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徹底解説|東南アジアのデジタル決済市場

東南アジアで急速に拡大しつつあるデジタル決済市場。群雄割拠の状態で、よく分からないという方も多いと思います。ということで、今回はシンガポールに拠点を置く、東南アジアテック専門の中国語メディア「7点5度」の1万字レポートを許可を得て日本語に翻訳してみました。少しでも理解のとっかかりになれば幸いです。

もし好評であれば、同メディアの他のレポートも翻訳していこうと思っています。ですので、ためになったということであればLikeをいただいたりツイッターなどで拡散していただけると励みになります。

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中国では、スマホのモバイル決済はWeChatとAlipayの大手2社によって席巻されている。それに比べると、東南アジアの市場はもっと分散化している。まだ独占的なプレーヤーが出現していないので、起業家にとっては巨大な市場となっている。さらに重要なのは、東南アジアでは、新型コロナの流行を契機としてデジタル化がより一層加速しており、モバイル決済市場のゴールドラッシュはまだまだ始まったばかりだと言える。

デジタル決済は電子決済とも呼ばれ、POS、スマートモバイル機器、決済ゲートウェイ等を使用し、従来の銀行カードや電子財布などの決済手段でオフラインまたはオンラインで行う決済のことだ。一般的には、銀行振込、カード(クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードを含む)、電子財布などを使って行われる支払いを指す。

東南アジアでは、多くの先進国と比較して銀行カードやクレジットカードの普及率が低かったので、デジタル決済に向けた大きな障壁となってきた。多くの発展途上国と同様、東南アジアでは消費者金融サービスが十分に発達しておらず、消費者は信用情報の不足で銀行からクレジットカードを取得することが難しかった。その一方、銀行口座の開設には多くの書類が必要で、しかも煩雑な手続きが求められるので、多くの人が敬遠してきた。また、東南アジアではカードの導入市場が大きくないため、銀行カードの普及が本格化しておらず、カード保有者の利用意欲に直接影響を与えてきた。銀行カード発展は基本に汎用性の高さにかかっているが、銀行カードの導入店が一定数以下だと、保有者は不便に感じ、現金払いに戻ってしまう傾向がある。こうしたことから、東南アジアでは現在も現金社会が続いており、オフラインでの買い物は現金に頼っている人が多いのが現状です。

しかし、近年東南アジアでは現金への依存度が低下してきている。東南アジアネット経済報告2021によると、決済GTV(総取引額)のうち現金が占める割合は、2019年の60%から2025年には47%にまで低下する見通しとなっている。

これは、東南アジアの人々が現金への依存から、オンラインによるデジタル決済に移行していることを示している。デジタル決済には、銀行カード、クレジットカード決済、オンライン銀行振込、電子財布の利用などが含まれる。変化の主な背景は以下の通りだ。

①デジタル決済の基盤整備が進んだ

東南アジア各国のデジタル決済インフラとオフラインの受け入れネットワークは、全体として改善されつつあり、デジタル決済の発展のための重要な基礎となっている。

例えばインドネシアでは、2014年に政府が国を挙げたキャッシュレスキャンペーンを始動させ、同国の中央銀行(BI)がE money(電子マネー)ライセンスを発行するなど、変化を促すためのさまざまな策が施されてきた。2019年、インドネシア中銀はシンプル且つ迅速なQRコード決済を実現する目的で、QRISシステムの導入を発表した。 2020年末までに、QRISシステムはインドネシアで銀行や電子財布など35種類ものアプリをサポートしており、加盟店数(うち85%は中小・零細企業)は600万に達した。

一方、東南アジアの銀行カード決済市場では受信端末の普及が見られた。ATMやPOSといった従来の受信端末への投資の拡大だけでなく、携帯電話・公衆電話・家庭用電話・パソコンといった幅広い受信端末が導入され、受信チャンネルの拡充が進んだ。IT技術の発展により、電子情報を送信でき、関連するセキュリティ要件を満たす電子ツールはなんでも銀行の決済端末にすることが可能となり、銀行カード利用者の敷居を低くすることに貢献した。同時に、POSネットワークの拡大に伴い、国際的なカード会社も東南アジア市場に深く入り込むようになり、現地におけるカード発行•利用がより一層拡大しつつある。2020年、国外で600万枚以上の銀聯バーチャルカードが新規発行され、そのうち約350万枚が東南アジアだったというデータもあるほどだ。フィリピンでは、70%以上の加盟店、90%以上のATMで銀聯カードが利用可能となっている。これは、銀聯国際と比・セブアナ・ルリエ銀行が、2020年12月から2年間で600万枚の銀聯カードを発行することで合意したことを受けたもので、比では初の大規模な銀聯カードの発行となった。

東南アジア各国は、現地のデジタル決済インフラの整備に加え、自国開発で迅速な国際送金システムを段階的に構築している最中だ。例えば、タイ・シンガポール両政府は、ユーザーにとってより便利なデジタル決済方法を提供するため、国境を越えたデジタル決済の相互運用を積極的に推進しており、2021年4月には、タイ中央銀行(BOT)とシンガポール金融管理局(MAS)が、タイの即時決済サービス会社PromptPayと、シンガポールのリアルタイム決済サービス会社PayNowを正式に接続した。このシステムに参加するタイとシンガポールの銀行の顧客は、携帯電話番号さえ持っていれば、5分以内に1,000シンガポールドルまたは25,000バーツの未満の金額を両国間で送金できるようになった。

