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悩ましい食品? ヨーグルトはプラス or マイナス?

 健康によいのかどうか、非常に悩ましい食品の一つがヨーグルトです。プラスは確実にあるし、けれどもマイナスもありそうだ。天秤に掛けるとどっちなんだ、ということです。

 そこで、ヨーグルトのプラス面とマイナス面を一つ一つ確認して、ヨーグルトは積極的に食べた方がよい食品なのか、それとも極力避けたい食品なのか、その判断材料にしていただきたいと思います。

前提として

 まず前提として知っておいていただきたいのは、マイナス面や不安な点が全くない食品は基本的にはありません。

 例えば、魚にしても水銀をはじめ海の重金属は大丈夫?米はカドミウム?卵の場合は、鳥の餌にアメリカから輸入された遺伝子組み換えの小麦やとうもろこしは使われていないのか?牛や豚も同じ。

 つまり、重箱の隅を突つけばもう何も食べられなくなります。しかし、小さなマイナスがあったとしても、それを補って余りあるプラスがあるから食べるわけです。

 では、ヨーグルトは小さなマイナスを補って余りあるプラスの食品なのかどうか、それを今からチェックしてみます。

乳酸菌

 ヨーグルトのプラス面から見ていきます。何と言っても乳酸菌です。これに尽きます。腸内環境の大切さが叫ばれる中、確実に乳酸菌を摂取できるヨーグルトは貴重な存在かもしれません。

 乳酸菌は1000種類以上あって、どの乳酸菌が効果を発揮しやすいのかは人それぞれで違います。指紋がみんな違うのと同じです。
 味噌や醤油、漬物の乳酸菌は限られた種類のものなので、それだけでは腸の状態が上向かない場合には、いろんなヨーグルトを食べて、いろんな乳酸菌を試してみる価値はあるかもしれません。

 その場合には、一つの商品を最低でも2週間は続けてください。乳酸菌は腸に棲みつくのに時間がかかるからです。 
 2週間続けて、体調の変化がまったく感じられない場合には、次のヨーグルト(乳酸菌)というようにローテーションをしてください。その内きっと相性のよい乳酸菌と出会うはずです。

  また、各メーカーが開発している機能性乳酸菌(免疫が上がる、アレルギー効果、ピロリ菌から胃を守る)も相性の良し悪しがありますので、関心のある人は試してもいいかもしれません。

 なお、「乳酸菌は胃酸で殺されるから効果がない」という見方が以前からありますが、死滅していたとしてもそれなりに腸で働く、というのが近年の見解です。

ビフィズス菌

ヨーグルトのプラス面、次はビフィズス菌です。

 ただ、ビフィズス菌が入っているかどうかはメーカー次第で、牛乳を発酵させれば、自動的にビフィズス菌が生まれるのではなくて、メーカーが添加している商品にのみ含まれています。

 乳酸菌がおもに小腸で働くのに対して、ビフィズス菌は大腸で働くます。つまり、腸のためには乳酸菌もビフィズス菌も必要です。
 ヨーグルトを購入する時には、ビフィズス菌がしっかり入っている商品を選んでください。

タンパク質

 ヨーグルトのプラス面3つ目は、言わずと知れたタンパク質を含むことです。ヨーグルト100g当りのタンパク質は3、6〜4、3gです。

「ん?少ないぞ」とすぐに思った方は、かなり勉強されています。

 卵Mサイズ50g当たりのタンパク質が約6,4gです。100gに直すと12、8gです。
 納豆1パック50g当たりのタンパク質は8、3g。100gに直すと16、6gです。

 それに対してヨーグルトは100g当たり3、6〜4、3gという量はけっして多いとは言えません。
 乳製品=タンパク食品、というイメージがありますが、このように細かく数字をチェックしてみると、それほどでもないと言えます。

