消化にも免疫にも影響デカすぎ【腸内環境シリーズ】　②ビフィズス菌編

　腸内環境を整えて、免疫力を上げるうえで、ビフィズス菌がどのような役割を果たすのか、ビフィズス菌がいかに重要か、そしてビフィズス菌をどうやって増やせばよいのか、ということを記事にしてみます。
（記事の文末に動画を貼っています）

腸内細菌におけるビフィズス菌の役割

　まず腸内細菌バランスに関して簡単に説明します。

　左側が理想的なバランスです。真ん中の日和見菌がもっとも多く全体の約７割でこの割合はほぼ固定です。
　つまり残りの３割の比率が大切になります。

　理想的な比率は２割が善玉菌、１割が悪玉菌です。この比率になると圧倒的多数の日和見菌が、善玉菌に変わりはしませんが加勢します。見方します。
　これが好ましい腸内細菌のバランスです。

　逆に、右側のように善玉菌１割、悪玉菌２割になってしまうと、７割を占める日和見菌までが悪玉菌に加勢してしまいます。
　こうなるともう手がつけられません。いずれ何らかの病気になること間違いなしです。

　ですから、２：１か１：２かということは、その比率以上に重要だということです

  そして、その善玉菌の99､9%を占めるのが、これから話すビフィズス菌です。「えっ」と思う人もいるかもしれません。
　じゃ、乳酸菌は・・・というと、残りの0､1%に過ぎません。

　だったら乳酸菌は摂らなくてもいいじゃないか、ということになりそうですが、そうではないんです。ビフィズス菌と乳酸菌の違いを見るとこうです。中でもここの棲息場所の違いです。

　ビフィズス菌は大腸、乳酸菌は小腸と仕事をする場所が違うのです。だから、絶対数にかかわらず、ビフィズス菌も乳酸菌も両方必要だということです。

ビフィズス菌の効果

　整腸作用　抗アレルギー効果　腸粘膜の修復、このあたりは乳酸菌と共通している箇所です。

　続いて、下痢や便秘の改善、大腸ガンの予防、この２つは大腸に棲息するビフィズス菌ならではの仕事です。
　また、抗炎症作用、感染症の予防、ピロリ菌の抑制（胃なのに？）といった効果も見られます。

　さらに、ビフィズス菌はいくつかのビタミンを生み出すます。
　代表的なものとして、ビタミンB6生成による肌荒れや口内炎の予防、葉酸生成による貧血予防、ビタミンK生成による血液凝固や骨量維持の働きがあります。

　昨今の状況を鑑みると、「感染症の予防」という文字に注目したくなりますが、私が重視しているのは大腸ガンの予防です。

　私は長いあいだガン患者さんに関わる仕事をしてきましたが、私の肌感覚で言っても、データでもそうですが、乳ガン、前立腺ガン、そして大腸ガンの増え方はかなり顕著だと言わざるを得ません。

　乳ガン、前立腺ガンはここでは触れませんが、大腸ガンの発症には間違いなく腸内環境の悪化が関わっているはずです。　
　実際に大腸ガン患者の腸内細菌を調べてみたところ（糞便で分かります）、ビフィズス菌が圧倒的に少なかったという研究報告があります。

ビフィズス菌の増やし方

　ビフィズス菌が豊富な自然の食品はというと・・・残念ながらありません。
なぜかというと、ビフィズス菌は嫌気性菌、つまり空気に触れることを極端に嫌う菌であるために、自然の食品には棲みつきにくいためです。

　ビフィズス菌が大腸に棲息するのもそれが理由です。消化管の最終段階にある大腸は空気からシャットアウトされています。

　それに対して乳酸菌は、ある程度空気に触れても生きていけるので、口や食道に近い胃に棲息できますし、味噌や漬物に乳酸菌が含まれるのもそれが理由です。
　味噌や漬物にビフィズス菌は絶対に含まれません。

　ヨーグルトにはビフィズス菌があると思われていますが、ヨーグルトも基本的には乳酸菌です。
　最近はいくつかのメーカーがビフィズス菌入りを謳った商品を販売していますが、それは各メーカーが開発したビフィズス菌を製造時に入れているということです。

　もちろん、そういったヨーグルトからビフィズス菌を摂ってもよいのですが、、ヨーグルトは乳製品であって牛乳を原材料にしています。
　牛乳のデメリットがあるので、悩ましい所です。牛乳のデメリットについては近々記事にする予定ですが、お急ぎの方は下の動画をご覧ください。

　 だとしたらビフィズス菌を摂る食品がなさそうですが、今あるビフィズス菌を増やす栄養素や菌が、３つあります。

ビフィズス菌を増やす方法

　まずは、よく知られているオリゴ糖です。オリゴ糖を含む食品はゴボウ、玉ねぎ、アスパラガス、大豆、バナナなどに含まれます。
　それ以外にも、オリゴ糖シロップという商品が販売されています。

　ビフィズス菌を増やす菌として納豆菌があります。
　文字通り納豆に含まれますが、大豆食品にはオリゴ糖もあります。日常的にビフィズス菌を増やす食品としては、納豆の右に出るものはないと、私は思っています。

　３つ目は酪酸菌です。ただ、酪酸菌が含まれる食品はとなってくると糠漬け（食べないですよね。ほとんどの人は）など限定されてしますので、今度は酪酸菌を増やすものがあります（ややこしい！）。

　水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維を多く含む食品には、ここでも納豆などの豆類、海藻類、芋類、根菜類、果物、玄米、ライ麦などがあります。

　ビフィズス菌を直接入れなくても、オリゴ糖、納豆菌、酪酸菌（水溶性食物繊維）を摂取することでビフィズス菌を増やすことが可能です。

 サプリメントも一つの選択肢

　記した食材を食べてビフィズス菌を増やすのが基本ですが、サプリメントも一つの選択肢です。

　私が住む沖縄では、昨夏は第５波が猛威を振るっていました（ピークには１日800人超！）。
　ここは免疫力を上げるだけ上げておこうということで、その頃からビフィズス菌のサプリメントを飲み始めました。

 選んだのは、DHCのビフィズスEXです。

　ビフィズスEXにはBB536というかなり強力なビフィズス菌が入っていますが、偶然にもビフィズス菌を売りにしている、森永ビヒダスというヨーグルトのビフィズス菌もまったく同じBB536なんです。

　そこで、含有量の比較をしてみました。
　するとビフィズスEXはこの１カプセルに200億個と表記されています。ビヒダスはというと100g当たり（だいたい１日の摂取量）20億個と書かれています。ビフィズスEXの方が10倍ということになります。

「食事が基本」というに変わりありませんが、より一層免疫を引き上げたい場合の一つの手段だと考えてください。

 まとめ

　ビフィズス菌のおもな効果としては、乳酸菌と共通する整腸作用　抗アレルギー効果　腸粘膜の修復がまず挙げられます。
　大腸に棲息するビフィズス菌ならではの仕事として、下痢や便秘の改善、大腸ガンの予防、それ以外にも、抗炎症作用、感染症の予防、ピロリ菌抑制といった効果もあります。
　さらにビフィズス菌はビタミンB6や葉酸、ビタミンKなどを生み出します。

　ビフィズス菌が豊富な自然の食品というのは基本的になくて、オリゴ糖、納豆菌、酪酸菌（水溶性食物繊維）を摂取することで、今あるビフィズス菌を増やすことが可能です。
「食事が基本」ではありますが、より一層免疫を引き上げたい場合の手段としてサプリメントという選択肢もあります。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。