また、東南アジアでは、各国の決済ネットワークがほぼ確立されていることに加え、インターネットやスマートフォンの普及率が高いことも、デジタル決済の発展を後押しする一因となっている。東南アジア全体では、ミレニアル世代の70%以上がインターネットにアクセス可となっている。Adyenの調査では、2015年の東南アジアのスマートフォンユーザーは2億5,000万人、モバイルブロードバンドユーザーは1億4,200万人だった。またemarketer.comによると、2022年までに東南アジアのスマートフォンユーザーは3億2,000万人に達し、インターネットユーザーの88%を占めるようになるとのことだ。このうち、シンガポールにおけるスマートフォン普及率は約90%に達し、タブレット端末普及率は約50%となっている。さらに、東南アジアの消費者は世界でも顕著なしたデジタル化の波がおきており、タイ人、マレーシア人、インドネシア人は1日平均4時間をスマホに費やしている。

②東南アジアにおけるeコマース産業の急成長

米国の調査会社IDCは、シンガポールの決済会社2C2Pの委託を受けて、東南アジアの電子商取引支出が2025年までに1,798億米ドル(約24.3兆円)に達するとのレポートを発表した。東南アジアの新規eコマースユーザー数は、2025年には1億8,860万人に達すると予想される。新たな電子商取引ユーザーの参入により、デジタル決済の利用はさらに増加すると見られる。2025年には、デジタル決済による電子商取引は、全電子商取引の91%を占めるようになるとの予想がある。

東南アジアのECプラットフォームは分散型で、ShopeeやLazadaといったリージョナルなプラットフォームがある一方、タイのThisshop、インドネシアのBukalapakやTokopedia、ベトナムのTikiやSendoなど、国ごとに独自のECプラットフォームが存在する。これらECプラットフォームは、Visa、Mastercard、American Expressなどのクレジットカード決済や、一部の国内ネット銀行をはじめ、代金引換や分割払いなどの支払い方法にも対応している。これに加え、大手ECプラットフォームも独自のデジタル決済方法を打ち出そうとしている。例えば、Shopeeは独自の決済ツール「ShopeePay」を、Lazadaは独自の電子財布「Lazada Wallet」を発表した。
Shopeeのデータによると、2020年10月、Shopeeのマーケットプレイスにおける総注文の30%以上が、この独自の電子財布で決済されたとのことだ。主要市場であるインドネシアでは、Shopeeは決済面で特に優位性を保っている。ShopeePayはインドネシア500以上の都市で導入済みで、第2〜3級の都市は大きな恩恵を受けているし、ジャカルタ首都広域圏以外でも、ShopeePayを使った取引は8倍以上の急増となった。Shopeeはユーザーに一定割合のキャッシュバック、ショッピングバウチャー、割引を提供し、ShopeePayの利用を促進している。BCGの調査では、東南アジアの回答者の56%が、電子財布を利用する主な理由として、特典、販促割引、現金獲得を挙げている。

③新型コロナがデジタル決済の普及を加速

新型コロナの流行は、デジタル消費に対する需要を喚起した。東南アジアの人々にとってデジタルサービスの継続的な利用はすでに生活スタイルの一部となった。東南アジアネット経済報告2021によると、2020年のデジタルサービス利用者しの90%が2021年にも引き続き利用しているとのことだ。新型コロナを起点として考えると、東南アジアにおけるデジタル消費者の増加は明らかだ。レポートでは、コロナの流行が始まって以降、東南アジアで6000万人が新たにデジタル消費者となり、2021年上半期だけでも2000万人が新たなデジタル消費者となったと結論づけている。

デジタル消費の多くの分野で、デジタル決済はオンライン取引を完了するための重要な手段となっている。 これは、コロナ流行のピーク期に東南アジア各国が相次いで採用した自宅検疫に由来するものだ。オフライン活動が停止したことを受け、多くの消費活動がオンラインに移行。決済方法もオンラインにシフトした。 このような特殊な時期には、消費者サイド、企業サイドともに、デジタル決済を受容する傾向が強まった。

コロナ流行前と比較して消費者の電子財布の利用は45%増加し、その取引額も2025年までに倍増すると予想される。電子財布の利便性とECプラットフォームからのインセンティブが、消費者がデジタル決済を選択する主な理由となっている。また、コロナ流行期に、東南アジアの消費者の間で非接触手段の利用がうまく需要とマッチしたことも、消費者がデジタル決済を選択する大きな原動力となった。Fintech Newsのデータによると、2021年4月、タイで即時決済を提供するPromptPayの取引額は前年比約80%増となった。同様にシンガポールでも、即時決済は前年比58%増となった。