 結局、プラス面として紹介したはずが、小さなプラスという結果になりました。

 それ以外のプラス面を挙げると、ビタミンA、ビタミンB2、カルシウム、カリウムが多少含まれるということになります。

 カゼイン

 続いて、ヨーグルトの考えられるマイナス面です。
 ヨーグルトのマイナス面、即ち牛乳のマイナス面になります。

 まずは、牛乳に含まれるカゼインというタンパク質です。

 牛乳に含まれるタンパク質のうち、約20%はホエイタンパクと言って、こちらはプロテインのサプリメントで知られています。

 残りの約80%がカゼインと言うタンパク質ですが、カゼインの分子は粗く大きく、吸収が難しいと言われています。
 この消化が困難なカゼインが腸に溜まると、腸内で炎症を起こします。

 腸内で炎症を起こすと、腸での吸収に支障が出ます。せっかく食べた食物の吸収率が悪くなることを意味します。
 もう一つ、腸が炎症を起こすと腸が傷つき、傷ついた箇所に隙間が空いてしまいます。その隙間から本来なら血液中に入ってはいけないものが侵入してしまうこと、それをリーキガットと言います。

 隙間から侵入した物質を、体の免疫システムが異物と認識して攻撃を仕掛ける。これがアレルギーの引き金になる可能性があります。 
 アレルギーに悩む人は年々増えていますが、このリーキガット(腸の炎症)が最大の原因ではないかと、私は考えています。

  カゼインはそれ以外にも、カゼイン自体がアレルギー物質であること、モルヒネ様物質を含み依存性を引き起こすことが指摘されています。

骨を強くするどころか弱くする

 その理由の一つに、乳製品のカルシウム対マグネシウムの比率の悪さがあります。
 「骨の材料はカルシウム」だと思われていますが、カルシウムのほかに微量のマグネシウムが含まれ、そのマグネシウムがカルシウムを沈着させ強い骨づくりに大きな貢献をしています。

 乳製品のカルシウム対マグネシウムの比率は10:1です。理想的な比率は1:1ですので、そこからは掛け離れています。
 マグネシウムが少な過ぎます。

 したがって、日常的に牛乳乳製品を摂る人は、それ以外の食事でマグネシウムを意識して摂る必要があります。
 マグネシウムを多く含む食品は海藻類、大豆食品、ゴマ、ナッツ類、魚介類、キノコ、未精製の穀物などです。

乳ガン、前立腺ガンのリスクを上げる

 乳ガン、前立腺ガンの発症は、ホルモン濃度との相関関係があると言われています。過剰なホルモン濃度がガン細胞の増殖につながります。

 高濃度ホルモン飲料とも言える牛乳、それを原材料としたヨーグルトの摂取は、それを助長しかねません。

 もし閉経前の女性で、月経が重い、辛い症状が出る、出血量が多い、また閉経後の女性でも、閉経前はそうであった、更年期の症状が重かった、などの場合は、ただでさえホルモン濃度が高い可能性があります。

 その場合は、(ホルモン治療した人も)乳製品であるヨーグルトの摂取はかなり慎重に判断した方がいいでしょう。

まとめ

 ヨーグルトのプラス面は何と言っても乳酸菌です。乳酸菌は1000種類以上あって、どの乳酸菌が効果を発揮しやすいのかは人それぞれで違います。

ビフィズス菌の有無はメーカー次第ですので、ヨーグルトを購入する時にはビフィズス菌がしっかり入っている商品を選んで下さい。

 ヨーグルトはタンパク食品ということですが、実際のタンパク質含有量は100g当たり3、6〜4、3gで、けっして多いとは言えません。

 ヨーグルトの考えられるマイナス面は、即ち牛乳のマイナス面であり、

1.カゼインと言うタンパク質が腸内で炎症を起こし、それがアレルギーを発症させる可能性があります。

2.骨を強くするどころか弱くする可能性がある。

3.乳ガン、前立腺ガンのリスクを上げる。

 最終的には人それぞれですのでこれらのプラスマイナスを理解した上で、判断してください。
 この記事の内容については動画もアップしていますので、合わせてご覧ください。


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