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加工肉で胃がん、大腸がん確定【後編】

この記事は【前編】からの続きです。

【前編】では、加工肉に含まれる
亜硝酸ナトリウムという添加物の危険性を中心に、
①亜硝酸ナトリウムが使用される理由 
②加工肉が胃がんを引き起こす理由 
③加工肉が大腸がんを引き起こす理由
 
以上3つをお伝えしました。

4 ,亜硝酸ナトリウム発がん性への対策

加工肉による発がんリスクを軽減する対策は、ビタミンC。
加工肉を食べる時は、その前後にビタミンCをたっぷり摂取して下さい。

ビタミンCは、亜硝酸ナトリウムと2級アミンが反応して、ニトロソ化合物が生成されるのを抑制する働きがあるからです。

これまでの研究で、ビタミンCが持つ還元作用(水素と結合すること、電子を得ること)で、亜硝酸ナトリウムの亜硝酸の部分を一酸化窒素に還元することが分かっています。
それにより、ニトロソ化合物の生成を抑制させることが可能です。

実際にスーパーで加工肉商品の成分表示を見ると、ビタミンCが添加されているものが結構あります。
ニトロソ化合物の危険性を知っている消費者が増えているからなのか、メーカーも対策に乗り出しているのだと思います。

「であれば、加工肉を食べても心配ない」
と早合点はしないでください。 
ビタミンCの役割はニトロソ化合物生成の抑制であって、完全な阻害あるいは消滅ではないからです。

「野菜を食べるとガンになる?」

ここで、相当に学習されている方からの突っ込みに対して、あらかじめ答えておきます。 

肉ではなく、野菜の話です。
野菜には相当量の硝酸塩が含まれていて、これが口腔内の細菌により亜硝酸ナトリウムに変化することがわかっています。

そのため、危険なのは加工肉や魚卵だけではなく、野菜だってガンを引き起こすと指摘する人がいます。

しかし野菜には、肉や魚と違い、ビタミンCなどの還元物質が含まれています。
それが一定量の亜硝酸を一酸化窒素に還元するために、ニトロソ化合物の生成を抑制すると考えられます。

野菜によって含まれる還元物質とその含有量が違いますので、ニトロソ化合物がゼロとは言い切れません。
ですが、加工肉や魚卵と野菜を同列に扱うのは、あまりにも無理があります。

「野菜を食べるとガンになる」では、野菜の立つ瀬がありません。

5 ,亜硝酸ナトリウム不使用の商品

亜硝酸ナトリウム不使用の加工肉も、多くはないですが、数社から販売されています。
チェックする点は、鮮やかなピンク色ではなく、やや褐色がかった商品。

もう一つは「無塩せき」の表示がある商品。 
無塩せきとは、原料の肉を調味料に漬け込む過程で、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を使用しないことを意味します。

まずは、スーパーなどで比較的手に入りやすい商品からです。

信州ハムのハムやベーコン。

次に、日本ハム、森の薫りシリーズのハムおよびベーコン。

そして、イオン、トップバリューブランドのハム、ベーコン、ソーセージ。
(信州ハムが製造しています。)

さらに、フードリエ(旧グリコハム)のハム、ソーセージ。

これらの商品は大きめの食品スーパーに行けば、一つか二つは発見できるのではないかと思います。

スーパーではないですが、コストコで販売されているホワイトスモークというブランドのベーコンとソーセージも、亜硝酸ナトリウム不使用です。

ただしコストコの商品は量が多いので、一人暮らしや二人暮らしには向かないかもしれません。 

沖縄でよく使われるポーク缶詰。

戦後アメリカから入ってきた食文化の一つで、多くの人が購入するのは上のような輸入品ですが、100%亜硝酸ナトリウムが入っています。

私が買う場合には、こちら

亜硝酸ナトリウム不使用の「わしたポーク」を選んでいます。

明太子についてもこちらの商品には
「発色材不使用」と表記されています。

注意点です。

加工食品に使われる原材料、添加物は予告なしで変更する場合があります。
また、同じメーカーの同じシリーズでも、亜硝酸ナトリウムが入っていたり入っていなかったりがあります。

紹介した商品を購入する際は、念のため原材料表示を確かめてから買い物カゴに入れてください。

加工肉のリスクは発がん性以外にも

この記事では、加工肉の発がんリスクを中心にお伝えしましたが、加工肉の健康リスクはそれだけではありません。

加工肉に多く含まれるリン酸塩による腎臓への悪影響です。

加工肉のリン酸塩は、肉のくっつきをよくするための結着剤として使用されています。
製品の全体的に使うので、使用量は当然多くなります。

リンはカルシウムと並ぶ骨の成分であり、適量は必要です。
しかし、リンの過剰摂取、正確に言うとリンの過剰蓄積が長期に渡って続くと、腎機能が確実に低下します。

自然の食べ物に含まれる有機リンの吸収率は、20〜60%でそれほど高くはありません。 
一方で、加工肉に含まれる無機リンの吸収率は90%にも上ります。 

リン酸塩として加工肉に含まれるリンは、含有量が多い上にほとんど全部が吸収されてしまいます。
加工肉を多く食べる人は、リンの体内蓄積が進み、腎機能低下が一気に進むので要注意です。

腎機能を低下させる要因は、リンの過剰摂取以外にもあります。  
それに関しては、以下の記事で解説していますので、気になる方はご覧下さい。


【前編・後編】まとめ

①亜硝酸ナトリウムが使用される理由 

おもに、色合いをよくする、整えるため。
肉類は日数が経つと見た目がだんだん黒ずんでくるので、亜硝酸ナトリウムを使うことで、色合いを維持するのが目的です。    

②加工肉が胃がんを引き起こす理由    

亜硝酸ナトリウムが消化管で2級アミンと反応すると、ニトロソ化合物という発がん物質が生成されます。
ニトロソ化合物は酸性下で反応が促進されやすいため、とくに胃がんリスクを高くします。

③加工肉が大腸がんを引き起こす理由  

⑴加工肉に多いヘム鉄が活性酸素を発生させて、大腸粘膜の細胞壁を傷つけること。

⑵肉類に多い飽和脂肪酸を消化するための胆汁酸が、腸内悪玉菌によって発がん物質を含む二次胆汁酸に変化してしまうこと。

⑶未消化タンパクの一部が腸内悪玉菌と反応して、ニトロソ化合物が生成されること。

以上、3つの要因が考えられます

④亜硝酸ナトリウム発がん性への対策  

加工肉を食べる時にビタミンCをたっぷり摂取すること。
ビタミンCは、亜硝酸ナトリウムと2級アミンが反応して、ニトロソ化合物が生成されるのを抑制する働きがあるからです。 

5 亜硝酸ナトリウム不使用の商品     

信州ハムの商品。
日本ハム、森の薫りシリーズ。
イオン、トップバリューブランドの商品。
フードリエの商品。
コストコ扱いホワイトスモークブランドの商品。

などがあります。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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