消費者のデジタル決済の利用頻度が高まるにつれ、加盟店によるデジタル決済の受容も進んだ。 東南アジアネット経済報告2021によると、90%以上の加盟店がデジタル決済を受け入れており、デジタル金融サービスがビジネスを発展させるための重要なファクターであると回答している。また、75%の加盟店がデジタル決済の方が便利だと考えており、72%が今後1〜2年の間にデジタル決済の利用を増やし続けると回答した。インドネシア市場に関しても、店側によるデジタル決済の導入が大きく進んでいる。20年12月から21年10月にかけて、インドネシアでQRISシステムを採用する加盟店が580万店から一挙に1,200万店まで増えた。

コロナ流行のピークが過ぎ、東南アジア各国ではオフラインの活動が平常に戻りつつあるが、現地の多くのユーザーはデジタル決済を継続している。BCGの調査によると、東南アジアの都市部のユーザーの60%が、キャッシュバックや割引特典などのインセンティブがなくても、電子財布を使い続けると回答。Eコマースでの買い物が習慣化するのと同様に、東南アジアの多くの消費者は、コロナ流行期にデジタル決済を利用する習慣を身につけており、加盟店も消費者の嗜好に合わせて、デジタル決済への対応を進めている。

④デジタル決済を促進するため、各国政府がデジタルバンクを推進

近年、東南アジアの各国政府もデジタル決済の整備を重視している。デジタル化の潮流に乗るため、シンガポール、マレーシア、フィリピンは近年、デジタルバンキングのライセンスを多く発行しており、地場の金融ネットワークをさらに充実させることでデジタル決済の発展を促している。

2020年12月、シンガポール金融管理局(MAS)は、今年のデジタルバンキングライセンスの交付リストを発表した。GrabとSingTelからなるコンソーシアム、東南アジアのテック大手Sea Groupがそれぞれデジタルバンキングのフルライセンス(デジタルフルバンク)を取得し、Ant GroupとGreenland Financial Investment Holdings Groupが率いるコンソーシアムもDigital Wholesale Bankのライセンスを獲得した。

2021年9月、フィリピン中銀BSPは、地元のフィンテック企業Voyager Innovationsに6つ目となるデジタルバンキングライセンスを与えた。その他ライセンス取得業者5社はGOtyme、UnionDigital、Overseas Filipino Bank、UNOBANKとTonik Digital Bankとなっている。

2022年4月、マレーシアでは5社に対してデジタルバンキングライセンスが授与された。獲得業者はGrabが率いるコンソーシアム、Sea Groupが率いるコンソーシアム、そしてマレーシア第4位の銀行RHBが率いるコンソーシアム、Aeon Financial Servicesが率いるコンソーシアム、KAF Investment Bank Sdn Bhdが率いるコンソーシアムだった。

従来の銀行と一線を画すデジタルバンキングは、物理的な支店網にもはや頼ることなく、デジタルネットワークを銀行の中核として、銀行振込、現金引出、小切手管理、モバイルバンキング、伝票支払い、ファイナンス、取引監視など様々なサービスを提供している。デジタル銀行のデジタル決済商品には、バーチャルキャッシュカード、電子財布、モバイルバンキングなどがある。フィリピンでデジタルバンクのライセンスを取得したTonikを例にとると、モバイルアプリを使えば、ユーザーはIDとセルフィーを使って5分で銀行口座を開設することが可能だ。また、Tonikの銀行口座を持っている人は、銀行、デビットカード、または全国約10,000ヵ所の販売代理店を通じて現金でチャージすることが可能だ。

デジタル銀行の登場は、特に地方のユーザーにとって有益なものだ。伝統的な銀行は人口密度の高く、交通量の多い都市で金融サービスを行うのだが、インフラ構築のコストが高いため、これまで東南アジアの農村部には支店を設置しない傾向が強かった。 一方、デジタル銀行は、スマホでワンクリックで簡単にデジタル決済が可能なデジタルペイメントを利用したい地方ユーザーのニーズに応えることができる。

フィリピン銀行のBenjamin E. Diokno総裁は、「デジタル銀行は、デジタル金融エコシステムにおいて重要な役割を果たすでしょう。これらの新たなパートナーは、市場の効率性を一層高め、フィリピン人の幅広い金融サービスへのアクセスを可能とし、金融包摂目標をより早く達成することができそうだ。2030年までにリテール決済取引全体の少なくとも50%をデジタル化し、フィリピン人成人の約70%が取引口座を持つことになる」と述べた 。金融包摂が進む中、東南アジアのユーザーはデジタル決済に触れ、利用頻度を高め、結果として業界を大きく後押しするようになっている。

このことから分かるのが、決済インフラの継続的な改善、電子商取引の急速な発展や、新型コロナの触媒作用、そして金融イノベーションに対する政府の支援によって、東南アジアが徐々にデジタル決済時代へシフトしているということだ。東南アジアネット経済報告2021によると、東南アジアにおけるデジタル決済のGTVは2021年に7,070億米ドルに達し、2025年には1兆1690億米ドルに達すると予想されており、年平均成長率は13%にものぼる。東南アジアのデジタル決済業界は、今後、さらに潜在力を発揮することになるだろう。

