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スペースXの打ち上げ成功が、世界にもたらすもの

アメリカ時間の5月30日午後3時20分に、フロリダ州にあるケネディ宇宙センターで、民間企業スペースXが開発を主導したNASAの宇宙飛行士2人を乗せた宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げに成功。19時間の飛行を経て、国際宇宙ステーションに到着。

このニュースが与える意味合いは大きいと見ている。

RLVでコストが削減

1つは「クルードラゴン」の打ち上げ成功を皮切りに、ロケット打ち上げコストが大幅に削減できる可能性が大きいからだ。

現在、有人飛行1人にかかるコストは90億円と言われているが、スペースXのCEOであるイーロン・マスク氏は「これを90%以上削減できる」と断言する。

その根拠はロケットの「再使用化」にある。一般的なロケットは使い捨てが一般であったため、回数を重ねるごとに基本的にコストは純増する。

しかしロケットを複数にわたり使えるようになると、開発・製造にかかるコストや資源の節約が可能になるのだ。再利用ロケットは「Reusable Lauch Vehicle(RLV)」とも言われ、今やロケット業界のメインストリームになりつつある。

人々の希望

もうひとつの理由は、このニュースが人々の「希望」になるから。

COVID-19によるパンデミック、2019年から続く香港での民主化デモ、全米各地で起こる抗議デモ、と目を覆いたくなるようなニュースが世間を騒がせる中、唯一と言ってもいいくらいポジティブなニュースなんじゃないだろうか。

2020年に入ったにも関わらず、1900年前半の世界が混沌としていた時代に戻っている感がある中で、テクノロジーの進歩が感じられたのはありがたかった。そう感じたのは地球上にたくさんいると思っている。

アメリカのもつマーケティングの力

有人宇宙飛行が「アメリカ」の手によって実現されたのも大きな意味をもつと思っている。というのも、アメリカはマーケティングが絶妙にうまいため、これを機に宇宙産業が熱を帯びる可能性が高いからだ。

今回の成功事例とハリウッドの力をうまく利用して、全世界に宇宙の素晴らしさや、それを支えるNASA、スペースX、はたまたアメリカの偉大さを大規模にPRしてくるだろう。

そーなると多大なお金が動き、この産業に資金が集中していく可能性がある。

CBS Newsによると、早速NASAは俳優のトムクルーズと、宇宙飛行士が宇宙ステーションに行くまでの映画を計画しているそうだ。その映画によってインスパイアされた子供たちがNextイーロンマスクを世に生み出すのが、彼らのゴールになる。

こういった、官・民とわず、いつも誰かをインスパイアすることを考えているところは、アメリカの好きなところではある。

まとめ

今回はスペースXの打ち上げのニュースが人に与える意味が大きいと感じたので、その理由について書いていったが、自分がこのニュースを聞いて興奮したから書いたということもある。

実は1年前にフロリダのケネディ宇宙センターを訪れたことがある。そこで宇宙センターの敷地内をバスで回るツアーに参加し(敷地は570平方メートル、東京ドームの11倍くらいの広さ)、今回のローンチパッド(発射台)を遠くからであるが肉眼で見ているのだ。

だから今回のニュースも少しだけ自分事のように思い(勝手な勘違い)、興奮したのである。あとは、宇宙兄弟が読みたくなってきたなぁ。

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