今から地方銀行へ就職はどうなのか！？元地方銀行員が経験談をもとに考察します

元地方銀行員です。若手のうちに退職してしまっているため、情報量は少ないですが現場で働いていた肌感覚をもとに説明したいと思います。
特に２１卒で銀行に入行する方、２２卒で銀行を目指している方に少しでも銀行で働くイメージを持っていただけたらと思います。

地方銀行の現状

近年、地方銀行はオワコンと言われることが多いです。これはこの記事を読んでいる時点である程度把握している方が多いと感じます。

では、実際どうなのかと言いますと、本当に厳しいです。

役員レベルの人が「今までやばい時は何回もあった。それよりも今が一番大変だと思う」と言っていたので、これ自体は認識しておくべき事実だと思います。

とは言いつつも、収益を上げるための努力はしています。

まず、投資信託や生命保険などの販売手数料にて利益確保しています。

そして近年、M&A、不動産、建設、人材などの業界とビジネスマッチングをし、その成功報酬として手数料をいただくという営業が主流となってきています。

このように利益改善のために銀行も変わろうとしている部分は多くあります。

加えて、これはメガバンクが積極推進していますが、店舗の統廃合により業務効率化を図っています。不採算な店舗は減らしていくということです。

地方銀行にもこの流れは来ているので今後店舗は確実に減ります。

しかし、地方銀行は地域密着が売りなところもあるので、極端に減らし過ぎることもないかなと考えられます

今の地方銀行は手数料を稼ぐ術を増やし、経費を削減するという策に出ているわけです。

では、融資はしないのかと言うと、もちろんこれはこれでしっかりやらないといけません。

一般的に銀行は預金量、融資量にて判断される部分があるのでこちらも数字を落とさないように営業します。

業界として非常に厳しいため、今後も利益確保のために業務量がどんどん増えていくことでしょう。

実際、私が入行したときよりも、どんどんやることは増えています。そして退職者も増加しているため、一人当たりに割り当てられる業務も増えていきます。
疲弊している人が多いかなという印象です。

さらに、稼ぎ頭で経験のある30代が転職しているケースが多いです。
今後若手にしわ寄せがくる可能性も大きいかと思います。

私の見解ではありますが、これが地方銀行の実態です。

稼ぐことに執着するが、大きな変化は好まない

今の銀行はとにかく手数料を稼ぐことに執着している印象です。その稼ぐ機能はどんどん追加され、あれもこれもやらないといけない状況です。
かといって大きな変化は好みません。

例えば収益と関係あるのかよく分からない目標であったり、昔から続いているような悪しき風習みたいなものはなかなかなくなりません。
銀行退職者のコメントに「企業体質が古い」と書かれていることが多くあります。

これは本当にその通りで前例に沿うことを好みます。
また、きっちりとしたトップダウンのため若手と意見は通りません。
それでも昔よりは緩くなっているとのことですが、、、

銀行が今後変化を起こしていくとすれば、とにかく人件費を含めた経費を削減し、手数料を稼ぐ機能を増やしていくということに限ると思います。

地方銀行を目指す学生に向けて

銀行に就職しようかと考えている学生の方がいましたら、少し考えてみてください。
なぜ銀行に入りたいのですか？
地元で働きたいからというのであれば、地元の優良企業は他にもきっとあるはずです。
給与が他の会社よりも多少いいかもしれませんが、仕事に見合っているかは別です。

これ私の体験談ですが、私が入行してすぐに一時金（賞与）がガクッと落ちました。
理由は収益が上げられず、人件費の削減をしないといけないからです。
当然、現場で働いてる人たちは不満だらけでした。
あんなに働いてるのにこの仕打ちかよ、、、そう思った人も多かったはずです。

もはや、銀行員は昔のような安定とは言えない状態になってきています。
決して伸びしろのある業界ではありません。

では、就職をしてしまった人はどうしていくべきかをお伝えします。
ずばり、スキルを身に着け、転職のタイミングを計ることだと思います。

銀行では無形商材の営業や経営者との直接商談ができるというメリットがあります。
特に自分が行った業務でお客様をどうソリューションしたかという経験をたくさん積むと良いと思います。
業界として厳しいと言ってもこうした経験を欲している会社は実は多いです。

ただ現状は多いということを忘れてはいけません。。
今後銀行員の転職が盛んになれば銀行出身の転職者が飽和してきます。
そうなりますと「銀行員」という市場価値が落ちていく可能性があります。

そして、これから銀行の就活を考えている方はこうした状況化の業界ということをきちんと認識するべきだと思います。
私はそこまで深く考えることはありませんでしたし、金融業界の実態もよく分かっていませんでした。

銀行で得られる経験はすごく貴重です。そのため全てが悪いとは思いません。
しかし、将来的にはやはり衰退していくことが懸念されるため、これから就職するのは強くオススメできません。

上の世代はなんとかなっても若い世代が出世してきたときにどうなっているかは誰も保証してくれませんので、、、