東南アジアの電子財布分野の主なプレーヤー

東南アジアのデジタル決済プレイヤーの中で、最も中心的なカテゴリーが電子財布である。 電子財布とは、スマホで送金、受取、貯蓄、支払いなどができる仮想の財布のことだ。ロンドンの金融企業Bokuとデジタル技術分析企業Juniper Researchが共同で発表したレポート「モバイルウォレット2021」によると、2019年には電子財布がクレジットカードを抜いて世界で最も広く使われている決済手段となった。コロナ流行期にはその普及がより加速した。

一般的に多くの電子財布は、チャージするために銀行カードまたはクレジットカードと結びつける必要がある。しかし、東南アジアでは、一部の電子財布は、コンビニや一部の実店舗で現金を使ってチャージすることができる。これにより、銀行やクレジットカードの普及率が低い東南アジアに利便性がもたらされた。銀行カードを持たない東南アジアの消費者が、電子財布によってオンラインで買い物をしたり、その他のデジタルサービスを利用することができるようになった。例えば、シンガポールの電子財布Singtel Dashは、銀行口座やクレジットカードからのチャージに加え、シンガポールの通信会社Singtelやセブンイレブンなどのコンビニで現金を使いチャージすることも可能だ。 このほか、東南アジアの電子財布では、EコマースプラットフォームLazada傘下のLazada Wallet、マレーシアのTouch'n Go、フィリピンのPayMayaとGCash、インドネシアのOVOとGoPayなどがオフラインでの現金チャージに対応している。 BCGが2020年に発表した調査結果によると、東南アジアの銀行口座を持たない都市人口のうち電子財布を利用しているのは13%に過ぎませんが、東南アジアで銀行口座を持たない人々の間での電子財布普及率は2025年までに58%まで急増するとの予想がある。

また、モバイルウォレットレポート2021によると、東南アジアは電子財布が世界で最も成長している地域で、ラテンアメリカ、アフリカ、中東がこれに続く。このうち、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムでは、電子財布の取引量が311%超増加し、旺盛な電子商取引を背景に、2025年までに使用数は4億4,000万以上になると予想されている。

世の中の電子財布は二つに大別される。ひとつは、先進国市場で普及しているApple PayやGoogle Payなどのカード型。もうひとつは、中国のAlipayやGrabのGrabPayなど、クレジットカードの利用率が低い新興国で普及しているチャージ型だ。 東南アジアの市場は細分化されているため、電子財布のプレーヤーは雨後の筍のようにあちこちに出現している。 各国には、銀行が所有する電子財布と、非銀行系が立ち上げた電子財布の両方があり、複数の代表的なプレーヤーが併存している。より仔細にみると、東南アジアの電子財布は、①通信事業者系、②ネット企業系、③銀行系の3つのタイプに大別できる。

①通信事業者系の電子財布

東南アジアでは、各国の通信事業者が多様な電子財布を提供している。これは、東南アジアの通信事業者に、電話料金のチャージを行う加入者を多く抱えているという大きなアドバンテージがあるためだ。クレジットカードの普及率が高くない東南アジア市場では、多くのユーザーが電話料金のチャージによって他のデジタルサービス取引を完了させる必要がある。。通信事業者の電子財布は、料金のチャージだけでなく、公共料金の支払い、送金、オンライン注文の支払いにも利用できるのだ。

Singtel Dash
シンガポールの通信会社SingTelの電子財布で、電車やバス、タクシーなどで利用でき、買い物や送金の際にも利用可能。また、Singtel Dashは、VisaおよびApple Payと提携し、iPhoneユーザーはDashで支払いができるようになった。また、Dashの元々のユーザーは、Apple Payやその他のオンライン取引に利用できるVisaバーチャルアカウントを取得できる。シンガポールで初めてApple Payと連携したノンバンク電子財布となった。

LinkAja
インドネシアの通信会社TelkomselはLinkAjaの筆頭株主であり、約25%の株式を保有する。また、LinkAjaの株主には、現地銀行4行(Mandiri、BRI、BNI、BTN)、インドネシア国営石油会社Pertamina、東南アジアのオンライン配車アプリGrabが含まれる。インドネシアのナショナルEウォレットとして知られる。

GCash
フィリピンの通信会社グローブテレコム傘下の電子財布であるGCashは、2020年6月の声明で、5月の取引量が前年比で700%増となり、ECQ(Enhanced Community Quarantine)の初月に登録者数が3倍以上になったと発表した。

True Money
2003年に設立されたTrue Moneyは、もともとタイの通信会社True Corporationの一部だった。2014年にタイのAscend GroupがTrue Corporationの一部事業を統合し、True MoneyはAscend Moneyの電子財布となり、現在ではタイで50%以上のシェアを誇っています。

Viettel Pay
ベトナム国防省傘下Viettelの電子財布Viettel Payは、2018年6月にサービスを開始し、全国のATMで無料でチャージすることができるようになった。ユーザーは、通信料金の支払い時にアプリを利用することで、4〜6%の割引を受けることができる。

