見出し画像

鉄ミネラル農法実践記ー新谷太一さん③

お客さんが元気なのが励み

今、自分の販売品目としては、野菜と麹、ワインの小売りをしているのですが、100軒の皆さんが継続してくれるからこそ1年間生計が立てられますし、いいたい肥の材料を仕入れることができます。13年続けてきて、今がちょうどいい状態なのです。80品目以上に増やそうと思うと何かの栽培がおろそかになって結局うまくいかないし、これ以上土地が増えると、サポートしてくれる存在が必要なので、人件費がかかり、逆に損する可能性があります。1週間かけて配達して、合計100軒というのも、自分の手に負える範囲です。
宅配の9割のお客さんが、毎週配達です。だからこそ、胡瓜、ナス、小松菜など、普段使いで必要な野菜を除いて、同じ野菜を2週以上連続では入れないと決めています。ミネラルたっぷりの野菜をたくさんお届けしているせいか、お客さんたちも皆さん元気です。自分が皆さんの元気に関われているという実感を得ることができるのも対面販売の良さです。
また、対面販売だからこそのきめ細かいフォローも可能です。例えば、夏が旬の茄子は最もおいしい時期が実は1週間くらいしかないんですよ。私のやり方だと、八百屋だったり卸しだったりすると、旬の時期に届けられない場合があります。そうすると、第三者の顔を合わせないお客さんに旬が終わってしまって硬くなった茄子が届いて不満が出てしまう、という可能性が出てくるんです。でも、対面だったら、硬くなった茄子を美味しく調理できる方法を伝えられます。対面のおかげでクレームではなく特徴のある茄子、になるんです。
それに、農業に関わっていないと、野菜の旬や特徴などの現実をなかなか見ることができないと思うんです。栽培には、いい時もあるし悪い時がある自然の産物であることが伝わるといいなと考えています。
ただ、ご家族状況によっては、野菜が残ってしまい、罪悪感を持つ方もいらっしゃるので、対策を考えています。ひとつの案としては、残った野菜を回収して、たい肥の材料にして畑に循環する方法です。とにかく、お客さんと作り手、野菜と自然が循環できるようにということを考えています。


棚田の環境を守るのが大きな仕事

無農薬栽培をしていると、周囲の方にあまりいい目で見られないという話を聞きますが、私の所はそういうことはありません。無農薬栽培をしているか、というよりも、預かっている棚田の田畑の環境を守るために管理をしていれば、農法はある程度許容されています。その代わり、周りの様子を見て地域の農家さんと作業の時期を合わせるようにはしています。除草をするときには、除草を、水路をきれいにするときには同じ作業をするように、地域になじむという努力は必要だと考えます。
また、農業に携わっていると、昔から伝わってきたことというのがやはり真実なんだなと実感できます。農業暦や二十四節季は今でも正確だなと思いますし、鍬は身体が楽になるような角度にできているんだな、とわかります。特に稲作は時計のような役割をしてくれるので面白いです。稲の成長段階で、ここまで育ったから、畑でこの作業をしないといけない、といった具合に時期を見る指標になるのです。農家さんは、今でも二十四節気や雑節などに基づいた農事暦を使っている方が多いですが、それが役に立つからだと思います。暦、鋤などの農機具の形などに昔の農家さんの知恵を感じることが多いです。自分は、年に一度は、機械ではなくて農機具を使って、試行錯誤しながら鋤の形に合わせて体を動かすことで、無理・無駄のない身体の使い方を再確認しています。近代農業以前の農は無駄のない仕組みがあり、それを美しいと感じています。

鉄ミネラル農法実践記ー新谷太一さん①はコチラ
鉄ミネラル農法実践記ー新谷太一さん②は
コチラ

(終わり)
(監修 鉄ミネラル代表講師 野中鉄也)

鉄ミネラル農家 新谷太一(ウエンダアラヤファーム):
2010年に農業を本格的に開始。京都大原の地で、森の恵みと循環を感じながら、100種類近くの野菜と米、冬間は麹をつくる。主な出荷先は近隣の百軒余りの個人宅。食べる人の顔を見ながら野菜を届け、週末には畑のフィールドワークをしている。
新谷太一さんのコラム:「ぼくの野菜には海が見える」はコチラ

2024.8.1現在の情報です

書き手:掛飛まどか
2020年11月より鉄ミネラルアドバイザー、2022年11月鉄ミネラルシニアアドバイザー取得。健康オタクだったはずなのにすっきりと元気になれない自分に劣等感をもっていたが、鉄ミネラル生活に出会って、学べば学ぶほど、自分がどうして不調だったのか、幼少期の不調が腑に落ちて、鉄ミネラル生活の奥深さ、面白さにどっぷりとハマっている。また、先人の食生活の叡智に深い畏敬の念を抱いている。鉄ミネラルのお話会を1年半で200人に伝えているが、鉄ミネラル生活が、家庭科の教科書に載って、日本人の常識になるくらいまで広めたいと画策中。

鉄ミネラルアドバイザーとは:
鉄ミネラル生活を沢山の人に知ってもらうためにお話会を開催しています。発案者の野中センセの下で学び、情報交換しています。医療関係者や栄養学を学んでいる人、スポーツのサポートを得意とする人、美容関係、飲食関係、鉄を扱う仕事に携わる人など、実に多方面の専門家が集まっており、鉄が身体に及ぼす影響が広範囲に渡り関心を持たれていることがわかります。

このnoteでは、私達鉄ミネラルアドバイザーが、普段、どのように鉄ミネラル生活をしているのか、鉄ミネラル生活をする前としている今では何が変わったのかをお伝えしていきます。各アドバイザーの体験談やプロフィールを参考にどのアドバイザーからお話会を聞いてみるか選ぶ参考にしてください。

鉄ミネラル生活と、私達鉄ミネラルアドバイザーに少しでも興味を持っていただけるきっかけになったら幸いです。
とりあえず、お話会を聞いてみたい! という方は、鉄ミネラルアドバイザーの上級資格、シニアアドバイザーのお話会をご案内します。

お申込みはコチラ

一般社団法人鉄ミネラルについて:
農業や人々の生活に鉄ミネラル技術を伝えていくことで、健康改善、自然の再生、環境保全をはかり、市民生活の質の向上や自然環境の向上に貢献したいという想いで活動する社団法人です。

公式サイトはコチラ
だし&栄養スープなど鉄ミネラル生活をサポートするサイトはコチラ

鉄ミネラルアドバイザーになりませんか?
鉄ミネラル生活を理解し、学び、その方法や背景などをお話会で伝えることができます。鉄ミネラルアドバイザー養成講座を受講することで、その資格を取得することができます(1年更新)。鉄ミネラルアドバイザーとして一緒に活動してみませんか?

詳細・お申込みはコチラ

鉄ミネラル農法を学んでみませんか?
特許取得、鉄ミネラル農法を学んで、付加価値のある農業、栄養のある家庭菜園づくりに生かしてみませんか?
鉄ミネラル農業講座は、実践編、理論編があります。農業利用には、理論編までの受講が必須となりますが、鉄ミネラル農法創始者で、一般社団法人鉄ミネラル代表講師の野中が皆様のお悩み、疑問などにお答えしながら講座を進めていきます。

詳細、お申し込みはコチラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?