肝臓が超若返る食べ物5選
体の臓器の中でもっとも大きい肝臓は、その仕事の数も飛び抜けて多く、500を超える重要な機能を担っています。
まさに代謝の要であり、健康維持に欠かせない臓器です。
一方で、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれていて、ジワリジワリと肝機能が低下し始めても、すぐには症状が現れません。
症状が現れた時には、既に肝臓は悲鳴を上げていて、病気がかなり進行していると思って間違いありません。
だからこそ、普段から肝臓に気を配って労わることがきわめて重要です。
この記事では、
肝臓の機能をサポートして、
脂肪肝、肝硬変、肝臓ガンを予防する食べ物、
肝臓を若返らせる5つの食品群とそこに含まれる栄養素を解説します。
記事の内容は、
1,肝臓の働き
2,肝臓が若返る5つの食べ物と栄養素
3,肝臓を破壊する食事内容
記事の文末に動画貼付しています。
肝臓の働き
肝臓は500以上の仕事をしますが、もちろん覚えられません。
そこでザックリと3つに分けます。
合成/貯蔵/解毒。
これで覚えてください。
一つ目、合成するのはまずタンパク質。
タンパク質の中には酵素も含まれます。
これがきわめて重要です。
次にコレステロール。
一般にコレステロールと呼ばれるものは、
コレステロール、中性脂肪、リン脂質、タンパク質(アポタンパク)、この4つを使って合成したカプセル状の輸送体です。
HDLとLDLの違いは、その4つの比率の違いです。
もう一つ、肝臓が合成するのは、
そのコレステロールを主原料とする胆汁です。
胆汁は摂取した脂質を乳化することで、消化吸収の手助けをします。
肝臓の働き2つ目、貯蔵するのは
3大栄養素のアミノ酸、ブドウ糖、脂肪酸。
その内、ブドウ糖はグリコーゲンという形で貯蔵され、必要に応じて再びブドウ糖に分解されてエネルギー代謝に使われます。
3大栄養素以外にも、
ビタミンA、D、E、K、B 12。
ミネラルの鉄、銅などを出番(代謝)が来るまで貯蔵しておきます。
肝臓3つ目の働き、解毒するのは、
アルコール、薬剤、さまざまな有害物質
などです。
簡単にまとめましたが、
合成/貯蔵/解毒
で覚えてください。
①コーヒー
コーヒーに含まれる栄養素はクロロゲン酸。
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、肝臓に対していくつかのよい効果をもたらします。
その一つが肝硬変を抑制する効果。
アメリカで125,000人を対象に実施された22年間の追跡調査では、毎日4杯以上コーヒーを飲む人は、飲まない人と比べてアルコール性肝硬変の発症率が1/5になった、というデータがあります。
クロロゲン酸は、肝硬変だけではなく
肝臓ガンのリスク抑制効果も注目されています。
国立がん研究センターが、40歳から69歳の9万人を対象とした10年間の調査です。
毎日5杯以上コーヒーを飲んでいる人は、肝臓がんの発症リスクが76%も減少した、という結果が出ています。
肝臓疾患以外にも、
糖尿病の予防、心血管疾患の予防、
精神疾患の予防、認知症の予防など、
コーヒーにはさまざまな健康効果が期待できます。
②イカ、タコ
含まれる栄養素はタウリン。
リポビタンDで有名なタウリンは、体内に存在する遊離アミノ酸システインを骨格にした化合物です。
システインは別の名を含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)とも呼ばれ、この硫黄に有害物質を吸着して体外に排出する機能があります。
タウリンは、含硫アミノ酸の力で肝臓の解毒能力を強化して、アルコール障害の予防にも働きます。
タウリンはそれ以外にも、
⑴血液中のコレステロールと中性脂肪を減らす
⑵血圧を正常に保つ
⑶インスリン分泌を促進して糖尿病を予防する
⑷視力の衰えを防ぐ
⑸新生児の脳や網膜の発育を助ける
などさまざまな働きがあります。
タウリンはタコ、イカのほかにも、
あさり、しじみ、ホタテ、牡蠣
などの貝類にも含まれます。
③ニンニク
ニンニクは、ガン予防にもっとも強力に働く食べ物として知られています。
ガン抑制(予防)に効果がある食べ物として、ニンニクは断トツでトップです。
ニンニクに含まれるガン予防に働く成分は、硫黄化合物のアリシンではないかと思われています。
