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帰国子女のトリセツ

こんにちは!ききです。

今回は、帰国子女のトリセツについて私なりに説明したいと思います。というのも、私自身が帰国子女で、幼少期からアジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの国々に合計約9年間滞在した経験があるのに加え、周りにも帰国子女が多いからです。人並み以上に帰国子女を理解しているつもりでいる私が、帰国子女のトリセツを理解していただくために、

・帰国子女とは
・帰国子女の種類
・帰国子女のトリセツ

という流れで説明していこうと思います:)



帰国子女とは

そもそも、帰国子女とはどのような人を指すのでしょうか?
Weblio辞書によると、帰国子女とは、

”海外での生活を経て、日本に帰国した学齢期の子ども。帰国児童生徒。”

であるそうです。ここで強調したいことは、
留学生は帰国子女ではない
ということです。

そもそも、帰国子女の他に留学生という言葉がある時点で、それらは異なっていることがわかります。では、なぜその差異を強調したいかというと、
帰国子女は、親の都合で海外への移住を強いられた児童生徒であるのに対し、
留学生は、自らの意思で異文化理解や言語習得を目的として短期的に海外生活をする児童生徒であるからです。
みんなが憧れる”海外生活”ばかりに焦点が向き、この強制的か、自発的かの違いが見落とされがちであるため、帰国生を語る上ではこれが大事なポイントなのかなと思います。




帰国子女の種類

”帰国子女”と言っても、何種類かに分けられるのはご存知でしょうか?
ここでは、

①英語(OR他言語)ペラペラ!!THE 帰国子女タイプ
②中途半端タイプ
③言語の習得してません、、タイプ

に分けたいと思います。①②③はそれぞれさらに細分化できるので、それらを踏まえて説明します!!

①英語(OR他言語)ペラペラ!!THE 帰国子女タイプ
これは、帰国子女に出会ったことが無い人が帰国子女に対して抱くイメージ通りの帰国子女です。アメリカ15年、ブラジル10年、フランス12年など、幼い頃から現地のコミュニティーに馴染み、現地の慣習に染まっている、言葉もペラペラな感じ。もちろん、人によっては5年ほどで英語がペラペラになり、友達がたくさんできる人もいます。これは私の偏見ですが、5、6年以上その国に住んでいたら、だいたい通う学校に馴染み、そのコミュニティーでの生活に慣れている人が多いと思っていいと思います。人によってはマルチリンガルなことも。現地校、インターナショナルスクールに通っている場合が多い。

②中途半端タイプ
文字通り、中途半端。中途半端な部分は人それぞれで、言語習得度(これがマジョリティー)だったり、現地への順応度だったり。だいたいその国にいた期間が2年〜3、4年な人が多いイメージです。性格や、言語へのモチベーション、気分が言語習得に合うものではなかった、あるいは、いじめなどがあり、馴染みにくいコミュニティーであったなど、原因は様々です。これも私の偏見ですが、このタイプの人たちは、同じ転勤族である外国人やアジア人を友達に持っていることが多いです。他方、幼少期(小学校低学年頃まで)のみ海外生活をしていて、成長してからは英語など少ししか話せない、あるいは日本の文化慣習にちゃんと染まっている”隠れ帰国”もここに当てはまるのでは無いかと思います。

私自身もこのタイプに属しています。海外経験は長いけれど、英語での学校生活は3年ほどで、しかもその頃はちょうど病んでいたためそんなに周りとの交流をしませんでした。Essayの提出や宿題は最低限こなしていたため、ReadingやWriting、Listeningはそれなりにできるけれど、複数人とのテンポの良い会話は出来ないのが私の英語レベルです。中国人や英語を一緒に基礎から習っていたハンガリー人と仲良くしていました。外国人の友達ともあまり遊ばなかったため、彼らの文化もあまり知りません。また、英語以外の現地の言葉も習得しませんでした。

③言語の習得してません、、タイプ
帰国子女でも他言語の習得をしていない人がいるのをご存知だったでしょうか?意外と多いんですよ。英語以外の言語が公用語の国で、日本人が多い地域にある日本人学校に通うケースです。アジアに住む人の多くは日本人学校に通う印象があります。例えば、タイ・バンコクにある日本人学校は一番規模が大きく、小中合わせて2000人以上の児童が通っています。日本人学校に通うと、もちろん日本にある学校と同じ教育を受けるのですから、別途で言語教室に通うなどしない限りは言語の習得は出来ませんし、現地の友達もなかなか出来ません。または、”隠れ帰国”の、本当に幼少期にしか海外に居なかった人も当てはまるでしょう。




それらを踏まえて、、いざ本題です!!!

