSV-2の髄膜脳炎、PCP、黄色ブドウ球菌菌血症+椎体炎/硬膜外膿瘍など)、臨床が忙しく更新が遅れておりました。申し訳ありません。 非常に勉強になる症例がてんこもりですので、レジデント・フェローレベルの先生は是非一度見学に来ていただけたら・・・と思います。 さて、今年もクリスマスの時期になりました。 クリスマスといえば、、、チキンではなく

          12/7抄読会

          こんにちわ、TMDU統合感染症学分野です。 今週も抄読会が盛り上がりましたので、ご紹介いたします! 12/7の抄読会(抄読会は2週間に1回行っています)は縣さんが担当でした。AJICから、手指衛生の遵守率にナッジという方法を用いることは有用かという、行動科学的な観点も含まれた、大変興味深い論文でした。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37209875/ ナッジとは、「そっと後押しする」という言葉ですが、命令や禁止ではなく、望ましい行動をと

          11/30 抄読会

          TMDU統合感染症学分野です。 今日は2週に1回の抄読会がありました。 JAMA network openで掲載された手指衛生の論文を井手先生が担当されましたので紹介します。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37883088/ MRSAなど接触感染を起こす病原体が検出された部屋では接触感染対策(contact precaution; CP)が必要で、手袋やガウンの着用を行います。患者さんの部屋への入室前には通常、手指衛生を行いますので、手