見出し画像

腎臓強化 絶対に外せない食品10選【前編】

患者数1330万人(推計)。
これは何の病気の患者数か分かりますか?

答えは・・・慢性腎臓病(CKD)です。

慢性腎臓病とは、
⑴蛋白尿の存在など腎障害が明らか 
⑵糸球体濾過量eGFR検査値が60以下 
⑴⑵のいずれか、または両方が3か月以上持続する場合に診断されます。

ようは腎機能がすでに正常ではない、またはその予備軍です。
その慢性腎臓病(CKD)が1330万人。
日本人の10人に1人、成人の8人に1人です。

慢性腎臓病(CKD)には5段階のステージがあり、軽度の場合はすぐに生活に支障が出ることはありません。

それでも、放置しておくと腎機能低下が進行し、やがて絶対に回避したい透析治療に突き進んでしまいます。
透析になると、週に3回、1回につき4~5時間を要します。

もちろん治療費や交通費もかかりますが、それ以上に莫大な時間が奪われることの方が、私にとっては大大大問題です。
お金よりも時間の方がはるかに重いと考えるからです。

私と同じ価値観の方にとっては、透析につながる腎機能低下は何としても避けたいところです。

この記事では、腎機能を低下させない、腎臓を強化する食べ物を10個、厳選して解説します。
(記事の文末に動画を貼付しています)

腎臓を強化する食べ物①大麦 

まずは毎日食べる主食から。
毎日の白米ご飯に大麦を混ぜて食べるだけで、それが1年2年と積み重なると健康レベルが天と地ほどの差がついてきます。

大麦をお薦めする第一の理由は、水溶性食物繊維が持つ腸内環境改善効果です。
水溶性食物繊維は腸内善玉菌のエサになり、腸内細菌バランスを善玉菌優位に導くからです。

その大麦は、腸だけではなく、腎臓にも嬉しい食べ物です。
水溶性食物繊維の一種であるβグルカンが、腸での糖の吸収をおだやかにして、血糖値の急上昇を防ぎます。

高血糖状態、つまり糖尿病が進行すると透析になることはご存知だと思います。

糖尿病で高血糖状態が長く続くと、組織のタンパク質に血液中のブドウ糖が結合した物質、AGEsが増えます。
血管の細胞とブドウ糖が結びつくと細胞が変質してし、とくに小さな血管は傷つきやすくなります。 

腎臓の濾過装置である糸球体は、細い血管が多く傷つきやすいので、結果として腎機能が低下します。

腎臓を労わり透析を回避するためには、とにかく高血糖状態にしないことです。毎日1~2回、人によっては3回食べる主食から摂ることが重要です。

大麦には押し麦、丸麦、もち麦と種類がありますが、グラム当たりの水溶性食物繊維、βグルカンが多いのは、もち麦です。
もち麦は押し麦の約2倍です。

もち麦は一押し食品です。
しかも、もち麦は安い!
もち麦は、費用対健康効果において最強の食品です。

腎臓を強化する食べ物②ショウガ

体を温めて冷え性の改善に働いたり、ガンの予防効果でも知られているショウガですが、ショウガは腎臓強化、腎機能維持にも期待できる食品です。

一つは、大麦で説明した高血糖抑制効果です。

マウスを使った実験ですが。
ショウガに含まれる辛み成分、6ジンゲロールがインスリン感受性を高めて、血糖値の上昇が有意に低下した、という結果が出ました。

腎機能との関連、もう一つは炎症抑制作用です。
ショウガに含まれるショウガオール、ジンゲロール等の成分には強力な抗炎症作用があり、糸球体の細い血管を保護します。

ジンゲロールは加熱すると活性化するので、必ず加熱して使ってください。

ちなみに、私が最近作ったショウガレシピは鶏もも肉とナスの生姜炒め。
夏レシピです。

腎臓を強化する食べ物③ブルーベリー

ブルーベリーといえば、強力な抗酸化物質アントシアニンが知られています。

アントシアニンは老眼や白内障、加齢黄斑変性等の予防など、
「眼の栄養素」として有名です。

が、腎臓へのダメージを減らす効果も注目されています。
強力な抗酸化作用で、腎臓の毛細血管が損傷して動脈硬化になるのを防ぎます。

マウスを使った実験ですが、ブルーベリー強化食を与えたマウスは腎機能が大幅に改善した、という報告もあります。
人に関する論文でも、糖尿病性腎臓病における腎機能の改善にブルーベリーが一定の役割を果たした、という研究報告もあります。

アントシアニンが眼や腎機能の維持、改善に効果があるのは、極細である毛細血管をしっかり通って組織の末端まで届くからです。

ブルーベリーに含まれる抗酸化物質は、アントシアニンだけではありません。
プロアントシアニジン
クロロゲン酸
フラボノール配糖体
ビタミンE

トータルで見ても、ブルーベリーの抗酸化能力は、他のフルーツや野菜と比べても頭一つ抜けています。
たぶん、これら複数の抗酸化物質が複雑に連携して、腎機能の維持に働いているのではないかと推測します。

ブルーベリーの食べ方、ポイントは皮ごと生で食べる、です。
ブルーベリーに限らず、皮にこそ栄養素が詰まっています。
アントシアニンも例外ではありません。

また、アントシアニンを含むポリフェノールは熱に弱いため、加熱しないでそのまま食べてください。

腎臓を強化する食べ物④スイカ

スイカが腎臓を強化する成分はシトルリンです。
シトルリンはアミノ酸の一種ですが、タンパク質の構成成分とはならずに、単体で体に存在して単独で働く遊離アミノ酸です。

シトルリンは、血管拡張作用を持つ物質、一酸化窒素(NO)を作り出します。
一酸化窒素は、血管を取り囲む平滑筋という筋肉を緩めることで血管を拡張させて、血液の流れをスムーズにします。

シトルリンは、スイカ以外にも
メロン、きゅうり、ゴーヤ、冬瓜など、
瓜科の野菜や果物に多く含まれています。

中でも多いのが、シトルリンの名前の由来となったスイカです。
スイカの学名Citrullus vulgaris から来ています。

シトルリンは、肝臓内で有毒なアンモニアを無毒化する尿素サイクルに関わる成分でもあります。
つまり、シトルリンは肝臓、腎臓の両方に作用するスゴい成分ということです。

この夏は、
スイカ、メロン、きゅうり、ゴーヤ、冬瓜
を積極的に食べましょう!

腎臓を強化する食べ物⑤玉ねぎ

玉ねぎが腎臓を元気にする理由は2つ。

一つは、その超強力な解毒力です。
解毒に働く成分はイオウ化合物。

イオウ化合物が解毒する有害物質、重金属は次の通りです。 
カドミウム
ヒ素 
鉛 
アルミニウム 
エタノール 
アフラトキシン
アクリルアミド
(デンプンを高温加熱時に発生する有害物質)

これらの有害物質、重金属を解毒排出することで、腎機能低下が加速するのを防ぎます。
とくに米を主食とする日本人にとって、カドミウムの解毒は重要です。 

玉ねぎが腎臓に作用するもう一つの成分はケルセチン。
ケルセチンは、アントシアニンと同じく、ポリフェノールの一種です。

ケルセチンは高血圧や糖尿病の改善、さらに血液中の中性脂肪やコレステロールの代謝促進により、動脈硬化の予防に働きます。
まさに四方八方から腎臓を保護します。

この記事は【後編】に続きます。


この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?