②ネット会社系の電子財布

東南アジアの多くのローカルインターネット企業にとって、電子財布は自社の閉じたエコシステムに貢献するために立ち上げられたものだが、その後より多くの他のエコシステムに使用範囲を拡張した。例えば、GrabPayは配車から始まったが、今ではその分野に限定されていないし、ShopePayはオンライン注文の決済から始まったが、今ではEコマース以外の分野に使用が広がっている。

GrabPay
GrabPayは、オンライン配車上場企業Grabの電子財布で、配車決済だけでなく、テイクアウト支払い、通信費のチャージ、クレジットカード決済、ECショッピングなど、さまざまな用途での利用が可能となっている。GrabPayはシンガポールとマレーシアでそれぞれ35%と38.3%の市場シェアがあり、両国でナンバーワンの電子財布となっている。

GoPay
GrabPayと同様、GoPayは主にGojek(現GoTo)のエコシステムに対応しており、配車決済からテイクアウト、Eコマースなどの分野で利用可能だ。App AnnieとiPriceの共同調査によると、GoPayはインドネシアで2019年Q2~2020年Q2の月間アクティブユーザー指標においてトップだった。

ShopeePay
ShopeePayは、もともとEコマースプラットフォームのShopeeが開始したもので、Shopeeのプラットフォームでの支払いに加え、ゲームのチャージ、電話料金のチャージや映画チケットの購入などにも利用できるようになった。モバイルウォレットレポート2021によると、ShopeePayは高いキャッシュバックとプロモーションにより、インドネシアで2番目に広く利用されているウォレットとなっており、市場シェアは15.6%に上っている。

FavePay
FavePayは、シンガポールのキャッシュバックプラットフォームFaveのモバイルウォレットで、インセンティブを通じてユーザーの利用を促進している。例えば、FavePayで支払えば、一定のレートでキャッシュバックがある。

ZaloPay
ZaloPayは、ベトナム版WeChatと呼ばれるベトナムのSNSアプリZaloをベースに多くのユーザーを抱えており、オンライン決済、送金、出金、伝票支払いなどができる。WeChat Payのベトナム版といってもいい存在。

RabbitLINE Pay
RabbitLINE Payは、タイ国内第2位のモバイルウォレット。メッセージアプリLINEと交通系カードRabbitの提携を活用し、浸透を図っている。

これに加えて、電子財布のプロバイダーとして直接デジタル決済分野に乗り込んできたネット企業もある。他のフィンテックの細かな分野に比べ、ペイメント企業は、ユニコーンとして登場する可能性が高い。これらの電子財布プレーヤーは、もはや単一のエコシステムに固執することなく、電子商取引、旅行、生活費用の決済、分割払いなど、さまざまな場面に直接関与している。

OVO
インドネシアのLippoグループに属するOVOは、2020年Hurunの「世界最年少」ユニコーンリストに掲載されており、インドネシアではナンバーワンの電子財布だ。インドネシアでは、OVOはオンライン配車アプリGrabで使用される主要な電子財布の一つであり、Tokopedia(現GoTo)で使用可能な唯一の電子財布だ。2020年末には、Lazadaプラットフォームとも提携し、Lazadaの消費者はOVOを使っての支払いが可能となった。

DANA
インドネシア版Alipayとも呼ばれるDANAは、インドネシアのコングロマリットEMTEKとAnt Financialの合弁会社として2018年3月に設立された。 DANAウォレットを通じて、インドネシアのユーザーは、Alipayと同様に、携帯電話料金のチャージ、請求書の支払い、公共料金の支払い、社会保障費の支払い、分割払い、その他一般的な電子財布サービスを利用することができる。

PayMaya
フィリピンの電子財布PayMayaは、地元のフィンテックユニコーンVoyager Innovationsを親会社に持つ。2021年6月までのわずか18カ月で登録者総数を3800万人まで倍増させることに成功し、フィリピンの成人人口の半分以上にまで利用者が広がったと発表している。

Momo
Momoは、ベトナムで50%超のシェアを持つナンバーワン電子財布で、公共料金の支払い、インターネット料金支払い、電話料金のチャージ、映画、飛行機、電車、バスのチケット購入、分割払いなどが可能だ。2007年に設立され、2021年にベトナムで最新のユニコーン企業となった。

Boost
Boostはマレーシアローカルの電子財布プレーヤーであり、将来的にはマレーシアで20%のシェアを獲得すると見込まれている。2017年以降、Boostはマレーシアのオンラインショップや実店舗で広く利用され、ショッピングや食事、旅行、映画鑑賞などのシーンで決済サービスを提供している。

③銀行系電子財布

東南アジアの多くの商業銀行が、自らの縄張りを守るために、独自の電子財布を導入し始めている。銀行系電子財布は、決済を含むすべての銀行サービスを統合したモバイルバンキングアプリのプラットフォームと、従来のモバイルバンキングアプリではなく独自の電子財布アプリとして運営されるものに分けられる。

例えば、シンガポールのDBS銀行は、DigibankモバイルバンキングとDBS payLah!という電子財布の2つのアプリを出している一方、タイのカシコン銀行は、モバイルバンキングのアプリK+のみを運営している。

