無題

書くことは、読むことは、自分を知る旅。

読むことは人を豊かにし、
話すことは人を機敏にし、
書くことは人を確かにする。

フランシスベーコン(イギリスの哲学者)


この本はよくある文章術の本ではない。
書くこととはどういうことか、どういう気持ちで書くのか、というその動機の方について主に書かれてある。
とはいえ、著者はさすが元電通コピーライター。
広告コピーについての話はわかりやすく、物書きだけではなく、コピーを考える仕事もでき始めている私には大変勉強になった。


また、物書きは調べるが9割9分9厘5分6毛 の章は深く同意。
私も書く時は調べものが9割で、書きたい事の裏付けや背景を書く時、
どうしてもソースのはっきりしたものや一次資料が必要になることがある。
例えば人口増加の話がしたければ厚生労働省や政府統計、外来生物の種類なら環境省のレッドデータブックなど、ネットの情報を調べまくって出てくればいいが、ない時は自分が持っている本をめくるし、それでも分からない時は近所の図書館に行って調べる。素人がそこまでする?と思うかもしれないが、発信する以上ウソは書けない。
調べきれない時はその本はボツか、書き方のアプローチを変えるかしている。
そして調べたこと全てを書くのではなく、それを踏まえて自分の書きたい事を書く。
著者は、

調べた9割を棄て、残った1割の中の更に1割で書き手の思いを述べよ。

と表している。

他にも編集の基本的考え方、書くという行為はどういうことなのかなど、自分の持っている思いとの対比や確認をしたり発見があったりで、改めて物を書くという行為の楽しさを実感した。

言葉は、発した瞬間から自分の世界から離れ、受け取る相手の世界の言葉に変わるもの。
自分の思いを100%のままで伝えることはほぼ不可能だ。
同じ本を読んでも感じ方はみな違うでしょう?

だけど、だから、どうやって伝えようかと悩む、考える。
私は、どんなに日本語が破綻していても文法が間違っていても、心が入っている文章は感動を連れてくると思っている。

私にとって書くことは、自分自身を見つめ直したり、発見したりする大事なこと。
でも、書かなきゃわからなかった。
物書きはもちろんだけど、それを仕事にしなくとも、今やWEBサイト、Instagram、LINE、Twitterなど、文章によるコミュニケーションが溢れ返っている。
そこに込める思いは、対面コミュニケーションのそれと差も違いもないはずだ。

佳い言葉、佳い文章の使い手でありたい。
良い読書ができました。あとは、実践あるのみ。
ここを読んでくださっているみなさんも、いっちょ書いてみませんか?

書くことは、文字と一緒に自分を知る旅


ということで、読書会とライティング講座を立ち上げました。私を入れて15名、先月から一緒に旅を始めました。楽しく頑張りたいなと思います。

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