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3つの『共感』がこれからの武器になる訳

人がある方向に向かって行動する要素はなんだろう。「原動力」とも言えるものはなんだろう。

夢があるから。目標があるから。お金を稼ぎたいから。欲しいを手に入れたいから。人に認めてもらいたいから。自分を成長させたいから。誰かのためになりたいから...。うーん、、どれもあまりしっくりこない。

いずれも「結果」に過ぎないものである。夢、目標、お金、成長など、これらすべては行動の結果として手に入れることができる、感じることができるもの。もっと結果に向かって人を動かすものがある。

僕はその要素の一つに「共感」があると思っている。しかも、その共感がこれからの時代により重要性が増し、「武器」になる。「共感という武器」を持てるかが行動の先にある結果に大きく影響する時代になる。だから、共感するものが何かと共感するために必要なことをまず知ることから始めてみよう。

※主に「仕事」・「働く」シーンを想定して整理しました。

仕事するにおいて必要な共感

まず結論から。
仕事する、働くにおいて必要な共感は、以下の3つ。

①会社のミッションビジョンバリュー(MVV)への共感
②サービス自体への共感
③働く人やサービス利用ユーザーへの共感

会社が目指しているものや提供しようとしている価値、その価値を具体的に実現するサービスの価値、その価値提供や実現のために行動する社員、さらにその価値を享受しているユーザー。「目的」「手段」「人」の3つ、またそれらの「理由」「価値」「心理」の3つに共感できるかということである。

共感できるかは、「共感力」とも言い換えることができるが、これは身につけることができる力だと僕は思っているので、その方法も少し触れていく。

なぜ共感が必要なのか

では、その3つの共感を3つの理由から紐解いていく。

①共感があると「行動」できる
②共感があると「強み」が発揮できる
③共感があると「継続」できる

①共感があると「行動」できる
言葉だけみると当たり前のことである。
少し見方をかえると、共感と行動の関係は「言い訳」と言い換えることができる。以下の質問に対して、あなたはどう答えるか、考えてみてほしい。

①「なぜ仕事をしているのですか?」
②「なぜ“そこで”仕事しているのですか?」

この2つの質問は大きな違いがある。
①は結果(夢、目標、お金、成長など)であり、抽象的で自分都合に答えることができるが、②は“そこで”という場所や環境などの条件がつくため、明確に自分と会社・サービス・人を結びついていなければならない。②は言い訳ができないのだ。言い訳ができないということは自分の「責任」になる。でも、この責任は行動を促してくれる武器になるということを認識しておこう。

人は面倒なことが嫌いで、そこを避けるために言い訳を探す生き物だ。しかし、自分という人間の本音や気持ちといった本質的な部分と向き合うことができる責任ある人は、相手の気持ちも考えることができる人である、と僕は思う。

②共感があると「強み」が発揮できる
人にはそれぞれ強み、特性がある。
この強みはスキルやノウハウといった学習や経験などから得たものだけでなく、その人本来の性格や人間性も含まれる。そして、強みというものは行動することではじめて発揮される。何か対象となるものや人と接することで見えてくるものであると認識しておこう。

共感があると行動に至り、行動することで強みが発揮できるのだ。強みが発揮できるから行動に至ることはない。この因果関係は明確にしておこう。そして、話は元に戻るが、自身の強みを知る、自覚するためには自分と向き合うことや相手の反応やフィードバックが必要で、それは共感するために必要なプロセスである。

③共感があると「継続」できる
結果とはなんだろう。
僕は「行動の先にやり続けたもの」であると思う。結果は継続することでしかみる、感じることはできない。ちなみに、行動や強みは結果ではなく、結果に至るまでのプロセスや手段であることを認識しておこう。

共感があると行動に至り、行動することで強みが発揮され、それを継続することで結果に至るのだ。その源は共感であり、共感があることで、夢や目標、成長といった結果までつながるのだ。僕が書いていることは世間でもよく使われているこの言葉と同義である。

「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。」

※この言葉は、心理学者「ウィリアム・ジェイムズ」の言葉で、元プロ野球選手・メジャーリーガーである松井秀喜さんの座右の銘でもあると言われている。
※さらにこの言葉に続きがあり、「・・習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」....非常に深い言葉である。

共感=心が変わる、継続=習慣と言えるだろう。僕の場合は、その行動と習慣の間に「強み」を入れている。経験や人間性といった、自分にしかないこと、自分が好きなこと、自分が夢中になれることの行動が継続につながるし、習慣になるというイメージである。