また、銀行系の電子財布は元々の顧客に受け入れられやすいというアドバンテージがある。BCGの調査によると、東南アジアの電子財布は現在、すでに伝統的な銀行サービスを利用している顧客が主に利用している。インドネシアでは、電子財布を利用している人の57%がすでに銀行口座を持っており、ベトナムでとマレーシアでは、その割合はそれぞれ42%、31%となっている。

DBS PayLah!
DBS銀行がシンガポールで運営するモバイルウォレットDBS PayLah!は、携帯の番号を使って送金やモバイル決済が可能で、現在シンガポール国内の8万カ所以上の決済ポイントで利用できる。

Pay Anyone
Pay Anyoneは、DBSのPayLah!と同様、シンガポールのOCBCが始めた電子財布で、ユーザーは給料の受け取りや送金、加盟店での支払いを行うことができる。また電子メールアドレスやFacebookのIDを使って送金することも可能となっている。

JakOne Mobile
インドネシアのDKI銀行のモバイルバンキングおよび電子財布であるJakOne Mobileは、DKI銀行に普通預金口座を持つユーザー、銀行口座を持っていないユーザーのどちらでも利用が可能だ。JakOne Mobileは月間アクティブユーザーランキングで、2020年Q1の9位からQ2には5位へと急上昇し、躍進の兆候が見られる。

DiskarTech
フィリピンのリサール商業銀行(RCBC、別名中華銀行)は、2020年7月に銀行口座を持たないフィリピン人向けのスーパーアプリDiskarTechを発表した。2カ月足らずでDiskarTechのダウンロード数は200万以上に達し、8月にはそれまで首位だったGCashを抑えてトップに立った。

K PLUS(K+)
K PLUSは、タイのカシコン銀行傘下のモバイルバンキングだ。タイにおける利用者は3,300万人で、このうち48%がK PLUSのユーザーとなっている。2020年、K+を通じて行われた取引量は145億回に達した。 現在、K PLUSはGrab、Line、Lazada、Shopee、JD Centralなど50以上の大手ブランドと提携している。

これからどうなる

東南アジアにおける電子財布のエコシステムは、上記のように細分化されていることが特徴だ。 東南アジアの将来がWeChatとAlipayの2強である中国のようになるかどうかに関しては、シンガポールの決済会社FOMO Pay(現在は香港のAMTDグループの子会社AMTD Digitalが買収)の劉渓CEOが7点5度のオンラインイベントでこのように述べた。

「東南アジアは、各電子財布に対し開放的な姿勢と慎重な姿勢の両方を兼ね備えている。東南アジアの決済プレーヤーは、一方ではWeChat PayやAlipayといった中国からの決済を受け入れたいと考えており、他方では自国の決済を守りたいと考えている。こうしてみると、各国でローカル版WeChatやAlipayが生まれるチャンスがありそうです。この大きなチャンスを前にして、あらゆるスケールのプレーヤーが決済市場に参入し、「百花繚乱」状態となっている。彼らは、素早くお金を配ったり、また他の手段を使い、ローカル版のWeChatやAlipayになろうとするでしょう。劉渓氏は、近い将来、東南アジアの各市場には電子財布大手が2〜3出現することになると考える。

東南アジアにおけるデジタル決済のその他のプレーヤー

電子財布がデジタル決済の利用シーンをより広範囲にカバーすることは疑いようがない。一方、東南アジアのデジタル決済エコシステムには、さらに細分化されたシーンに対応したソリューションを提供し、電子財布機能をより細やかにサポートするとともに、送金、BNPL、ペイメントゲートウェイなど、デジタル決済インフラのエコシステムをさらに充実させたその他のプレーヤーも多く存在する。

ペイメントゲートウェイ

ペイメントゲートウェイとは、顧客と販売店の間で取引情報を転送するための決済処理技術だ。ペイメントゲートウェイは、お金の流れに直接関与するものではなく、通常、加盟店のウェブサイトやPOSシステムに接続するウェブサーバーのことを指す。ペイメントゲートウェイは、多くの場合、複数の加盟店契約会社を接続し、1つのシステムで複数の決済手段をサポートすることができる。

東南アジアでは、多くのペイメントゲートウェイが加盟店や顧客に同じサービスを提供している。各ペイメントゲートウェイは、オンラインバンキング、カード処理、さらにはオフライン決済などのサービスを提供するという点では、似ているかもしれない。だが、各国のペイメントゲートウェイプレーヤーが提供するサービスには、市場に応じて微妙な違いがある。東南アジアの代表的なペイメントゲートウェイプレーヤーは、Xendit、DOKU、MOLPay、iPay88、2C2Pなどだ。この中で、2015年に設立されたインドネシアのペイメントゲートウェイXenditがユニコーン企業となった。 Xenditのツールを使えば、企業は仮想口座、クレジットカード、デビットカード、電子財布、小売店、オンライン分割払いなどからの支払いを受け入れることができる。

