ビタミンD不足 2つの理由
免疫力向上、免疫力調整に大きく関わることで、予防や体質改善に欠かせないビタミン、
今もっとも注目されているビタミンがビタミンDです。
にもかかわらず、
日本人の98%はビタミンDが不足しています。
ビタミンD摂取の現状はどうなっているのか、
どうして不足してしまうのか、
それに対してどうすればよいのか、
サプリがベストチョイスなのか。
この記事ではこれらの点について深掘りしてみます。
記事の内容は、
①ビタミンDの働き
②日本人のビタミンD摂取量の現状
③ビタミンDの摂取方法
④ビタミンDが不足する2つの理由
⑤ビタミンDサプリについて(私の考え)
ビタミンDの働き
その役割はザッと見てもこの通り
もっともよく知られているのは、丈夫な骨を維持すること。
ビタミンD がカルシウムの吸収を助けるからです。
とりわけ閉経後の女性は、ホルモンの関係で骨密度が低くなりやすい傾向があります。
そこにビタミンDが不足すると、骨粗鬆症のリスクが高まります。
ビタミンDは、筋肉の合成を促進する役割もあります。
ビタミンDが含まれるプロテインサプリがあるのは、それが理由です。
骨や筋肉を強くすること以外にも、
ビタミンDは次々と新しい効果が各国から論文で発表されている注目のビタミンです。例えば、
①感染症の予防
ビタミンDは、免疫力の増強に働くことが分かっています。
それにより、さまざまな病気の予防が期待できますが、中でもウイルスを撃退する効果に注目が集まっています。
風邪・インフルエンザに始まり(風邪は9割ウイルス)、
新型コロナウイルスに関しても、ビタミンDの血中濃度が高い人は感染者が少なかったという研究報告が、早い段階から発表されていました。
②アレルギー疾患の緩和、改善
ビタミンDは免疫力の増強だけではなく、
免疫力の調整にも働きます。
アレルギー疾患は免疫細胞の暴走が原因だと言われています。
ダニ、ほこり、スギ花粉など、有害とは言えない物質をアレルゲン(異物)として免疫細胞が過剰反応して、攻撃を仕掛けることで起こる症状です。
この免疫細胞の暴走を食い止めて、免疫細胞全体のバランスを維持する役割を担うのが、リンパ球の一種、制御性T細胞です。
ビタミンDが不足すると、制御性T細胞の活性が低いことが分かっています。
そのため、免疫細胞の暴走を食い止められずにアレルゲンに反応してしまいます。
③ガン予防、心血管疾患予防
アメリカ・ハーバード大学、
ドイツがん研究センターなどを中心とする10万人のデータを解析した国際共同研究があります。
それによると、ビタミンDサプリメントを連日飲むとガン死亡率が12%減少することを報告しています。
国内で行われた研究でも、食事からのビタミンD摂取が多い人は死亡リスクが低いことが、10万人近くの日本人の19年間におよぶ追跡調査で明らかになっています。
ガン予防と心血管疾患予防が大きく関与していることは、ほぼ間違いありません。
また、ビタミンDの摂取が多い人は、脳梗塞と肺炎による死亡率が低いことも報告されています。
日本人のビタミンD摂取量の現状
日本人女性の、1日の食事による年齢別ビタミンD摂取量を表したグラフです。
ほぼ真ん中5、5μgの所で色分けされていますが、これは長らく厚生労働省が定めていた目安量です。
ちなみに、このグラフにない男性は、概ねどの年代でも1μg程度多いと考えてください。
じつは2020年、目安量の5、5μgが改定されて8、5μgに引き上げられました。
すると、全ての年代で男女問わず足りていないことが分かります。
しかも、この5、5μgとか8、5μgの根拠は、骨粗鬆症を予防できるという量に過ぎません。
実際に、日本人の98%がビタミンDの不足であることが、東京慈恵会医科大学による大規模な調査で明らかになっています。
研究グループは、2019年4月~2020年3月に東京都内で健康診断を受けた5,518人を対象に調査を実施。
研究グループによると、
ビタミンDの不足は、骨粗鬆症だけでなく、
感染症、心血管疾患、自己免疫疾患発症
などにも関連し、新型コロナの重症化因子としても注目されました。
ビタミンDの摂取方法
ビタミンDが多い食べ物は、圧倒的に魚介類です。
干し椎茸やキクラゲもビタミンDが含まれますが、実際には含有量が少ない上に、活性度が低いビタミンD2です。
ビタミンDにはD2からD 7までの6種類があり、活性度が高いのは魚介類に含まれるD3です。
つまり、ビタミンDの凄い健康効果を食べ物から得るには、実質、魚介類一択となります。
そのためビタミンDは、足りている人と足りていない人とにハッキリ分かれる傾向があります。
ですが、魚介類のほかに、ビタミンD3をゲットできる方法があります。
日光浴です。
皮膚の下のコレステロールに紫外線が当たると、ビタミンD3の前駆体を合成します。
それが肝臓や腎臓で活性化されて、活性型ビタミンD3に変換されます。
紫外線は緯度が低く、標高が高いと強くなります。
住んでいる地域によって差が出ます。
季節や時間帯によっても違います。
夏は冬より強く、日中は朝夕より強くなります。
服装つまり肌の露出度や、その人の肌の色によっても紫外線を取り込める量が違ってきます。
皆さん各々が日光浴を1日何分すれば良いのかは、簡単には答えられません。