正確に言うと、ニンニクに含まれるのはアリインという物質で、アリインがアリイナーゼという酵素の働きでアリシンに変化します。
アリシンは肝臓にも作用することが分かっていて、肝臓に蓄積された毒素を体外に排出する役割があります。
2016年に国内で実施された
「黒ニンニク含有サプリメント摂取による肝機能保護作用」の比較試験があります。
黒ニンニクサプリを12週間飲み続けたグループは、プラセボ(飲んでいない)グループと比べて、肝機能のマーカーであるALTとASTの数値が低かった、という結果が出ています。
④アボカド、キウイフルーツ
2つの果物に含まれる栄養素はグルタチオンです。
グルタチオンは、体内でつくられるトリペプチド、(システイン、グルタミン酸、グリシン)3つのアミノ酸からできる化合物で注目の物質です。
きわめて強い抗酸化作用に働き、
ガン、動脈硬化をはじめとした生活習慣病の予防、
老化防止、美容効果も期待できます。
それ以外にも、
薬物やアルコールの解毒・デトックス作用
インフルエンザ等の抗ウイルス作用、
抗炎症作用、放射線障害の予防、白内障予防
など、マルチな健康効果が期待できます。
肝臓に対しては、肝機能障害予防、
アルコール性脂肪肝予防に働くことは知られていましたが、近年にわかに注目されているのが
非アルコール性脂肪肝です。
アルコールを飲む習慣がないのに発症してしまう脂肪肝で、日本人は増加傾向にあります。
非アルコール性脂肪肝に関する研究報告も存在します。
2015年、非アルコール性脂肪肝を抱える人に対する調査で、適度にアボカドを摂取することで肝機能を示す各数値(γGTP,AST,ALTなど)が改善したという結果が出ています。
グルタチオンは、アボカド、キウイフルーツ以外にも、
レバー、肉類全般、小麦胚芽、パン酵母
などにも含まれます。
⑤アブラナ科野菜
アブラナ科の野菜には、
ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、
チンゲン菜、大根、カブ、ケール、小松菜
などが含まれます。
アブラナ科の野菜は、近年もっとも注目されている食材かもしれません。
それは、アブラナ科野菜が持つ
抗酸化作用、抗ガン作用です。
抗ガン作用に働く成分は、
イソチオシアネートという硫黄化合物です。
イソチオシアネートは、肝臓の解毒作用を活性化させて、発ガン性物質の毒性を抑制する働きがあります。
それのより、ガン予防、とくに肝臓ガンの予防効果が期待されています。
イソチオシアネートは、それ以外にも
血栓予防、消化促進、殺菌作用を持ちます。
イソチオシアネート系化合物のなかでもより強力な抗酸化作用、解毒作用、抗がん作用を発揮するのが、スルフォラファンという物質です。
スルフォラファンはおもにブロッコリーに含まれ、100種類以上の酵素、中でも解毒に働く酵素、抗酸化作用に働く酵素の生成を促します。
アブラナ科野菜には、昔からビタミンU(別名キャベジン)という硫黄成分を含むアミノ酸でも有名でした。
胃腸薬「キャベジン」で知られるビタミンUは、
胃酸分泌を抑制、胃粘膜の修復
及び胃粘膜の新陳代謝を活性、
胃炎や胃潰瘍の回復を促進、
などに働きます。
胃以外にも、
肝臓のアルコール分解を助ける、
脂肪肝を防ぐ、など
肝臓への効果もあります。
肝臓を破壊する食事内容
過剰な脂質と過剰な糖質の摂取です。
この内、脂質については「脂肪肝」という病名から警戒する人は多いですが、意外と意識されないのが過剰な糖質です。
今や肥満の原因のほとんどは、高脂肪ではなく糖質の摂りすぎであることは知られています。
摂取し過ぎた糖質は簡単に脂質に変換します。
これが脂肪肝につながり、放置すると肝硬変に進行するリスクが高くなります。
栄養バランスを意識しない人の食事は、炭水化物が中心になりがちです。
これをタンパク質中心の食事に移行することが重要です。
言うまでもなく、肝臓の材料はタンパク質だからです。
まとめ
肝臓が超若返る5つ食べ物と栄養素
①コーヒー(クロロゲン酸)
②イカ、タコ(タウリン)
③ニンニク(アリシン)
④アボカド、キウイフルーツ(グルタチオン)
⑤アブラナ科の野菜(イソチオシアネート、ビタミンU)
この記事の内容については動画もアップしています。
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