クロスボーダー決済

東南アジアの多くの電子財布が送金機能を持ち、東南アジアの多くの政府間で国境を越えた送金のための決済ネットワークが構築されているが、国境を越えた決済や越境送金の分野ではまだ改善の余地があり、起業家にとっては成長のチャンスとなっている。例えば、東南アジアで働く外国人労働者の越境送金の需要は巨大で、東南アジアで輸出入貿易に携わる企業は、より便利な越境送金・両替ツールを必要としている。国境を越えた決済に注力する新興企業にはTransfez、Wallex、TranSwap、Thunes、Niumなどがある。

だが、Wallex社の共同創業者兼COOであるHiro Kigo氏は、東南アジアでクロスボーダー決済を行うのは容易ではないと指摘する。国境を越えた決済が抱える共通の難点は、為替差損と手数料の高さだ。東南アジアの市場そのものに話を戻すと、この地域では市場の細分化が国境を越えた決済をより困難なものにしている。Hiro Kigo氏は、東南アジアとヨーロッパはともに複数国からなる市場だが、ヨーロッパではユーロが主要通貨となっている一方、東南アジアには統一通貨がなく、東南アジア諸国の中には、ある別の国の通貨を銀行で扱っていないこともあると強調する。

これに加えて、TransfezのEdo Windratno共同設立者兼CEOは、クロスボーダー決済は規制が厳しい業界であり、主要な市場でライセンスを得ることが非常に重要であると指摘する。「インドネシアの送金ライセンスは、申請企業の外国人所有に制限があり、企業の運営方法を規制当局に示す必要があります。 規制当局が徹底的な検査を行う必要があるため、ライセンス許可を得るには通常数年かかります」

BNPL

BNPLはBuy Now Pay Laterの略で、先に買って後で支払うということだ。簡単に言うと、BNPLはクレジットカードの分割払いに似ているが違いもある。BNPLで購入した場合、本体の価格以外だけで、分割手数料がかからないという点だ。

BNPLが「花唄」(注:Ant Financialが提供するクレジットサービス)
やクレジットカードと最も異なる点は、利用者に金利を課さず、ビジネスサイドである加盟店に手数料を課し、消費者には遅延が生じた際の滞納費を課すことで実現している点である。実際、東南アジアの電子財布の多くは、請求書の分割払いにも対応している。個人消費者や商店のBNPLに対する需要が高まる中、hoolah(現在はシンガポールのキャッシュバック・プラットフォームShopbackが買収)、Pace、Atome、BillEase、Fundiin、OxiFiなど、BNPLサービスを専門とするプレーヤーもデジタル決済市場への足掛かりを得ている。

東南アジアでは、ギグエコノミーの流行に伴い、ギグエコノミー従事者で給料が不安定な人が多く、東南アジアの人々の特徴として「月給制」があるので、給料を月の途中で使い切ってしまうことが多く、また「将来のお金」を使わなければならないこともある。こうした現状が、BNPLのサービスが多くの人に支持されている背景としてある。2020年10月にFinderが実施した消費者調査によると、シンガポールでは、約110万人(シンガポール総人口の38%)がBNPLサービスを利用しているとのことだ。個人消費者の利便性だけでなく、企業もBNPLのサービス提供の恩恵に預かっている。シンガポールのBNPL企業hoolah(現在はシンガポールのキャッシュバックプラットフォームShopbackが買収)の共同創業者であるStuart Thornton氏は、「75%のユーザーは、商品をショッピングカートに入れた後すぐには支払いをしないのです。注文が完了しないため、加盟店にとっても損失なのです」と指摘する。そのため、プラットフォームや販売店にとっては、決済手段を追加することで、潜在的な顧客獲得チャネルや注文の実現率を高めることもできるのだ。

東南アジアにおけるデジタル決済の課題と展望

東南アジアのデジタル決済の未来は明るいように見えるが、まだ課題も残っている。

BCGは、各国の規制の違いも、東南アジアにおけるデジタル決済の状況が非常に分散的である一因だと指摘している。例えば、東南アジアのほとんどの国では、外資保有の会社による決済ライセンスに厳しい規制はありませんが、インドネシアではそれがある。2020年末にインドネシア中央銀行が決済システムに関する規則第22/23/PBI/2020号を発表し、既存のライセンス取得済みの決済プレイヤーをPJPとPIPに分類し、外資の直接投資に制限を設けることとなった。この規則は2021年7月1日に発効した。ここでいうPJPとは、利用者に決済取引サービスを提供する銀行やノンバンクなどの決済サービス事業者のことだ。銀行事業体でないPJP企業については、インドネシア人が株式の15%、議決権の51%を保有することが条件となっており、外国人投資家は株式の85%、議決権の49%まで保有することができる。さらに、PJP事業を行う企業は、インドネシア中央銀行からライセンスを取得する必要がある。決済分野への参入を希望するプレイヤーは、東南アジア各国の決済規制要件を理解し、最低資本金、技術、その他の適用基準を明確に把握しておくことが重要だ。