帰国子女のトリセツ

トリセツと言えるほど長々とは書けないけれど、帰国子女と話すときに少しだけでも気をつけてほしいことを紹介したいなと思います。

(1)英語話してみて!!と言わない
先ほどのセクションで説明した通り、帰国子女には様々なバックグラウンドを持った子がいます。滞在国や通った学校の種類、滞在期間などが異なるのです。そもそも、親の都合で海外生活あるいは他言語での生活を強いられたのですから、言語を勉強するモチベがなかった帰国子女もいます。「英語話してみて!!」と言うことは、帰国子女=英語を流暢に話せるという価値観や概念を帰国子女本人に押し付けることになり、彼らの自信を失わせ、彼らを傷つけることにもつながります。そもそも、英語話してみて!!という振りは、面白いこと言ってみて!!と同じぐらいな無茶振りなので、英語が達者な人だとしても対応し難いです笑言語関係で聞きたいことがある場合、「どんな学校に通っていた?」「英語どのぐらい話せる?」と段階を踏んで質問するのがベターでしょう!!

(2)現地のことをたくさん質問してみる
これは、人によって答えられる帰国生となかなか答えられない帰国生がいます。なかなか答えられない帰国生の中には、現地のことをあまり知らないために、その質問を嫌う人もいるかもしれません。しかし、例えば日本とその国との文化の違いなどを、気づいてなかっただけで改めて聞かれると発見できることがあり、お互い色々なことを知れて楽しいと思います。「例えば、日本では〜は〜だけど、そっちの国ではどうするの?」など、具体的に質問したら、答えやすいし、意外な発見があって学ぶことも多いと思います。

(3)「〜人だあ!!」と言わない
これは特に①タイプに当てはまります。例えば、英語の方がペラペラな子が日本では「お前アメリカ人じゃん!!」と言われ、アメリカでは「Japanese」として扱わせるのです。これは、どちらの国にもアイデンティティを持つ彼らを悩ませます。そもそも、その人は唯一無二なんだし、同じ”人”なんだから、〇〇人とかわざわざ分類する必要は無いのです。私も小学生時代に、例えば、中国から帰国しただけで、「えっ、中国人なの?」と言われる、という経験がありました。人の流動性が増してる世の中、帰国子女が異端に思われない時代が来るといいですねえ、、

(4)「帰国子女はいいねえ」と言わない
特に①②に対してです。言いたくなる気持ちも分かります。幼少期から海外で生活出来るなんてなかなか無いし、言語も出来るようになる人が多い。英語の資格を持っていたら、受験がかなり有利になるし、今後のグローバル社会でもとても使える。しかし、「帰国子女はいいねえ」と言われると、その境遇ばかりを羨ましがられ、自分の努力は鑑みられていないように感じます。海外で英語の教育を受けても、出来るようになるかは自分次第。努力次第なのです。言葉が通じず、友達と離れたという辛い環境の中で、英語の勉強を頑張った人が後々の人生も有利になるだけの話です。言語を出来る人は、自分に巡ってきた環境を活かして努力した人です。苦悩や努力あってこその"帰国子女"であることを多くの人に知って欲しいなあと思います。



おわりに

いかがだったでしょうか?初めてちゃんとした記事を書いてみました。
出来るだけわかりやすく書いたつもりです。私は日本語も英語も中途半端な帰国子女ですから、日本語が間違っていて、読みにくい箇所もあったかも知れません。もし読みにくかったらごめんなさい。

このノートをまとめたことが、私の高校生活3年間の集大成だったりします。
帰国生として入学した高校ですが、そこでは私の帰国子女としてのプライドが一気に崩れ、周りへの目の向け方が変わり、大きく成長することができました。そこでの気づきの一部をこのノートにまとめさせていただきました。もっと何かあったら付け足します。


そして、最後まで読んでいただきありがとうございました!!
帰国子女への固定概念があった人は、その概念が変わったらいいなあと思うし、少しでも読者さんに意外な事実を伝えられてたら、嬉しいです!!
もし、そのようなことに該当したら、イイねを押していただけたら嬉しいです。

帰国子女=みんな英語ペラペラ=キラキラ、楽な人生
と考える人が少しでも減りますように。

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