そこで、一つの目安になる表をご覧下さい。
この表は、1日10μgのビタミンD3を合成できる時間を表しています。
これを見ると、夏場であれば、それほどの時間は必要ないことが分かります。
しかも、条件は顔と手の甲のみの露出です。
半袖、短パン、ミニスカート、キュロットであれば、この半分くらいの時間でよいかもしれません。
私は、顔は日焼け止めを塗りますが、腕や脚はできる限り露出して、太陽光を浴びビタミンD3をたっぷり合成しています。
ビタミンDが不足する2つの理由
すでに半分以上、答えを書いてしまいました。
一つは、お魚を食べなくなったこと。
それは、下のグラフを見ても明らかです。
ビタミンDが不足する2つ目の理由は、
日光浴を極端に嫌う人が多いこと。
美肌、美白については突っ込んだコメントはできませんので、最終的には人それぞれです。
ただ、日焼けのほかに、紫外線による皮膚ガンリスクを心配する人がいるようですが、皮膚ガンのリスクはほぼないと私は考えています。
根拠は2つ。
1つ目は、人種別に見たケースです。
確率的に皮膚ガンになりやすいのは白色人種で、黄色人種の日本人は皮膚ガンになりにくいことが知られています。
下のグラフは、10万人当たり年間の皮膚ガン罹患者数を表したものです。
ひと目で分かるように、白色人種がほとんどである2つの国オーストラリアとニュージーランドが突出しています。
日本はというと、下から3番目。
10万人当たり年間3〜5人です。
割合で言うと、0,003〜0,005%です。
日光浴の皮膚ガンリスクはないと考える2つ目の根拠。
皮膚ガンになった部位を統計的に見ても、直接太陽光が当たらない場所が多いからです。
意外ですが、下の図は皮膚ガンの一種であるメラノーマができる部位を表したものです。
顔の中でも、口腔内、鼻腔内は日光には当たりません。
それ以外にも、
外陰部、肛門、手のひら、足の裏、体幹など、紫外線とは全く関係ない部位が皮膚ガンになりやすい傾向があります。
このことから、紫外線と皮膚ガンの因果関係はほぼない考えます。
100%ないとは言いません。
が、かりに微々たるリスクがあるとしても、
ビタミンDには抗がん作用があることを忘れてはいけません。
ビタミンDサプリについて
お魚をほとんど食べない、日光浴もしない
という人は確実にビタミンDが不足します。
その場合はビタミンDサプリが必要です。
ちなみに私は、ビタミンD個別サプリを飲んではいません。
理由は、お魚と日光浴から少なくとも10μgはビタミンDを得ていること。
それに加えて、マルチビタミンから50μgを摂取しているからです。
私が飲んでいる、マルチビタミン
Life Extention[Two Per Day]
この[Two Per Day]には、
ビタミンD3が50μg含まれています
合わせると60μg。
ビタミンD3は60μgも摂れば十分です。
ビタミンDサプリを否定してはいませんが、積極的には薦めていません。
その理由は、ビタミンDの単位が
μgだからです。
μgはmgの千分の一です。
例えば50μgをmgに直すと
0、5mgです。
0、5mgの大きさはゴマ粒より断然小さいです。
それを錠剤にすると絶対につまめません。
そのため、飲みやすくするためにかさ増しをします。
使われるのは添加物です。
例として、ネイチャーメイドの場合。
ビタミンD 25μgに対して、
錠剤の内容量が245mgです。
計算すると、ビタミンDは全体の
0.01%、
逆に添加物が99.99%です。
つまり、ほぼ100%が添加物ということです。
ごく微量のビタミンDのために、
ほぼ100%別のものを飲まされているのが事実です。
私がビタミンD個別サプリを積極的には薦めていないのは、ややマニアックな理由です。
最終的には、それぞれの事情に合わせて適切に判断していただければ結構です。
が、ビタミンDには過剰摂取のリスクも存在します。
輸入サプリで商品選びを間違えてしまうと、ビタミンD過剰症になる可能性があります。
それについては、後日あらためて詳しく解説します。
まとめ
①ビタミンDの働き
「丈夫な骨を維持する」
「筋肉の合成を促進する」
以外に、
「感染症の予防」
「アレルギー疾患の緩和改善」
「ガン予防、心血管疾患予防」
など、さまざま
②日本人のビタミンD摂取量の現状
厚生労働省の目安量8、5μgに対して、
98%の人が不足気味。
③ビタミンDの摂取方法
ビタミンDが含まれる食べ物は、
活性度が高いビタミンD3に限れば、
魚介類に絞られます。それ以外では、
日光浴でビタミンD3を体内合成できます。
④ビタミンDが不足する2つの理由
お魚の摂取量が減っていること。
日光浴を極端に敬遠する人が多いこと。
以上2つです。
⑤ビタミンDサプリについて
お魚と日光浴から、それに加えて、
マルチビタミンからの摂取で必要量をカバーするのが望ましいと考えます。
μg単位のビタミンDサプリは、
内容量のほぼ100%が添加物で作られるからです。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。
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