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明日から「私はマーケターだ」と言える訳

●「マーケティングって何?」に何人答えられるか
自身のことを「マーケター」であると思ってる人って世の中少ない。自分は働いている人の半分、いや7割以上ってマーケターなのではないかと思う。
「マーケティング」って言葉を出すと、ほとんどの人が「・・・」ってなる。マーケティング部にいる人ですら、「販促」「プロモーション」「広告」とかをマーケティングって言ってる。間違ってはないんだけどさ。

自分は、何かしら商品やサービスをつくるとか売る、もしくはそれをお客様に使ってもらうってすべて「マーケティング」だと思う。ってことは、商品開発している人も、営業も、販売促進も制作も全てマーケティングに何かしらのカタチや役割で関わっているわけ。

だから、マーケティングって小学生、遅くとも高校生から必須科目にしてもいいくらいだと思っている。それくらい大事だし、社会人になって働くとはある意味マーケティング活動することと言ってもいい。
だから、ちゃんとした教育や学習をしていないほとんどのマーケターは「本質」がわかっていない。ここで言っているのは、wikipediaやマーケティング基礎本に書いてあるマーケティングとは?のことをさしていない。もっと実用的で小学生でもわかる意味で説明できることをさしている。

●「本質」を見抜けないマーケターが多い
とある、ホームセンターの話である。
部長Aさん「おい、Bくん。3週間後から梅雨予報だから傘を訴求してくれ。」
部下Bさん「はい!部長、わかりました。売場のトップエンドに傘を陳列を強化して、会員にメルマガを打って、ホームページで傘特集を立ち上げます。」



さあこれをみて何を感じただろう?
・部長の指示が曖昧?
・部下のBさんはよくこの言葉だけで3つも施策を思いついた?
・3週間後でいつから訴求するの?
・どんな陳列でどんなメルマガやホームページの内容にするんだろう?

どれも正解だ。そう思うのが普通だ。しかし、そこに至るにもっとも大事なことを忘れている。

それは、「理由」と「ストーリー」だ。

なぜ梅雨=傘訴求なのだ?
確かに雨が降った時に使う道具といえば傘だ。しかし、雨の時に使う道具は傘だけなのだろうか?レインウェア、レインブーツだってある。ましてや傘は傘でも折りたたみ傘もある。
もう少し話を膨らまそう。雨の時はなかなか外に洗濯ができない。つまり部屋干しになるわけだ。そうしたら、部屋干しできる物干し竿やスタンドも必要だ。
また、部屋干しをしたら部屋が湿気やニオイで気になる。除湿空気清浄機も該当するわけだ。
※一応、一般的なホームセンターで売っているだろうものをピックしている。

ある程度お分かりの方もいると思う。上記は一つの理由とストーリーになっていることを。
梅雨だからただ傘を訴求するホームセンター。
梅雨だから、外に出かける時は傘が必要。荷物が気になる、コンパクト重視の方には折りたたみ傘を。梅雨時期は洗濯物がなかなか干せない。家の中で干せるアイテムの準備は大丈夫?湿気も増える季節。除湿機や空気清浄機を使って、梅雨時期も家の中を快適にしましょう。と訴求するホームセンター。
どちらのホームセンターに行きたいと思うだろうか。

そして、この理由とストーリーがあるかないかはある視点を持てるかにかかっている。これがマーケターの本質だ。

「お客様視点」もしくは「自分ごと化」である。

●当たり前ができないことに気づく
上記の部長と部下は「売る」という「企業視点」でしか物事を見ていない。買うお客様のことを何も考えていない。もしくは自分がお客様だったら・・と言う発想がないのだ。
梅雨時期にお客様もしくは自分だったら何が必要だろう。これをするんだったらこれが必要だ。これがないと雨の時困るな。

「そんなこと当たり前のことじゃん」とほとんどの人が言うけど、申し訳ないが部長の指示通り傘を訴求するだけの人の方が圧倒的に多いから。挙げ句の果てに「だって部長の指示ですもん」って皆口を揃えて言うのがオチだ。

そんなことにならないように、マーケターである、もっと広く言うと商品をつくる・売る・伝えるすべてのビジネスマンは明日から、常にこの

■「理由」と「ストーリー」
■「お客様視点」「自分ごと化」

を意識してほしい。
最初は癖づけが必要かもしれないけど、数ヶ月したら劇的に変わる。
大丈夫だ。上記みたいな指示をだす上司がいたとしてもその視点を持っていれば、部長にもっと深い提案や質問ができる。その時に全く理解してくれない部長ならそんな会社辞めてしまえ。笑
それはちょっと気が早すぎるから、少しずつ周りにもその考え方を伝えてみるといい。

曖昧な指示を出してしまっていると思った上司の方は、全て答えを言うような指示を出さなくてもいい。部下がもう少し考えて動けるようなヒントや具体的なイメージを指示してあげよう。お互いが同じ視点を持っていればそんなにずれは起きない。または定期的な報告日を設定してあげよう。そしたら部下は報告・相談に来てくれるはずだ。

●理由とストーリーに人は心を動かす
つまり、マーケティングはお客様に理由とストーリーをつくって売る・伝えることなのだ。
お客様心理で言うと、「これ私のことを言っている」「私に語りかけてる」って思わせることだ。それはお客様の心を掴む。

「梅雨は傘が必須アイテムですが、自転車に乗る方は乗りながらの傘差しは違反なのでレインコートがおすすめ」
「梅雨の洗濯物の部屋干しは部屋がじめじめしますね。除湿アイテム揃ってますか?」

みたいな語りかけが必要ですよね。普段自転車を乗っている人はレインコートの必要性に気づくわけだし、部屋干しで悩んでいる方は除湿アイテムを探しますよね。

今回は考え方やスタンスの部分の話。じゃあ具体的に上記のような販促をどんな風にすればいいの?という疑問が出ると思うので、コンテンツの作り方や届け方、メディアの活用方法はまた次回以降に。

明日から胸を張って、「私はマーケターだ」と言おう。
世の中で働くとはマーケティング活動そのもの、その活動をしている人のことを「マーケター」と呼ぶのだから。

※サムネイル画像:studiographicさんによるイラストACからのイラストより