EPA/DHAってよく聞くけど、何がどうスゴいのか、一から解説します
TVCMやTV通販でよく耳にするのがEPA/DHAという油。
今回は、
①EPA/DHAという油の何がそんなにスゴいのか
②EPAとDHAの違いは何か
③EPA/DHAはどの魚からたくさん摂れるのか
④EPA/DHAの効率的な摂取方法は何か
この4点を解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)
EPA/DHAは炎症を抑制する
まずEPA/DHAを合わせた効果を見てみます。
ここにあるのは全部ではありません。
まだ研究中のものを含めて、数限りない効果があることが分かっています。
この中で、あらゆる世代に関係あるのがアレルギーです。
上の表では⑥アトピーと⑦花粉症が該当します。
それ以外にも喘息、鼻炎、じんましんなどがあります。
アレルギー疾患の大きな原因の一つとして、炎症を抑えるEPA/DHAが不足していることがあります。
EPA/DHAは血栓を作らせない
次に、中高年に関する効果と胎児や乳幼児に関する効果を、EPAとDHAの違いと並行して説明します。
おもに中高年の健康に欠かせないのがEPAです。
表の①②③④が、それに該当します。
① の血液サラサラは、血液の中の血小板が凝集して血管を詰まらせる血栓(これが怖い)ができるのを防ぎます。
④の高脂血症、あらため脂質異常症が原因となって動脈硬化が起こります。
動脈硬化の進行や、血栓によって発症するのが脳血管疾患であり、心血管疾患です。
こういった致命傷ともなりかねない病気を予防するためにも、EPAの摂取が不可欠です。
EPAの疫学調査
このことは、研究結果としてもハッキリしています。
有名な研究では、九州大学医学部による、福岡県久山町の疫学調査があります。
その中で、血中のEPA濃度が高い人と低い人でどのような差が出るか、という研究調査があります。
グラフ横軸は右に行くほど、血中のEPA濃度が高いことを示しています。
見て分かるように、血中のEPA濃度が高いほど心血管系疾患による死亡率が低下するという結論が出ています。
EPAの効能は科学的に立証されているため、EPA製剤という薬にもなっています。
DHAは脳と眼の栄養
DHAはEPAと違って、単体での研究がそれほど進んでいません。
分かっているのは、DHAは脳の神経細胞や目の網膜に多く含まれる、ということです。
なかでも、胎児や乳児にとって大切なのが、⑧の脳の成長をサポートすることです。
DHAは母乳に多く含まれることから、赤ちゃんの脳や神経の成長に欠かせない油です。
妊娠中や授乳期には、積極的なDHAの摂取を薦めます。
DHAは目の網膜にも多く存在します。
これは⑤の視覚機能・動体視力の向上に働きます。
EPA/DHAの違い
どちらかと言えば、DHA は胎児、新生児、乳児に摂ってほしい油。
一方でEPAは、成人とくに中高年に摂ってほしい油です。
ただ、EPAだけ含まれる魚とか、DHAだけ含まれる魚はありません。
必ず、EPA/DHAの両方が混ざっています。
イワシはEPAが多い、マグロはDHAが多い、というのはあります。
それでも、EPA/DHAを分けて考えることは、あまり意味がありません。
EPA/DHAが多い魚は?
では、どのお魚にEPA/DHAがどのくらい含まれているのでしょうか。
ですが、その前に、EPA/DHAを合わせた必要摂取量の話です。
厚生労働省が示す日本人の食事摂取基準2020年版では、成人男性が2,0〜2,2g、成人女性が1,6〜2,0gです。
が、ここはザックリと成人は約2gだと憶えてください。
あらためて、EPA/DHAが多い魚です。
まずは、この5つの魚、サバ、サンマ、ブリ、マグロ、イワシを覚えてください。
このうちのどれかを食べるだけで、EPA/DHA 2gをクリアできます。
マグロのトロがもっともEPA/DHAを含みますが、マグロの脂身では水銀の蓄積が気になります。
やはり、バランスよくいろんな魚を食べるのがよいでしょう。
ほかの魚はどうでしょうか。
先ほどのグラフになかった魚は、マダイ、サケ、アジ、といったところ。
これらの魚も合わせて、EPA/DHAの必要量2gをぜひ摂ってください。
天然魚を食べてください
EPA/DHAが含まれるのは、基本的には天然の魚です。
それは「海の食物連鎖」が関係します。
海に生息する植物&動物プランクトンを小さな魚が食べる
⇨それを中型の魚が食べる
⇨最後にマグロやカジキなどの大きな魚がそれを食べる。
これを食物連鎖と言いますが、食物連鎖があるから天然の魚にはEPA/DHAが含まれます。
養殖の場合は、小麦などを含んだ人工的なエサが与えられるので、その魚にはEPA/DHAはほとんど含まれません。
お魚を買う時は、できる限り天然魚を選んでください。
EPA/DHAの効率的な摂取方法
お魚を煮たり焼いたりすると、EPA/DHAが約20%失われます。
揚げ物にすると約半分が失われます。
EPA/DHAを無駄なく摂るには、刺身など生で食べるか、煮物にして煮汁まで飲むのがお薦めです。
「魚を料理するのが億劫だ」
「骨を取るのが面倒くさい」
という人は、魚介類の缶詰を食べる、という奥の手もあります。
缶詰からでも、これだけのEPA/DHAが摂取できます。
とくにサバ缶、イワシ缶の含有量はスゴいですね。
意識して魚介類を食べることによって、EPA/DHAは概ね摂取できるはずです。
まずは、天然魚を食べる習慣から始めましょう!
まとめ
EPA/DHA両方を合わせた効果はご覧の通りです。
この中であらゆる世代に関係あるのが、
⑥アトピー
⑦花粉症
をはじめ、喘息、鼻炎、じんましんなどのアレルギー疾患です。
EPA/DHA別に言うと、中高年の健康に欠かせないのがEPAです。
表の①②③④がそれに該当します。
DHAは、脳の神経細胞や目の網膜に多く含まれます。
なかでも、胎児や乳児にとって大切なのが、
⑧の脳の成長をサポートするという役割です。
EPA/DHAを合わせた必要摂取量は、成人で1日約2gです。
サバ、サンマ、ブリ、マグロ、イワシ5つの魚を中心に食べると効率よくEPA/DHAを摂取できます。
サバ缶、イワシ缶など魚介類の缶詰を食べることによっても、EPA/DHAをしっかり摂取できます。
ただし、EPA/DHAが含まれるのは基本的には天然魚ですので、お魚を買う時は天然魚を中心に選んで下さい。
EPA/DHAを効率よく無駄なく摂るには、刺身など生で食べるか、煮物にして煮汁まで飲むのがお薦めです。
この記事の内容については動画もアップしています。
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