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多様でひらかれた場をつくる|未来のジャム VOL.2|開催レポート

1月19日(木)、未来のジャム VOL.2を開催しました。

今回のテーマは、「拠点。多様でひらかれた場をつくる」。

2022年にオープンした、高齢・障害の福祉サービスを軸に、寺子屋やランドリーなども備える地域共生文化拠点「春日台センターセンター」で注目を集める社会福祉法人愛川舜寿会常務理事・馬場拓也さんをお迎えしました。

馬場さんのプレゼンの様子

人口4万人ほどの神奈川県愛川町で特別養護老人ホーム「ミノワホーム」を営んできた愛川舜寿会。そこから車で20分ほどの相模原市の障害者施設で2016年7月、19人が元施設職員に殺害される悲劇が起きました。

「この事件はうちで起きていたかもしれない」。社会を震撼させたこの出来事は高齢者の命を預かる馬場さんにも衝撃を与え、福祉と地域との関係を見直しを決断させます。

壁を壊す

世の中が防犯を強化する方向になびくなか、ミノワホームと道路の間にあった約80メートルの壁を馬場さんたちは取り払いました。守るために壁をつくることが、実は地域・社会との分断を生み、命を傷つけるというねじれを引き起こしているのではないか?馬場さんは以降一貫して、「壁をなくす」こと、「福祉をひらく」ことに取り組んでこられました。

その挑戦がひとつの形に結実したのが、ゆるやかな中間領域を設け、多様な人たちの関わりを生む地域共生文化拠点「春日台センターセンター」でもあります。

春日台センターセンターを紹介する記事

社会には、物理的な壁、見えない壁、さまざまな壁があります。それらをいかに越えていくのか。いかに差異を認め合い、誰もが参加しかかわることができる場をつくるのか。そういった問いをもちながら、高島の未来にもこれから向き合っていければと思います。

イベントを終えて翌日、馬場さんがご自身のFacebookに「未来のジャム」のふりかえりを投稿してくださいました。その内容をシェアさせていただきます。

春日台センターセンターやあいかわ暮らすラボの活動の話を滋賀県高島市で。

振り返ると今に至るまでに僕らもだいぶジタバタしたし、苦しかったし、どうなるかも分からなかったけど、急がずに、しかし止まらずにやってきた。なんやかんやでそのうち助けてくれる誰かが現れ、一緒にやりたいという誰かが現れ、僕には当時見えていなかった地域の課題を誰かが教えてくれて、知れば知るほど、その誰かの課題意識が鮮明に見えてきて、それらを重ねるように事業を構築していった。

そして立ち上がった時には、仲間が沢山できていた。最終的には思いを共有しマネジメントを担う人や、新たに介護の仕事にチャレンジする人や、寺子屋で不登校の子たちに居場所をつくるする人や、洗濯文化研究所の仕事が楽しいという女の子や、コロッケを揚げるのが楽しいという人や、特別支援学校に通いながら凸凹文化教室にが通い、この春日台コロッケで働くことが決まっている男の子や、他にも子育て真っ只中のママたちをはじめ沢山の人びとが、絡み合ってこのまちの拠点に集まっている。人と人のコミュニケーションを誘発する建築も、認知症や障害への幼い頃からの接続点も、支えてくれる自治会のおじさんたちの心も、全ては小さな集いと語り合いの時間から徐々に始まっていたもの。

人は自分の力だけではどうにもならないと感じたときにネットワークを構築していくもの。強さではなく、弱さを重ね合わせてそれぞれが少しずつ視座を獲得していくことが、小さなまちだからこそ出来るケアを起点としたコミュニティの再構築につながり、地域、社会をやさしくすることにつながるのだと思い、いまだにジタバタやってるのが愛川舜寿会です。高島市の皆さんは役者揃いで、琵琶湖への愛というご当地意識が素敵だった。コミュニティはひらくことで、煩わしさとありがたさのハイブリッドで前進します。どうか目標に向かって、緩やかでも止めずに、コツコツやってもらいたい。

みんなで対話するジャムセッションの様子

高島の未来づくりをゆるやかに。未来のジャムはまだまだここから!

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VOL.3のテーマは、「協働。自由で寛容でやさしいまちづくり」。

一級建築士事務所STUDIO MONAKA 共同代表の岡山 泰士(おかやま ひろし)さん
浜松市役所都市整備部緑政課の鈴木 孝幸(すずき たかゆき)さんのおふたりをお迎えします。

次回は、2月9日(木) 19時スタート。
既に40名を超える方にお申し込みいただいています!みなさんと、未知なる時間をともにできるのを楽しみにしています!

※ お申し込みは、【 Google フォーム の記入 】か【 0740-25-5730 へのお電話 】のいずれかでお願いします。

集合写真!

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