また、新型コロナの流行によって東南アジアのユーザーに対するデジタル決済市場に関する啓蒙はやや加速したものの、加盟店側の「痛点」への対応にはまだ時間と労力が必要だ。BCGの調査によると、この地域の回答者の56%が電子財布を使う際の最大の問題として「店が未導入」という点を挙げている。インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムでは、平均38%の小売業者がクレジットカード決済を、35%の小売業者がデビットカード決済に対応していると回答していますが、電子財布決済に対応しているのは平均28%にとどまっている。その理由として、東南アジアで調査した加盟店の74%が、電子財布の回収プロセスに対する理解不足、一部の決済処理に関する問題の複雑さ、手数料の高さなど、電子財布決済導入への不安を挙げている。店側は、現在の問題点が解決されれば、電子財布による決済オプションを提供することに積極的になるはずだ。

しかし、幸いなことに、さまざまなデジタル決済プレーヤーが東南アジアに参入することで、垂直方向やセグメントにおける決済ソリューションがより多く登場することになるでしょう。すでに参入しているプレイヤーも程度の差こそあれ、資本面での支援を受けており、デジタル決済のエコシステム全体が活況を呈してきた。 7点5度の集計によると、2021年の東南アジアの決済関連VCニュースは約40件ほどであり、フィンテック企業による資金調達の約3割を占めている。

中でも、フィリピンの電子財布GCashを運営する現地企業Myntは、最大の資金調達を受けました。2021年11月、Myntは新たな資金調達ラウンドで3億米ドル以上を確保し、20億米ドル超の価値を有するに至り、フィリピン初のフィンテック・ユニコーン企業となった。同様に、フィリピンの電子財布PayMayaを運営する現地企業Voyager Innovationsは、2022年4月に2億1000万米ドルの資金を確保し、評価額が14億米ドルに到達したことで、フィリピン最新のユニコーン企業となった。注目すべきは、フィリピンの決済会社のユニコーンは、いずれも中国の後ろ盾を持っていることだ。MyntはAnt Groupのサポートを受け、Voyager InnovationsはTencentから投資を受けている。

2021年に数億ドルの資金調達を受けた東南アジアの決済企業には、他にMatchMove Pay、VNLIFE、Nium、Xendit、Ascend MoneyやMoMoなどがある。興味深いのは、Nium、Xendit、Ascend Money、MoMoが東南アジアでユニコーン企業となったことだ。 一方で、東南アジアのデジタル決済市場は、プレーヤーの参入により競争が激化している。より多くのユーザーを獲得するために、資金力・実力のある決済プレーヤーは、同業他社を買収し続け、独自の生態系ネットワークを完成させつつある。

2022年4月、Ant Groupがシンガポールの決済会社2C2Pの株式の過半数を取得し、Ant Groupが筆頭株主に。 2C2Pは、Ant Groupとの提携により、2C2Pのグローバルな加盟店カバレッジをさらに拡大し、技術力と商品力を強化する予定。

  • 2022年3月、シンガポールのBNPL企業であるPaceが、シンガポールの消費者向け分割払いプラットフォームRelyを買収。この買収により、消費者のシンガポールとマレーシアの両国におけるPaceの決済ソリューションへのアクセスが拡大し、Relyを利用している加盟店は徐々にPaceの加盟店プラットフォームへ移行していく予定だ。

  • 2021年11月、シンガポールのキャッシュバック会社Shopbackは、シンガポールのBNPL会社hoolahを買収した。hoolahは、買収完了後、BNPLの提供をアジア太平洋地域に拡大。同時に、ShopBackは買い物客に会計時の支払い方法としてhoolahを提供し、ポイントサービスをさらに充実させる予定。

  • 2020年9月、東南アジアのオンライン配車会社であるGojek(現GoTo)は、Gojekがベトナムで電子財布事業を開始するために必要なライセンスの取得をサポートするため、ベトナムの決済会社WePayの株式の過半数を取得。Gojekの近年の買収には、フィリピンの電子財布Coins.ph、インドネシアでmPOSを提供するフィンテック企業Moka、インドネシアの第三者決済Kartuku、Pluang、インドネシアの決済ゲートウェイMidtrans、インドネシアのデジタル決済のPonselPayなどが含まれる。

この通り、東南アジアの決済市場がかなりホットになってきた。 デジタル決済は、起業家にとっても投資家にとっても良いビジネスとなっている。フィンテック・プロジェクトへの投資に力を入れる東南アジアのベンチャーキャピタル、1982 Venturesの共同創業者であるScott Krivokopich氏は、7点5度とのインタビューで、決済は特にネットワーク効果が強い業界であると述べた。ここ数年間は、決済事業者は特に融資を受けやすく、あらゆるをキャッシュバックで市場シェアを獲得し狂ったように拡大してきた。決済市場はここ2年ほどで徐々に合理性を取り戻してきたが、コロナの影響により(今後は)業界の再編が加速する可能性がある。「電子商取引の発展に伴い、東南アジアのデジタル決済も急成長していますが、その発展パターンはまだ非常に断片的で未熟であり、決済システムの照合・清算などの分野で多くの機会がまだ残っている。 インドネシアでは、銀行での支払いに慣れている企業がまだまだ多いのですが、実はデジタル決済の方が、収支の流れが早く、効率的に運用できるため、ずっと便利なのです」

原文:「万字长文,读懂东南亚数字支付」(2022年5月23日)
https://new.qq.com/omn/20220523/20220523A0B3PY00.html



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