共感をするために必要な手段

理由がクリアになれば、あとはその共感をどう見つけるか、どう共感力を身につけるかという問いになる。これは3つの手段にわけてみよう。

①物事の本質をつかむこと
②言っていることとやっていることの一貫性をみつけること
③人の内面に興味を向けること

の3つで、それぞれは連動している。
物事の本質をつかむためには、人と話すことや本を読むことなど何かと対話や向き合うことが必要。さらに、その人が言っていることは実際にやっているかをみることが必要。そして、言っていることとやっていることの一貫性をみつけるためには、その人自身の思考や性格などの内面に目を向けることが必要、といった具合。

非常に抽象的なことなのだが、抽象的だからこそ具体的にするためにあるのだ。表面的な事実や目に見えていることから、その目的、背景、理由、心理といった内側にあるものを考える力が重要になる。その「考える力こそ共感力」である。

マジックワードは「WHY?」「なぜ?」だ。
このマジックワードを常に意識して使えば、自然と目の前のことを考えるようになる。なぜこれをやるのか?なぜこうなったのか?なぜこうなっているのか?、と問い続けるようになる。その意識と思考があれば、3つの手段がより精度高くできるようになり、共感力が高まる。

①会社のミッションビジョンバリュー(MVV)への共感
②サービス自体への共感
③働く人やサービス利用ユーザーへの共感

冒頭に挙げた3つの共感をぜひ「WHY」を使って深掘りしてみてほしい。今の仕事で、これから転職するときに、これから起業するときに、この3つに正直に向き合い、共感ポイントをみつけてほしい。

共感をするために必要な行動

理由→手段、ときたら最後は具体的な行動をする。上記の手段も書いている内容はほぼ行動と言える。ただ、僕の中では上記は「考え方」に近い。行動するための指針的なものと捉えてもらえると、以下はより具体的な行動と理解してもらえると思う。ものすごいシンプルな3つの行動。

①情報をインプットする
②メモ(言語化)する
③思考を整理してアウトプットする

当たり前のことすぎるので、詳細説明は省く。(笑)
ただし、①②③と追うごとに行動する人の割合は少なくなる。僕の感覚では、①→80%、②→50%、③→20%、くらいの割合である。パレートの法則と言える。

思考を整理してアウトプットする人は全体の20%、5人に1人程度と書いたが、「思考を整理して」は、自分のこれまでの考え方と新しい情報を掛け算して自分なりにアウトプットするまでがポイントなので、正確には10%以下、10人に1人いるかいないか程度。ただメモした情報をアウトプットすることも良いことですが、自分なりに思考したものをアウトプットする方が質が高いのは言うまでもない。

さらに③の行動後はまた①に戻るので、この一連のプロセスを行動した回数が重要。アウトプットまでして自分の思考がアップデートされると、これまでとは違う情報や異なる分野の情報を身につける機会が増える。例えば、僕の場合はマーケティングの情報をインプット・アウトプットしている中で、心理学や人間の脳みそなどについて調べることにつながり、今はその歴史や哲学、倫理学といった学問に興味が移っている。

その繰り返しにより物事の本質がみえてくるし、いろんな考えを持った人に出会うことができる。この3つを1セットにして週、月、年などでどのくらいサイクルできているか、そのサイクルにより思考がアップデートされているか、共感力が高まっているか、を確認してみてほしい。

共感の法則

「共感」は言い換えると、「心が動く」こと。そして、心が動くには法則がある。それは「WHY→HOW→WHAT」のゴールデンサークル。僕の大好きな概念であり、思考や行動の軸となっている考え方。実は、今日の僕の話はこの法則に従って構成している。

①【WHY】「なぜ」共感が必要なのか
②【HOW】共感をするために必要な「手段」
③【WHAT】共感をするために必要な「行動」

※あまり関係ないですが、話の項目である、共感の内容・理由・手段・行動・法則すべて3つにわけてお話しています。(笑)

以下の動画と本、この記事の内容は、抽象化すると本質的には同じことだと僕は思っています。人が共感する法則は「WHY」にあるということ。そして、共感する力があることで、結果までのプロセスが明確になり、具体的にアクションできること。

▼「ゴールデンサークル」のTED動画はこちら▼

▼TEDスピーカーのサイモン・シネックの本はこちら▼

僕は、特にビジネスの場面は「結果重視」であると感じている。それが正しい正しくないという意味では一切ない。ビジネスにおいて結果は最も重要な要素であり、結果がでなければビジネスは続けられない。だから悪いとは思っていない。

しかし、結果を見すぎる、ビジネスにおいては売上や収益ばかりを見すぎるあまり、本質的な部分に目を向けることや思考すること、具体的な行動やプロセスが疎かになっているのでないかと。その思考やプロセスでの結果に表面的な数字以外に価値はあるのか?と思っている。

「決断や意思決定は合理的であれ。共感は本質的であれ。」

僕は、「言っていること」(言語)と「やっていること」(行動)に一貫性があり、熱量のある社会、ビジネス、人間関係、自身をつくっていきたいと思っている。
そのために、これから「共感」という武器をもって前に進んでいく。